資生堂ギャラリーで「クリエイティブワーク」展、商品、広告300点

【銀座新聞ニュース=2024年6月14日】国内化粧品業界首位の資生堂(中央区銀座7-5-5、03-3572-5111)は8月4日まで資生堂ギャラリー(中央区銀座8-8-3、東京銀座資生堂ビル、03-3572-3901)で資生堂のクリエイティブワークを紹介する展示会「オドル ココロ」を開いている。

資生堂ギャラリーで8月4日まで開かれている「オドル ココロ」に出品されている商品の広告の数々。

明治初期から2010年代までに資生堂が世に送り出してきた資生堂のクリエイティブワークの中から、「心躍らせるパッケージデザインと広告デザイン」に注目し、商品の展示や映像、音を通して「オドル ココロ」を複層的に表現している。今回は開発担当者やデザイナーの遊び心やチャレンジ精神が発揮された200点以上に及ぶ商品、広告約70点を集め、資生堂ギャラリーの空間で紹介している。

明るさ、軽やかさ、ビビッドさ、ユーモア、遊び心、親しみやすさに加えて、未来的なイメージの商品や広告300点近くを一堂に集め、当時のパッケージとは一線を画すようなデザインから、自由で挑戦的な広告表現に至るまで、「心が弾む多彩なバリエーション」を披露している。今回の商品、広告は、現在、資生堂企業資料館(静岡県掛川市下俣751-1、0537-23-6122)で一般には非公開のものも数多くあるとしている。

資生堂の化粧品は「手にとる人の心をときめかせ、時にその時代のライフスタイルや美容習慣に変化をもたらし」ており、こうした資生堂のクリエイティブの歩みの一端を企画展として紹介することで、「ものづくりや価値づくりに携わる人たちへの未来へ向けたさまざまな可能性やヒントとなれば幸い」としている。

大展示室は明治初期から2010年代まで約140年間の時代を8つに区切り、その時代に生まれた商品200点以上を年代的に展示している。展示台の造形は、井上岳さん、齋藤直紀さん、棗田(なつめだ)久美子さん、赤塚健さんの4人の「建築コレクティブGROUP」がデザインしている。

各時代において特に革新的だったといえる商品については概要や特長、デザインのコンセプトを現物と併せて紹介し、壁面には商品が生まれた背景が参照できるよう、時代の風俗を中心にまとめた年表を掲出している。

小展示室では、ポスターを中心とした広告約70点を取り上げ、映像インスタレーションとして展示している。クリエイターの長谷川大祐さんが本展のため新たに制作している。

また、商品の開発に携わったクリエイターへのインタビューを音声ガイドとして用意している。

今回、展示しているのは、1872(明治5)年9月17日の創業まもなく資生堂がいち早くヨーロッパから取り入れた「アール・ヌーボー」や「アール・デコ」のスタイルでデザインされた「香油 花椿」、1950年代からは当時珍しかった女性のイラストが描かれた「粉白粉」、1960年代からはベビーブームに合わせた甘く可愛らしい色合いのベビー用品。

レジャーブームに乗って生まれ太陽をシンボライズした黄色いパッケージの「サンオイル」や「ビューティーケイク」、1970年代からは、当時流行した宇宙服的ファッションに通ずる感覚が見て取れる「シュラルー」、女子大生ブームやDCブランドが流行した1980年からは若年層に向けたきのこやインク瓶などをかたどった容器に入ったミニサイズの「シャワーコロン」など。

開場時間は11時から19時(日曜日、祝日は18時)。月曜日は休み。入場は無料。