【銀座新聞ニュース=2023年1月24日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ（渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー）グループの銀座 蔦屋書店（中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755）は1月24日から2月16日までアートエディションコーナーショーケース・写真集コーナーで「The Beginning of Art Photography 写真をアートにした男ｰ石原悦郎コレクション Vol.2」を開いている。
銀座蔦屋書店で2月16日まで開かれている「The Beginning of Art Photography（ビギニング・オブ・アート・フォトグラフィ、芸術写真のはじまり）写真をアートにした男ｰ石原悦郎コレクション Vol.2」に出品されている桑原甲子雄「TOKYO 1936」展が開かれた1980年の「ZEIT-FOTO SALON」((C) Estate of Shigeo Anzai）。
「ツァイト・フォト・サロン (Zeit-Foto Salon) 」（1978年から2016年）を経営し、フランス人の写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン（Henri Cartier-Bresson、1908-2004）ら世界的巨匠らとパリで交流し、直接プリントを買い付けてきては日本で個展を開いて、オリジナル・プリントの価値を根付かせ、日本人作家の発掘にも尽力した石原悦郎（1941-2016）の活動の軌跡とそのコレクションにフォーカスする企画展を開いている。
今回は日本の写真家に着目し、木村伊兵衛（1901-1974）、植田正治（1913-2000）、須田一政（1940-2019）、桑原甲子雄（1913-2007）、安齊重男（1939-2020）、荒木経惟さん（1940年生まれ）、森山大道さん（1938年生まれ）、石内都さん（1947年生まれ）、北井一夫さん（1944年生まれ）、橋本照嵩さん（1939年生まれ）、杉浦邦恵さん（1942年生まれ）ら、石原悦郎との交友の中でキャリアを発展させたり、国際的に高い評価を得ることになった日本人作家たちのオリジナルプリント作品を展示・販売している。
石原悦郎は1941年東京都北区（当時は東京市王子区）生まれ、立教大学法学部を卒業、1970年ころにギャルリー・ムカイ、自由が丘画廊に勤務し、1971年に語学習得を目的にフランス・パリに留学、以後、渡欧を重ね、画商としての経験を積み、ドイツ・ミュンヘンにも語学留学し、1978年に「ツァイト・フォト・サロン (Zeit-Foto Salon) 」を設立、海外作品の紹介、国内の写真家の展示に取り組んだ。
同じく出品されている木村伊兵衛の「秋田市追分、板塀」（1953年）。
1990年に夫人の石原和子さんをオーナーとするギャラリー「イル・テンポ」を開設、ツァイト・フォトと役割を分担しつつより幅広い写真家の紹介を展開した(イル・テンポは2004年閉廊)。その後、東京国立近代美術館評議員、三重県立美術館写真評議員、水戸芸術館評議員、フランス文化庁の作品購入キュレーターを歴任し、2000年に中国・上海で初の写真画廊「上海三亜撮影画廊」の開設に携わり、以後中国現代美術の収集に取り組んできた。2007年にはツァイト・フォトコレクションによる写真展を、2008年には中国現代絵画展を上海美術館において開き、約400点の写真作品を上海美術館に寄贈した。
また、第2次大戦前のSPレコードのコレクターでもあり、2006年には上海でレコードコンサート「1930 BERLIN（ベルリン）」を開いた。2003年に日本写真協会賞文化振興賞を受賞した。2016年に死去に伴い、「ツァイト・フォト・サロン」を閉廊した。
2月4日13時と15時から「ZEIT- FOTO kunitachi（ツァイト・フォト・クニタチ）」のクリエイティブディレクターの小田川悠さんによる「石原悦郎メモリアルワークショップ」を開く。
「ZEIT-FOTO BOXと語ろう！」と題して、ファシリテーター（会議の進行役）の小田川悠さんが、昨年、石原悦郎7回忌を記念し、過去の展覧会DMとなった写真作品約100点から制作された「ZEIT-FOTO BOX」（非売品）のカードを用いて、ゲームなどを楽しみながら「ZEIT-FOTO SALON」の歴史に触れることができるイベントとしている。定員は各回とも5組（1組5人まで同伴できる）で、各組に「ZEIT FOTO BOX」をプレゼントする。参加費は880円。先着順。
開場時間は10時30分から21時（最終日は17時）まで。入場は無料。また、粟生田（あおた）弓さんの文庫版「写真をアートにした男 石原悦郎とツァイト・フォト・サロン」（小学館文庫、880円）を販売している。