丸善日本橋で富山ガラス工芸展、小暮紀一、吉田薫、輪島明子ら

【銀座新聞ニュース=2020年4月8日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は4月8日から14日まで3階ギャラリーで「とやまのガラス5人+α展」を開く。

丸善・日本橋店で4月8日から14日まで開かれる「とやまのガラス5人+α展」に出品される作品。

「富山ガラス作家協会」(富山県中新川郡舟橋村東芦原145-3)が後援するイベントで、薬瓶に由来する富山でのガラスの歴史、この地で生まれた質の高いガラスの作品は「明日のとやまブランド」として富山県が2012年度に認定している。

今回は小暮紀一(こぐれ・のりかず)さんら富山に工房を構える5人の作家がアート作品や器、和装小物やアクセサリーなどのガラス作品を展示販売する。

出品するガラス工芸作家は工房「蜻蛉(とんぼ)玉 丙午(へいご)」(富山市古沢237-3-4A、076-427-0550)を主宰する小暮紀一さんのほか、小暮紀一さんの妻で、富山ガラス作家協会の副会長の林裕子(はやし・ひろこ)さん、「オバタ硝子工房オニガマ(ONIGAMA)」(富山県富山市本宮1363-1、076-482-1920)を主宰する小幡祐嗣(おばた・ゆうじ)さん。

富山ガラス作家協会の共同代表で、「グラス・ファクトリー・スタジオ(GLASS FACTORY K’s studio)」を主宰する吉田薫(よしだ・かおる)さん、「アキコス・ガラス(Aki-Kos Glass)」(富山県富山市追分茶屋36-2、076-436-2272)を主宰する輪島明子(わじま・あきこ)さん、小暮紀一さんと林裕子さんが共同で主宰する「コグレ・ガラス・ワークス(KOGURE Glass Works)」に所属する作家も出品する。

富山ガラス作家協会によると、富山市でガラス造形文化が誕生したのは1985年で、新しい文化の創出と地場産業育成の観点から、富山市がガラス芸術の振興に力を入れようと「富山市民大学ガラス工芸コース」を開講したのが始まりとしている。

富山市によると、300年以上の伝統を受け継ぐ富山の売薬に由来しており、明治、大正期にはガラスの薬瓶の製造が盛んで、富山駅を中心に溶解炉をもつガラス工場が10社以上あったといわれている。こうした多くのガラス職人が存在したことに着目して1985年に「市民大学ガラス工芸コース」を開講したのを皮切りに、「ガラスの街とやま」への取り組みがスタートした。

1989年3月に社会福祉法人富山市社会福祉協議会の「ガラス工芸共同作業所」が開設され、1991年に将来のガラス文化を担う人材育成のための学びの場として「富山ガラス造形研究所」を開校し、1994年4月に地場産業としての定着をめざして制作の場「富山ガラス工房」を開設した。

1997年4月にはガラス作家の独立を支援するための「個人工房」を開設し、富山市は「ガラスの街とやま」の実現に努め、2002年に「第1回現代ガラス大賞展・富山2002」を開き(3年ごとに開催)、2012年9月に「富山ガラス作家協会」を設立、2015年8月に鑑賞の場として「富山市ガラス美術館」を開設している。

富山ガラス作家協会は、作家がガラスアートを通じて富山の文化・産業の発展に寄与すると共に、作家同士の交流を図りながら創作環境の向上をめざしており、富山ガラス造形研究所」や「富山ガラス工房」と連携しながら、「富山のガラス文化」を日本全国及び世界へ発信している。

小暮紀一さんは1966年千葉県生まれ、1990年に武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン科を卒業、1994年に富山ガラス造形研究所造形科を卒業、トンボ玉の制作をはじめ、1995年に富山市内に工房「蜻蛉玉 丙午」を設立、2002年に林祐子さんと結婚し、2002年から2010年まで武蔵野美術大学工芸工業デザイン科の特別講師を務め、2013年にアートフェア富山2013・アートアワードで準グランプリを受賞している。

小幡祐嗣さんは1971年愛知県豊田市生まれ、1999年に東京ガラス工芸研究所研究科を卒業、2000年にアメリカのピルチャックグラススクールに留学、2001年に富山ガラス造形研究所研究科を卒業、2002年から「金津創作の森ガラス工房」(福井県)に勤務、2003年にピルチャックグラススクールに留学、2007年に富山市でフリーで制作し、2009年に立山山麓(富山市本宮)にて築炉し「オバタ硝子工房」を設立している。

吉田薫さんは1993年に富山ガラス造形研究所造形科を卒業、1994年に富山ガラス造形研究所研究科を修了、同造形研究所助手(1996年まで)、1996年に(Penland School of Craft)」(アメリカにて) ガラス作家 キャピィ・トンプソン(Capy Thoposon)さんのアシスタント、1997年に「GLASS FACTORY K’s studio」 開設(現在に至る)

輪島明子さんは1978年愛知県額田郡幸田町生まれ、2000年に静岡大学農学部森林資源科学科を卒業、2003年にデンマークのボンホルムガラス陶芸学校ガラス科に留学、2007年に帰国、2008年に(財)富山ガラス工芸センターのスタッフを務め(2011年まで)、12年に富山市にアトリエ「アキコス・ガラス(Aki-Kos Glass)」を構える。

林裕子さんは1963年生まれ、1995年に独学でランプワーク(とんぼ玉)をはじめ、1999年にグループ展などの作家活動をはじめ、2002年からコアガラスの制作をはじめ、2010年9月から「林裕子とんぼ玉教室」を開いている。また、小暮紀一さんと夫婦で「コグレ・ガラス・ワークス」を主宰している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時)。ただし、土・日曜日、祝日は11時から18時。