インドでホッケーW杯開会式に息子が出演、日本でスマホ購入(118)

(著者がインドから帰国したので、タイトルを「インドからの帰国記」としています。連載の回数はそのまま継続しています)
【モハンティ三智江のインドからの帰国記=2023年1月20日】1月13日、東インド・オディシャ(Odisha)州都ブバネシュワール(Bhubaneswar)でホッケーワールドカップ2023が開幕、開会式で我が息子、Rapper Big Deal(ラッパー・ビッグ・ディール)が州政府公認のアンバサダーとして自作自演のラップパフォーマンスを繰り広げた。

インドで1月13日に開かれたホッケーワールドカップ2023の開会式で、スタジアムに詰めかけた5万人の大観衆の拍手大喝采に応えるRapper Big Deal。

5万人の大観衆を前に、巨大スタジアムで真紅のジャケットで着飾ったインド屈指のラッパーは、堂々たる晴れ舞台をこなし、大喝采を浴びた(https://youtu.be/OvG4NTCxGHY)。

このたびのホッケーワールドカップには、日本チームも16年ぶりに出場(16カ国参加、1971年開始以来4年に1度、今年で15回目)、法的には日本国籍のインドで生まれ育った日本人ラッパーが開会式のパフォーマンスを繰り広げたのは、インドのみならず日本チームにとっても、誇れる出来事だったと思っている。

コロナ禍で2年間の音楽活動停止を乗り越えた先に、一気に花開いたという感じで、母親としては感無量、グローバルなステージで堂々たる大役を果たす我が子に感激した。

インドは1928年から1980年にかけてオリンピックのホッケー試合で8個の金メダルに輝いた実績を持つ強豪で、今回は過去の栄光を取り戻せるか、地元での試合の行方が注目されている。

ちなみに、オディシャ州首相、ナビーン・パトナイク(Naveen Patnaik)は自身も寄宿舎時代ホッケー選手だった過去を持つ大のホッケー愛好家で、ワールドカップ開催地としての誘致を熱心に進めていた。2018年(11月28日から12月16日まで開かれ、ベルギーが優勝)に夢が実り、今回は2回目、いまだ未開発とのイメージが強いオディシャ州にとっては、グローバルなスポーツ戦開幕は今後の州の発展繁栄にも繋がる快挙といえよう。

(今年は何とか、Rapper Big Dealの日本ライブも実現させたいもので、日本の皆さまのご支援、くれぐれもよろしくお願い致します)

ホッケーワールドカップの開会式で華麗なパフォーマンスを披露したRapper Big Deal。

☆身辺こぼれ話/日本で初の電話所有、帰印を見越して格安キャリアを選ぶ

昨年中、長いこと弟から借りていた衛星電話を返して、遅ればせながら、日本で自分の携帯電話を持つことにした。

原稿などはもっぱらスマホ打ちで、街中のフリーWiFiを利用して送信、インド製のスマホは2台あるので、不便というわけではなかったが、自分の電話番号を持ってないと、書類などの記入上、いろいろ便宜か悪いので、そろそろ所有どきかと腰を上げたのだ。

どのキャリアを選ぶかは、友人連中に相談し、弟が差し向けてくれたお抱えの運転手付の車で、3店舗回った。ドコモのサブブランドのOCNがネット越しではよさそうに思えたが(6GB1320円+電話とsms)、ショップに行ってみると、店員の対応が不親切極まりなかった。

付き添ってくれた弟のお抱えの運転手によると、ドコモは不親切、対応が悪い、金沢ではauがベストで、自身もauのサブブランドのUQを利用しているという。データは5GBで1680円、電話は30秒22円、SMSは1通3円、初期契約料3300円、端末は、弟の古いiPhone8を持参したが、SIMロック解除ができておらず(弟は解除に必要なパスワードも失念)、バージョンアップのことも考えると、使用は難しそうとのことだった。

AndroidからiPhoneに変えた人が使いこなせず、またAndroidに戻すケースも多いという店員の話を聞いて、メカ音痴の私には慣れたAndroidが1番だと思った。幸いにも端末0円コースがあるとのこと、応対してくれた女性店員があまりにも親切なので、ほとんど契約しかけたほどだった。が、2日ほど前に自ら徒歩で出向いた楽天モバイルのことが気になり、この際だからと、再訪することにした。

楽天モバイルのショップ、郵便局の後廊に簡易テーブルと椅子を置いて店のカウンター代わりにした場所には、先日と同じ若い男性店員が座っていた。「楽天ハンド」という、通常の端末より一回り小型の軽量機種を使えば(3000円)、後日4000ポイントが返ってきて実質0円、契約料は無料、楽天LINEというアプリを使えば、電話もSMSも無料、3GBで980円(税込1078円)という安さは魅力、ネットには繋がりにくいという悪評もあったが、電話は問い合わせくらいで滅多にしないし、インドに戻って不在にする期間を考えるど、月1000円ちょっとで済むのだから、願ってもない。

契約しかけたが、既に時間も遅かったので、中断、UQにも少し未練があったので、どちらにするか、よく考えてから、日を改めて出直すことにした。

左がサムスン製のGALAXY(インド製)で、右が楽天ハンド。並べてみると、楽天製が一回り小さいことがわかる。色は赤を選んだが、可愛らしくて気に入っている。

結局、楽天に決めて、後日契約に出向いたが、たっぷり4時間かかっても、完了しなかった。クレジットカード決済に、春にお買い物ポイント用に作ったセゾンカードを使うことにしたのだが(まさか決済に使うことになろうとは。日本でカードを持たない身上、作っておいてラッキーだった)、認証番号が、拝借した弟の携帯番号に行ってしまい、多忙の本人と連絡が取れなかったせいだ。

中断せざるを得ず、明日出直すことになった。その日のうちに弟に連絡を取っておき、明日の14時から14時30分の間にSMSに認証番号が届いたら、すぐに送り返してくれるよう頼んでおいた。当日、番号が返送されてきて入力、エラーが出てどうなることかと思ったが、再入力でスルーし、ほっとした。

以後は、店員を変えて、楽天ハンドの初期化、案の定Gmailがセキュリティの問題で開かない。もう1人の若い男性に、インドのスマホをWiFiに繋いで貰って、日本製と感応し合い、画面に認証番号が出て、どうにか開いたときはほっとした。

日本の図書館や観光案内所の公共パソコンを使うと、Gmailはきまってセキュリティの問題で開かないので、1番心配していたことだが、無事開いてよかったと胸を撫で下ろした。もうひとつ問題が残されていたが、4時間以上経って外は暗くなってきたので、後日出直すことにして新しいスマホを箱入れしてもらって、やっと日本の自分用携帯電話をゲットしたと肩の荷を下ろし、意気揚々と帰路に着いた。

1週間後、寒波の合間を縫って再訪。もうひとつのメールアドレスの問題だ。ずっと使ってなかったのだが、楽天と契約するにあたってこちらのメルアドを使わなくてはならなくなったのだ。というのも、過去に楽天IDを作った形跡があり、そちらのメルアドが長年使わずほとんど死んでいるHotmailで、今使っているGmailに変えたところ、既に使われていると出たので、もうひとつのGmailにして、どうにか契約スルーしたのだ。

さて、これから楽天のお知らせが届くことになるこのGメルアドを、何とかスマホで開けられないかと、古い方のインド製スマホ(サムスンのGALAXY)でトライしてみたところ、何とかアカウントは残されていたが、受信トレイが出てこない。で、楽天マンの助力を仰ぐついでに、キーボードがパソコン用のグローバルで打ちにくいので、テンキーに変えてもらうことにした。サポート代550円が別途必要だと言われたが、致し方ない。

結果的に、インドの古いスマホをWiFiに繋いでもらったら、感応し合って日本製に認証番号が出て、インド製でその番号を選ぶと、受信トレイが開き、日本製でも2つのGmailアドレスが開き、チェックできるようになった。めでたし、めでたし。

12月30日で休業というので、当日出向いて保証(月715円の日割り、オーダーすれば1400ポイントもらえた)と、サポート(月550円)を解除してもらった。かけ放題3カ月無料のプランは3月末解除予定で、やり方を教わった。アプリを使えば、電話もSMSも無料だが、繋がりにくいとのネット評を懸念して、3カ月無料になるかけ放題プランにも一応入ったのだ。有料になる前に解除すれば済むことだが、今のところ1回しか使ってない。アプリ越しの電話で問題ないようである。

楽天ハンドの使い勝手だが、軽くてコンパクト、色も赤と可愛くて気に入っているものの、乗り換えるときは、eSIMなので、不利になる。後、軽すぎて滑り、誤操作しやすい。タイプ打ちには、今使っているインド製Xaiomi(シャオミ)のRedmi(レッドミー)がステイブル、もう1台のインド製GALAXYに比べると、画面のクリア度がいまいちだが、容量がたくさんある。

というわけで、電話は日本製、原稿打ち(オフラインでも下書きは打てるし、保存可)や、広範囲なネットチェックには、インド製による公共WiFiでと、使い分けることになる。データ3GBは、WiFi装備のない私には、あまりに少なく、メールチェックと限られた検索しか出来ないが、街中のフリーWiFiでこれまで通り補うしかない。

インドで使い放題で、日本のドラマに耽溺して午前様なんて、夢のような話である。が、よく出かけるので、当面はこの体制、充全とは言い難いネット環境でやりくりするしかない。WiFi装備の予定は今のところないが、後年はわからない。

ちなみに、インド本宅にパソコンはあるが、スマホ打ちになってから、触るのが10日に1度になってしまった。そもそもは、パンデミック(世界的大流行) 下のロックダウンでWiFi不通となり、原稿送信にスマホを使うしかなくなり、3カ月ほどそうしてたら、慣れてしまって、以降ずっとスマホ打ち、インド発コロナ観戦記全編もスマホからで、帰国し現時点に至るまで、これからもスマホ送信になりそうである。

視力が悪い私には、手元に引き寄せられ、タイプもタッチ操作で打ちやすく、なんと言っても、背中にクッションあてがい、リラックスして打てるのがいい。小説も無論スマホ打ち、若い作家もメモ打ちして、ワードでファイル化と聞いたし、最近ミステリーの賞をとった若い女性作家も、スマホで打ったと言っていた。スマホは今や、若者たち、我が息子にとっても、片時も手離せぬ、電話付きパソコンなのである。

(「インド発コロナ観戦記」は、92回から「インドからの帰国記」にしています。インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いてきましたが、92回からインドからの「脱出記」と日本での「生活記」で随時、掲載します。

モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、コロナウイルスには感染していません。また、息子はインドを代表するラッパーです。

2023年1月17日現在、世界の感染者数は6億6719万4330人、死亡者数が672万4694人、回復者は未公表。インドは感染者数が4468万2467人、死亡者数が53万0726人、回復者が未公表で、アメリカに次いで2位になっています。

ちなみにアメリカの感染者数は1億0165万4571人、死亡者数が109万9885人(回復者は未公表)、日本は感染者数が3159万7810人、死亡者数が6万3320人、回復者が2138万3923人(ダイヤモンド・プリンセス号を含む)。インドの州別の最新の数字の把握が難しく、著者の原稿のままを載せています。編集注は筆者と関係ありません)