東宝2月映画、同月初の50億円超、鬼滅の刃、すずめのアニメ好調

【銀座新聞ニュース=2023年3月11日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)はこのほど、2月の映画営業部門興行成績(速報ベース)が前年同月比46.4%増の50億7831万円で、2カ月ぶりにプラスになったと発表した。

2月3日から公開されているワールドツアー上映の「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」((C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable)は2月26日までに動員226万人、興収31億円を突破している。

2月は例年、11月と並んで年間で観客動員数がもっとも少ない閑散期で、東宝が月ベースの興行成績を公表している2009年から見ても、2009年が35億円、2010年が16億円、2011年が49億円、2012年が39億円、2013年が25億円、2014年が46億円、2015年が24億円、2016年が28億円、2017年が22億円、2018年が24億円と2015年から4年連続で20億円台にとどまっていた。2019年は「七つの会議」など公開作品がいずれも映画興行ランキングで1位になるなど好調だったこともあり、2014年以来、5年ぶりに46億円と40億円台に回復した。

しかし、コロナの影響もあって2020年は上映作品が少なく、再び26億円と半減、2021年も31億円台にとどまり、2022年も前年並みの34億円だった。これに対して、今年2月はコロナによる行動制限がほとんどなく、2009年の公表以来初めて2月として50億円を超えた。しかも、2022年11月から4カ月続けて50億円以上となっている。

また、TOHO(トーホー)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館(686スクリーン)の2月の入場料収入は同44.8%増の47億3458万円と2カ月ぶりにプラスとなった。TOHOシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員については公表するのを止めている。

新たに2月に公開されたのは、3日公開のアニメ「ワールドツアー上映『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」、23日公開の「湯道」の2本だった。

2022年11月11日に公開された「すずめの戸締まり」((C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会)は2月26日までの累計で動員1048万人、興収139億円を超えている。

興行通信社の映画興行ランキングによると、2月3日から5日の週は「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」が初週1位、「すずめの戸締まり」が13週目5位、「映画 イチケイのカラス」が4週目で7位、「ラーゲリより愛を込めて」が9週目で8位と、トップ10入りは前週より1本増えて4本だった。

10日から12日の週は「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」が2週目も1位、「すずめの戸締まり」が14週目4位と再び上昇し、「ラーゲリより愛を込めて」が10週目で9位と、トップ10入りは前週より1本減って3本だった。

17日から19日の週は「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」が3週目で2位、「すずめの戸締まり」が15週目9位と、トップ10入りは前週より1本減って2本だった。

24日から26日の週は「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」が4週目も2位、「湯道」が初週3位、「すずめの戸締まり」が16週目7位と再び上昇し、トップ10入りは前週より1本増えて3本だった。

2月に映画館で上映された配給作品は「ワールドツアー上映『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」(2月3日公開)、「湯道」(2月23日公開)、「映画 イチケイのカラス」(1月13日公開)、「テレビシリーズ特別総集編『名探偵コナン 灰原哀物語 黒鉄のミステリートレイン』」(1月6日公開)、「Dr.コトー診療所」(2022年12月16日公開)、「ラーゲリより愛を込めて」(12月9日公開)、「すずめの戸締まり」(11月11日公開)など。