日経調査、山手線目的別駅1位は買い物なら有楽町、通勤・通学は田町

【銀座新聞ニュース=2022年11月25日】日本経済新聞社グループの市場調査会社、日経リサーチ(千代田区内神田2-2-1、鎌倉河岸ビル、03-5296-5111)は11月24日にJR山手線の利用目的に特徴のある駅ランキングを発表した。

日経リサーチが発表したJR山手線の利用目的に特徴のある駅ランキングで、「レジャーやショッピング目的」で1位にランクされた有楽町駅(画像はウイキペディアより)。

約5万人の生活者を対象に、首都圏の鉄道駅の利用実態を調査した「施設と駅のセンサス」駅編のデータの一環で、従来の「駅センサス」を改訂し、2022年6月と10月に1都3県の300駅を対象に実施している。

今回は6月と10月の調査結果を基に、JR山手線全29駅のうち、利用者の少ない鶯谷駅、高輪ゲートウェイ駅を除いた27駅を対象として、調査の直前1週間にJR山手線の駅を利用した人に利用目的を聞き(複数回答)、それぞれの目的での利用率が高い駅を順に並べた(利用者数の多い駅ランキングではない)。

「レジャーやショッピング目的」での利用が多い駅の1位は「有楽町駅」で、2022年9月に実施した「施設と駅のセンサス」施設編の調査で1都3県の集客力の高い商業エリアの中で「銀座・有楽町・日比谷」エリアが「新宿」に次ぐ2位となり、駅利用者の約半数がレジャー・ショッピング目的で利用していた。

2位には20代以下の利用が多い「原宿駅」、3位と4位にはアメ横の最寄り駅である「御徒町駅」と「上野駅」、5位には「渋谷駅」、6位には「新宿駅」、7位に「池袋駅」というターミナル駅が並んだ。8位が「恵比寿駅」が入った。

9位にはビジネスのイメージが強い「東京駅」が入り、駅構内にはグランスタやエキュートなど幅広い利用者層が楽しめる施設が充実し、改札外では丸の内側に丸ビル、新丸ビル、KITTE(キッテ)、八重洲側には大丸東京店、東京駅一番街と商業施設が揃い、特に八重洲側は2022年に「グランスタ八重北」が開業し、2023年3月には「東京ミッドタウン八重洲」が全館開業を予定している。10位には「秋葉原駅」が入った。

同じく「通勤・通学目的」で1位にランクされた「田町駅」(同)

一方、「通勤・通学目的」が多い駅の1位は「田町駅」で、通勤・通学での利用は駅利用者の半数を占めている。駅周辺には日本電気や森永製菓、森永乳業といった大企業の本社や慶應義塾大学などがあり、駅利用者の約7割は会社員なので、実際は“ビジネスパーソンの駅”となっている。

2位は「大崎駅」、3位が「浜松町駅」など山手線の南側の駅が上位を占めた。大学や専門学校がある「目白駅」が4位、5位が「新橋駅」、6位が「神田駅」、7位が高校が多い「大塚駅」、8位が「五反田駅」、9位が「駒込駅」、10位が「代々木駅」となっている。目白駅、代々木駅、大塚駅、駒込駅は山手線の中でも比較的学生の割合が多い駅という。

利用目的は複数回答だったが、2つのTOP10の両方にランクインした駅はなかった。

ウイキペディアによると、有楽町駅は1910(明治43)年6月25日に鉄道院(1949年6月1日に日本国有鉄道が発足)東海道本線の駅として開業し、当時から京浜電車(後の京浜東北線)のみ停車した。1987年4月1日の国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となった。

2021年3月1日に業務がJR東日本ステーションサービスに委託化され、2022年10月31日をもってみどりの窓口が営業を終了している。1日の平均乗車人員は2019年が17万6997人、2020年が10万6508人、2021年が10万3877人。

田町駅は1909(明治42)年12月16日に鉄道院東海道本線の品川駅と烏森駅間の開通と同時に開業し、1926(大正15)年4月1日に芝浦口が開設された。1971年2月6日に東西自由通路が開通し、1987年4月1日に国鉄分割民営化に伴い、JR東日本の駅となった。2003年2月8日に拡幅された東西自由通路が開通された。

田町という駅名は、三田口(西口)周辺一帯に広がっていたかつての町名からとられたもので、「文政町方書上(ぶんせいまちかたかきあげ)」によると、江戸時代に田畑が町屋へと移り変わったため、田町と呼ばれるようになったという。明治初期は頭に芝を付けて「芝田町」と呼ばれ(1911(明治44)年5月に「芝」が省かれる)、海岸に面した細長い範囲の町で、この海岸線に沿った海上防波堤の上に鉄道が敷設された。

1909年、この鉄道の新駅として、田町駅が芝田町一丁目に設置された。現在の芝浦口(東口)周辺一帯は当時まだ陸地ではなく、1913(大正2)年に埋め立てられてから工業地帯へと変貌し、この芝浦口周辺は新芝町(後の西芝浦1丁目)と名付けられた。

駅名に採用された田町は、港区の発足した1947年に再び芝田町に町名変更され、その後、住居表示実施に伴う町名・町域の変更により、1964年7月に一部が芝5丁目に、1967年4月に残りの全域が三田3丁目になり、地名としての田町は消滅した。1日の平均乗車人員は2019年が15万8839人、2020年が10万2704人、2021年が9万8213人。