【銀座新聞ニュース=2024年7月5日】ギャルリーためなが(中央区銀座7-5-4、03-3573-5368)は7月6日から8月18日まで「Emerging Visions:The New Generation of Japanese Artists」を開く。
2020年よりコロナ禍に若い作家を支える意図で始めた展示会が「巴里を魅了する和の九人展」で、2024年に5回目となる今回からタイトルを「Emerging Visions(エマージング・ヴィジョンズ)」展と名称を変え、油彩画、日本画に加え、立体も含めて作品約40点を展示する。
「The New Generation of Japanese Artists(ニュージェネレーション・オブ・ジャパニーズ・アーティスト)」は7人の作家で構成され、ギャルリーためながでは「油彩画と日本画が並んでの展示自体が珍しいとされる中でも、5回目を迎えると何の違和感もなく作品達が同じ空間の中に収まっていることに心地良さを覚える」としている。
今回、出品する画家は小津航(わたる)さん、木下友梨香さん、竹内昌二さん、中比良真子(なかひら・まさこ)さん、水野悠衣(ゆい)さん、村田奈生子さん、村本真吾さん。
小津航さんは1991年東京都生まれ、2014年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業、2015年に独立行政法人日本学生支援機構海外留学支援制度によりニューヨークに滞在、同年にLondon/Tokyo Exchange program 2015でロンドンに滞在して制作、2017年に同大学大学院美術研究科絵画専攻を修了、東洋美術の山水画、浮世絵、洋風画や西洋美術の空間やモチーフなど過去の美術作品を参照しながら油彩画を制作している。
木下友梨香さんは1988年佐賀県生まれ、2006年に京都造形芸術大学空間演出デザインに入学、2010年に武蔵野美術大学空間演出デザインを卒業、花農家という環境で育ち、幼少期に見た記憶の中の花や植物を抽象表現した作品を制作している。ペンキを使い、手で描くスタイルによって植物の動きを表現すると共に、自身の身体を拡張し記憶を再現している。
竹内昌二さんは1989年京都府生まれ、2012年にに金沢美術工芸大学美術工芸科日本画専攻を卒業、2014年に同大学大学院修士課程絵画専攻日本画コースを修了、2018年に松伯日本画展で入賞(2020年も入賞)、2021年に京都花鳥館賞奨学金で優秀賞 (2022年に最優秀賞)を受賞、2023年に第10回日展で特選を受賞している。現在、日展会友、新日春展准会員、京都日本画家協会会員、東丘社に所属している。
中比良真子さんは1979年滋賀県生まれ、2002年に京都精華大学芸術学部洋画専門分野を卒業、2004年に同大学大学院芸術研究科造形専攻洋画分野を修了、主に油絵で、水面に映し出された世界や身近にある風景、これまでにどこかで目にしてきたであろう風景をモチーフに、移ろいやすい一瞬の情景を油彩で描いている。
水野悠衣さんは1982年大阪府生まれ、2008年に京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コースを卒業、同年の京都造形芸術大学卒業制作展で混沌賞と学科賞を受賞、自分自身が惹かれるものや興味をもったものをテーマやモチーフとし、そこから色を抽出し、組み合わせを再構築しながら元となるものに近づけつつ、新たな世界観を作り出そうとしている。一見、モザイクのかかったデジタル画面のような抽象ミニマル絵画を制作している。
村田奈生子さん1984年大阪府生まれ、2006年に京都精華大学芸術学部日本画専攻を卒業、2012年にART STREAM ターレンスジャパン賞を受賞、2015年にTAGBOAT AWARDで入選、同年にART STREAM KAWACHI賞を受賞している。写真などを用いたコラージュ作品、また、それらをもとにして描いた抽象絵画を制作している。
村本真吾さんは1970年石川県生まれ、1995年に東京藝術大学美術学部工芸科漆芸専攻を卒業、1997年に同大学大学院美術研究科修士課程漆芸専攻を修了、1999年に国際漆デザイン展’99石川で特別賞、1999年から2002年まで金沢卯辰山工芸工房で研修、2000年にアート&クラフトin(イン)御仏供杉で優秀賞(2001年に奨励賞)を受賞した。
2000年にクラフトコンペ高岡2000で審査員賞、2002年に国際漆展・石川2002で審査委員奨励賞、2010年から2015年4月まで金沢卯辰山工芸工房漆芸工房専門員を務め、2016年に第72回金沢市工芸展で金沢市長最優秀賞を受賞している。
奈良時代より伝えられる「脱活乾漆技法」という仏像制作の技法に精通し、その技法と竹・漆の素材が相まって、艶やかな表面、美しい形状、宙を浮遊するかのような軽やかさを作品に融合して製作している。
6日は7人の作家が来場する。
開場時間は11時から19時(日曜日、祝日17時)。入場は無料。