インドで感染者300万目前も首都封じ込めで、日本人が帰印検討中(35)

【モハンティ三智江のインド発コロナ観戦記=2020年9月2日】本日8月22日、インド全土の感染者数は298万人と、早々と300万人台に迫った。1日の感染者数は、6万8000人超と世界最悪である(総感染者数は世界3位)。しかし、実質陽性者数は76万人と、ワースト1位、2位のアメリカ、ブラジルよりずっと少ない。つまり、回復率が高く(222万人)、致死率が低い(5万5794人)ということだが、この調子で増え続ければ、まず死者も10万人突破は間違いない。

2013年9月、白い御神体のガネーシャ神がほら貝の中に祀られ、高貴に輝く様には、思わず足を止め、商売繁盛を祈願せずにはおられなかった。障害を取り除く神様でもあるので、コロナ禍に打ち克つご利益もありそうだ。

ひとつには、検査数が70万回に増えたこたともあげられ、これは、人口比率を換算しても、日本の10倍で、モディ(Narendra Damodardas Modi)首相は、さらに100万回に増やす予定でいる。

東部の地方州に、感染拡大していることは何度もお伝えした通りだが、当オディシャ州(Odisha)の南隣のアンドラプラデシュ州(Andhra Pradesh)が33万5000人と、2位のタミルナドゥ州(Tamil Nadu、36万7000人)を追い抜いてしまいそうな勢いである。

当州も、実質陽性者数は2万5000人超だが(死者399人)、総感染者数は7万5000人を超え(7万5537人)、末には、10万人の大台に乗ってしまいそうだ。

そんな中、首都デリー(Delhy)が封じ込めに成功したのは(15万9000人中、回復者数14万3000人)、暗い話題が席巻する中、唯一の朗報だ。デリー準州のケジリワル(Arvind Kejriwal)州首相によると、無症状感染者の自宅療養推進、検査数を2万回に増やしたこと、空き施設に病床を設置しての対応、プラズマ療法が、功を奏した4大要因とか。

デリーから30キロ離れたビジネス都市グルガオン(Gurgaon、ハリヤーナ州=Haryana)は、日系企業の集積地だが、ここを起点にした若い日本女性起業家が何人か、ユーチューバー(YouTuber)として、定期的に動画配信している。

ココ(CoCo)壱番屋1号店オープンのニュースや、巨大モールでのショッピングシーンなど、マスク着用で活発に行動、コロナと共存した経済再開には、鼓舞される。

ピークにいつ歯止めがかかるのか見えてこない中、明るいニュースで、モディ首相も、デリーを見習えと、他州に発破をかけている。1度は感染爆発を懸念されながら、中央政府との連携で間一髪危機を乗り切ったケジリワル州首相の手腕は評価されていい。

彼の所属は、与党インド人民党に対する野党、アーム・アドミ(庶民)党という比較的成立が近年の新党なのだが、首都という中枢地の性質上、中央政府との共同統治なのである。政治理念の違いを乗り越えて、コロナ対策に如実な効果を発揮したことは、褒められていい。

デリーが落ち着いたことを受けて、日本人ビジネスマンたちもそろそろ、帰印を模索中とも聞く。

かつて模範州と褒めそやされた当州は、感染悪州のひとつとなり、再ロックダウン(都市封鎖)中のビハール州(Bihar、感染者数11万7000人)と並んで、今後の成り行きが懸念されている。

貧困州ゆえ、移民労働者が膨大で、救済措置で引き上げたのが裏目に出たこと、その後、州間移動が許可されたことで、10万人単位の労働者が戻ったことが、拡大に拍車をかけたことは間違いない。

ますます出国しにくくなってしまった当方、来月末には500万人に達しそうだし、世界ワーストになったら、仮に臨時便で帰国できたとしても、親族・友人からは、もろ敬遠されそうだ。

●コロナ余話/インド国民の4人に1人が抗体、私や息子も?

インドの主要民間研究所が全土600都市27万件の抗体検査を分析した結果、抗体保有率が26%にも達していることがわかった。これは、インド国民の4人に1人に新型コロナの抗体ができている可能性を示唆するものであり、興味深い。

既に政府の調査で、西インドの巨大港湾都市ムンバイ(Mumbai)にある人口密度の高いスラム街では、57%もの抗体保有率の結果が出ており、この分だと、12月末には、全国民の40%(5億人以上)が感染体験者となる可能性も出てきた。

ということは、私にも抗体ができている可能性があるわけだが、それ以前に、3年前ウイルス性肺炎に罹患して、自然治癒していただけに、どうも免疫があるような気はしていたのだ。新型コロナではなかったと思うが、肺炎にかかって自力で治した体験が、根拠はないのだが、妙な自信のようなものに繋がっている。

一説には、日本人が他国に比べ、感染に強いのは、過去に免疫があるからとも言われている。BCG接種していることも役立っているとか。

つまり、私は日本人というだけで、めっけものか。息子にも、半分日本の血が流れているから強いかも。感染爆発都市ムンバイに3カ月いただけに、彼はそこで抗体をゲットした可能性もあると言えるのだが。

●コロナ余話2/ガネーシャ祭のパンダル(仮設寺院)禁止

本日8月22日は、象の頭を持つヒンドゥ教の神様、教育と商売にご利益のあるガネーシャ神(Ganesa)のお祭り。しかし、コロナ禍で、張子の偶像を仮天幕(パンダル)の下に祀ることは、禁止。

例年なら、地区ごとのコミュニティが地元民から寄付を募り、偶像をアーティストに依頼、華やかな盛装を施したパンダル巡りを楽しむところなのだが。その年に起きた社会事象をテーマにしたユニークな作品もあり、参拝者の目を楽しませてくれたものだ。

商売上がったりのアーティストの中には、コロナ悪に打ち克つガネーシャ神の偶像をこしらえて、個人に高値で売ることができ、窮地をしのげた人もいたとか。

(「インド発コロナ観戦記」は「観戦(感染)記」という意味で、インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いており、随時、掲載します。モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、感染していません。

また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。13億人超と中国に次ぐ世界第2位の人口大国、インド政府は3月24日に全28州と直轄領などを対象に、完全封鎖命令を発令し、25日0時から21日間、完全封鎖し、4月14日に5月3日まで延長し、5月1日に17日まで再延長、17日に5月31日まで延長し、31日をもって解除しました。これにより延べ67日間となりました。ただし、5月4日から段階的に制限を緩和しています。

8月31日現在、インドの感染者数は362万1245人、死亡者数が6万44569人、回復者が277万4801人、アメリカ、ブラジルに次いで3位になっています。州別の最新の数字の把握が難しく、著者の原稿のままを載せています。また、インドでは3月25日から4月14日までを「ロックダウン1.0」とし、4月14日から5月3日までを「ロックダウン2.0」、5月1日から17日までを「ロックダウン3.0」、18日から31日を「ロックダウン4.0」、6月1日から6月末まで「アンロックダウン(Unlockdown)1.0」、7月1日から「アンロックダウン2.0」と分類していますが、原稿では日本向けなので、すべてを「ロックダウン/アンロックダウン」と総称しています。

ただし、インド政府は5月30日に感染状況が深刻な封じ込めゾーンについては、6月30日までのロックダウンの延長を決め、著者が住むオディシャ州は独自に6月末までの延長を決め、その後も期限を決めずに延長しています。この政府の延長を「ロックダウン5.0」と分類しています)

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