寺島名誉教授ら名古屋で講演、反ワクチン、ウクライナ問題も(121)

【モハンティ三智江のインドからの帰国記=2023年3月10日】当コラムの100号記念号に「コロナ騒ぎ謎解き物語」(寺島隆吉=たかよし=著、あすなろ社)全3巻の書評を掲げたが(https://ginzanews.net/?page_id=59251)、著者の寺島隆吉さん(岐阜大学名誉教授)が愛知県名古屋市で講演されると知って、駆けつけた。

2月23日に寺島隆吉さん始め4人の演者による講演会が催された「ホテルプラザ勝川」。名古屋駅から中央線快速で18分の勝川駅前にある。

総題は「ウクライナ・安倍暗殺・憲法改正・コロナワクチン、4つを繋ぐものとは?」と銘打たれた4人の話者(ほか3人はごぼうの党代表・奥野卓志さん、ジャーナリスト・船瀬俊介さん、クリニック徳院長・高橋徳さん)による同講演会は2月23日の祝日、「ホテルプラザ勝川」(愛知県春日井市松新町1-5、0568-36-2311)で、催された。

ちなみに、主催者は「統合医療クリニック徳」(愛知県名古屋市中区栄2-10-19、名古屋商工会議所内、052-221-8881)の院長、高橋徳さんで、2022年12月23日に上梓した新著「ワクチン後遺症」(ヒカルランド、1760円)の出版記念講演会の名目で、ほかの3演者を招き、催行されたものだ。

絨毯敷きのフロアが高級感溢れる4つ星ホテルの3階のけやきの間には既に、大勢の人が詰めかけていた。予約済だったが、受付には行列ができ、混雑の中、チェックを済ませ(参加費3000円)、各資料やノート、ボールペンを支給され、奥の演壇下の広間に椅子がびっしり並べられた会場に入った。最前列から2番目の中寄りの席に陣取り、お目当てのトップの演者である寺島さんの登場を待つ。400ある席は満席という大盛況で、市民の関心の高さを実感した。続々訪れる参加者の整理に手間取って開演10時のはずか、やや遅れる顛末に。

会場を埋め尽くした聴衆。私の右隣は30代の女性、左隣は60代の男性、年配層中心に老若男女、幅広い層が集まり、大盛況だった。年齢問わず、市民の関心の高さを窺わせた。

待ち焦がれた寺島さんがようやく、檀上に立った。羽織袴姿の顎に白髭を垂らした風格ある姿で、マイクに向かってあいさつ後、すぐ本題に入った。演題は、「コロナ騒動とウクライナ紛争の背景に迫る」である。

そもそもはアメリカ国内で生物兵器として研究されていた「SARS」(重症急性呼吸器症候群、2002年から2003年にかけて流行したコロナウイルス、2003年7月5日にWHO=世界保健機構=が終息宣言)の亜流ウイルスが、アメリカ国内での漏洩を危惧して中国の武漢研究所に移されたことにあった。

今回の新型コロナウイルスはその武漢研究所から漏れた、自然発生でない人工とする説はネットで流布されていることもあり、ご存知の方も多いと思うが、寺島さんはさらに、ロシア人や中国人のDNAを調べて人種に特化した生物兵器も作られていると明かし、震撼させられた。ロシアも指摘していることだが、ウクライナ領土にはなんと46カ所もの生物兵器研究所が点在することを、スライドのマップ越しに説明、場内はしんと静まり返った。

講演会のトップを飾ったのは、目当ての寺島隆吉さん。和服姿で登場し、データは見やすいスライド画面を使い、講演の補足に役立った。

私は既に寺島さんの「ウクライナ問題の正体」を紐解いていたため、そもそもの問題の発端は2014年にアメリカが画策したクーデターに始まること、ロシア侵攻、プーチン(Vladimir Vladimirovich Putin、1952年生まれ)悪魔化の偏向報道が日本ではまかり通っているが、ロシアと国境を接する東南部ドンバス(Donbas)地方(ロシア編入を望むドネツク=Donetsk=、ルガンスク=Luhansuku=2州)はウクライナ軍の攻撃によって8年間で1万3000人から1万4000人もの住民(ロシア語話者)が犠牲になったことなど、次々に暴かれる真実に驚きはなかったが、予備知識なしで臨んだ参加者には、目からウロコの体験だったはずだ。

寺島さんの著書で知ったことだが、このたびの露宇戦争でウクライナ側はネオナチの武装集団、残虐なことで類を見ないアゾフ大隊(当初は私兵、2014年11月11日に正式にウクライナ国家警備隊に編入)を雇用しているのだ(マリウポリ=Mariupol=では、自国民を人間の盾として使った)。

アメリカの傀儡政権、元コメディアン、ゼレンスキー(Volodymyr Oleksandrovych Zelenskyy、19789年生まれ)大統領についても、徹底的に化けの皮を剥がしている。それにしても、ユダヤ系ウクライナ人のゼレンスキーがネオナチ台頭を黙認するどころか、悪利用しているとは嘆かわしく、人間の風上にも置けない。

寺島さんは、コロナ騒ぎとウクライナ問題の根は同じとし、著書6巻で仕組まれた劇、黒幕的存在を暴き、陰謀論で片付けられがちな諸説を科学的検証のもとに裏付けて、徹底究明で真偽を定かにする。

ごぼうの党代表の奥野卓志さんは、弁舌滑らかに話を展開、聴衆を惹き付けた。講演前には歌も披露して、サービス精神たっぷり。

講演では、反ワクチンの立場から、既に打ってしまった接種者の解毒には、断食やイベルメクチン、塩辛い味噌汁(甘いものを避ける)などのアドバイス、インド在住者である私は、現地のメガ第2波(2021年5月)における「イベルメクチン」の卓効について、既に何度も述べてきたが、日本の大村智博士(北里大学特別栄誉教授)がノーべル賞を受賞した同抗寄生虫薬が、コロナ予防・治療だけでなく、ワクチン解毒剤としても、効力を発揮するという新たな事実を知って、驚喜させられた。

ロシアが本気を出せば3日で終わる戦争を、民間人に犠牲を出したくないばかりに長引かせる顛末(てんまつ)になっていることなど、大手メディアが報じない戦況の実態を明かす一方で、世論も少しずつ変わってきており、電気自動車「テスラ」の経営者、イーロン・マスク(Elon R.Musk、1971年生まれ)の内部告発など、希望の灯も兆す昨今、お話通り、「ウクライナ問題の正体」の第1・2巻の戦争犯罪を暴いたヘビーな内容に比べ、締めの第3巻では、著者が未来に楽観的な見解を抱く論調に変わり、読む側としては救われる。

開始が遅れたことで、時間が足りず(12時まで)、駆け足演説にならざるを得なかったのが、少し残念だったが、スライドを折々に挟みながらの熱弁は、観客を惹き付けた。私は著書全6冊を読ませて頂いていたので、短い講演内容でも、充分に説得力があったが、未読の方にはより理解を深めるためにも、補足として読んで頂きたいと思った次第だった。

午後の休憩後、短いジャズ演奏を挟んで、ごぼうの党の代表、奥野卓志さんの演説に入る。演題「憲法改正と近未来の日本」では、日本の歴代首相の何人かがCIAのエージェントだった事実や、欧米で禁止されている発ガン物質「グリホサート(除草剤、Glyphosate、商品名は「ラウンドアップ」)」が基準値400倍含有の日本の小麦粉や、給食のマーガリン(有害なトランス脂肪酸含有)使用問題、温暖化は嘘で2028年から氷河期が訪れる説など、弁舌巧みに展開し、引き込まれる面白さだった。

時間超過の大熱弁のあとは、ジャーナリストの船瀬俊介さん、時間がないとぼやきつつの駆け足演説の題目は「安倍晋三暗殺の真相とウクライナ紛争」、コロナ騒ぎやウクライナ問題の黒幕はイルミナティ(Illuminati、1776年にイエズス会修道士によって創設された秘密結社)、フリーメイソン(Freemasonry、16世紀後半から17世紀初頭に創設された友愛結社)と断言した。

また安倍晋三(1954-2022)元首相暗殺に至っては、巷間に伝わる山上徹也容疑者(1980年生まれ)の原始銃は命中しておらず、建物の屋上からスナイパーによって発射された消音(サイレンサー)銃で、司法解剖所見の捏造などの仮説を展開し、興味深かった。いかにもジヤーナリストらしい風貌の船瀬さんは、ユーモアを混じえながら早口弁、聴衆を笑わせた。

アンカーは主催者でもあるクリニック徳の高橋徳院長(神戸大学医学部卒、医学博士、ウィスコンシン医科大学名誉教授)による「ワクチン後遺症の病態と治療」。ワクチン後遺症について、スライドを駆使しながら説明、解毒には断食とイベルメクチンとしながらも、イベルメクチンの副作用に肝障害があることも指摘、副作用はほとんどないとする寺島さんとやや齟齬があったが、残り30分を手早く締めくくった。

10時から17時までの長丁場の講演会だったが、いずれも聞きごたえのある内容で、有意義な時間を過ごさせて頂き、金沢から駆けつけただけの価値はあった。なんといっても、過去に知己を得ながらこれまでお目通り叶わなかった寺島隆吉さんと初顔合わせして、ごあいさつできたことが収穫だった。蛇足ながら、講演者は無論、聴衆のほとんどはマスク無し、私は防寒と鼻炎アレルギーのためマスク着で臨んだことを付け加えておく。

(「インド発コロナ観戦記」は、92回から「インドからの帰国記」にしています。インドに在住する作家で「ホテル・ラブ&ライフ」を経営しているモハンティ三智江さんが現地の新型コロナウイルスの実情について書いてきましたが、92回からインドからの「脱出記」で随時、掲載します。

モハンティ三智江さんは福井県福井市生まれ、1987年にインドに移住し、翌1988年に現地男性(2019年秋に病死)と結婚、その後ホテルをオープン、文筆業との二足のわらじで、著書に「お気をつけてよい旅を!」(双葉社)、「インド人には、ご用心!」(三五館)などを刊行しており、コロナウイルスには感染していません。また、息子はラッパーとしては、インドを代表するスターです。

2023年3月6日現在、世界の感染者数は6億7602万3919人、死者は687万7276人(回復者は未公表)です。インドは感染者数が4468万9046人、死亡者数が53万0775人(回復者は未公表)、アメリカに次いで2位になっています。

ちなみにアメリカの感染者数は1億0364万6940人、死亡者数が112万2164人(回復者は未公表)、日本は感染者数が3326万4491人、死亡者数が7万2805人、回復者が2169万3335人(ダイヤモンド・プリンセス号を含む)。編集注は筆者と関係ありません)

編集注:ウイキペディアによると、CIAによる「日本への関与」として、日本占領期(1945年9月2日から1952年4月28日)には岸信介(のぶすけ、1896-1987)、賀屋興宣(おきのり、1889-1977)、正力松太郎(1885-1969)、児玉誉士夫(よしお、1911-1984)、笹川良一(1899-1995)、田中清玄(1906-1993)、笠(りゅう)信太郎(1900-1967)、緒方竹虎(1888-1956)、野村吉三郎(1877-1964)らをCIAの協力者として、揺籃期の自由民主党に活動資金を提供し、心理戦略委員会(Psychological Strategy Board(PSB)、のちの作戦調整委員会)などの方針に沿って政治及びマスメディアを利用し、国内のアメリカニゼーションと政府の親米化に一役買った。

2006年7月18日に公開された国務省編纂の外交史料集によると、冷戦時代にはアメリカ政府の反共政策に基づき日本の親米勢力や、民社党などの野党内保守・右派勢力に秘密資金を提供していた。秘密資金の提供を受けたのは岸信介、池田勇人(1899-1965)両政権下の自民党有力者と社会党右派(後に民社党を結党する勢力)とみられている。この結果、右派が民社党をつくり、日本社会党は弱体化した。

冷戦終結(1989年12月)まで、児玉を通じて日本の指定暴力団・韓国のヤクザなどともコネクションを持っており、暴力装置などとして使用していた。また、日本共産党には、岸の系列から韓国の統一協会へ関与していると主張された。

冷戦終結後は双子の赤字に苦しむ連邦政府による人員や経費の削減などのため危機に直面したCIAは、日本などの友好国の経済情報などの非軍事分野での情報収集と分析を始めた。1990年4月にはCIA長官のウェブスター(William H.Webster、1924年生まれ)が「日本やヨーロッパ諸国の経済上の競争相手に対する情報戦略を扱う企画調整室を設けた」と発言した。

1992年4月には長官のゲーツ(Robert M.Gates、1943年生まれ)が「業務の約4割、予算の3分の2は経済分野に当てる」と演説した。2011年には、上級オフィサーで2000年に没したロバート・クロウリー(Robert Crowley、1924-2000)が遺した協力者一覧「クロウリーファイル」には、船橋洋一(1944年生まれ)と、「C」の節に、コロンビア大学教授のジェラルド・カーティス(Gerald L. Curtis、1940年生まれ)が掲載されていることが明らかになり、協力者の1人であると名指しされている。

CIA日本支局を立ち上げたのは前身のOSS(戦略情報局)スイス支局でアレン・ダレス(Allen W.Dulles、1893-1969)の部下だったポール・ブルーム(Paul C.Blum、1898-1981)で、彼が来日後に最初に連絡をとったのが笠信太郎であり、以降ブルームと笠は日本の指導的知識人を糾合する目的の座談会を主催するなどして親米論調の涵養を図っていた。

また、野村吉三郎に資金提供して海上警備隊(海上自衛隊の前身)を創設させ、野村の参院選出馬を支援している。反ソ・反鳩山の緒方竹虎を首相にするための工作活動を展開するとともに、緒方の「日本版CIA構想」を支援していた。