モスバーガー店が大豆蛋白のフィッシュ風バーガー、デカフェも

【銀座新聞ニュース=2023年3月23日】外食業界国内21位のモスフードサービス(品川区大崎2-1-1、ThinkPark Tower、0120-300-900)は3月24日から7月中旬まで「モスバーガー西銀座店」(中央区銀座4-1先、03-5159-6620)など全国のモスバーガー店で「ソイシーバーガー-ソイのおさかな風フライ」を発売する。

モスフードサービスが3月24日から7月中旬まで全国のモスバーガー店で販売する「ソイシーバーガー-ソイのおさかな風フライ」。代替魚を使用した「フィッシュ風バーガー」。

また、24日から「デカフェ コーヒー(カフェインレス)」と「デカフェ カフェラテ(カフェインレス)」を定番商品として発売する。

「ソイシバーガー」(税込490円)は「フィッシュバーガー」を、プラントベースで再現した商品で、オリジナルのフィッシュ風ポーションとタルタルソースは、いずれも原材料に動物由来のもの(肉、魚、卵、乳製品など)を使用せず、大豆たんぱくを主原料とする代替魚を使用している。

フィッシュ風ポーションは大豆たんぱくを主原料に使用し、白身魚に近い風味やほぐれる食感、繊維感を再現するために、使用する植物性たんぱくの選び方や練り方にもこだわり、時間が経ってもサクサク感が持続するように、衣の配合も調整している。

タルタルソースは卵を使用しない代わりに、食用油を用いて、卵と遜色ないコクと旨味を再現した。グリーンバーガーを象徴する緑色のバンズ(パン)は豆乳クリームをバター状にして加えてしっとりとした食感を出し、ほうれん草ピューレーを練りこむことで、ほんのりとした野菜の甘味が感じられる。

ただし、プラントベースとは関係ないが、仏教などで食が禁じられている臭いの強い5種の野菜(五葷=ごくん=、ねぎ、らっきょう、にら、にんにく、玉ねぎ)を使用している。

一方、「カフェインレスコーヒー(デカフェ)」は、カフェインを90%以上除去したコーヒーのことで、今回はアラビカ種100%のコロンビア産コーヒー豆のみを使用したストレートコーヒーで、水処理によりカフェインを97%以上除去している。「デカフェ コーヒー(カフェインレス)」(400円、ホットのみ)、「デカフェ カフェラテ(カフェインレス)」(480円、ホットのみ)を提供する。

ウイキペディアによると、「プラントベースフード(plant base food)」とは「畜産物(肉類)や水産物(魚介類)といった動物由来の原材料を一切使用しない植物由来の原材料を使用した食品全般」を指す。プラントベースフードは肉や魚の代替となり得る食品であるが、植物由来原材料でできているため肉や魚には該当しない。

2050年には世界人口が100億人に達すると言われており、FAO(国連食糧農業機関)は2011年に、世界の食肉消費が2050年までに73%、乳は58%増えると発表した。2017年の世界の家畜・家禽と畜数は「肉用鶏」が665億6672万5000羽、「採卵鶏」が78億3838万羽、「豚」が14億8598万6756頭、「肉牛」が3億441万4858頭、「乳牛」が2億7801万4142頭と世界人口の10倍以上にのぼっている。さらに魚も含めると、人間の食のために年3000億もの動物が消費されていることになる。

これら大量の家畜を飼養するために、地球上の居住可能な土地の約40%が畜産業に使われ、森林破壊、温室効果ガス排出、水資源の大量消費など環境破壊の主原因となっている。また、効率面からすると、現在、地球上の農業用地のうち77%を畜産業が使用しているが、そこから得られるカロリーが18%にしかすぎない。科学者たちは、先進国が肉の消費を減らして、植物ベースの食事へシフトしていく必要性について指摘している。

食品の環境への影響に関する長年の研究によると、肉を植物性タンパク質に置き換えた場合、温室効果ガス排出量は86%から99%少なく、土地利用は97%から99%少なく、大気汚染は70%から99%少なく、毒性のある化学物質の生産量は83%から99%少なく、水の使用量は95%から99%削減できるという。

科学誌「ネイチャー」に2022年5月に掲載された研究では、畜産由来の肉を、発酵微生物から生産された代替肉に移行すれば、2050年までに年間の森林減少を半減させると同時に温室効果ガスの排出量を削減できると報告されている。

中央区には、「西銀座店」のほかに、「銀座ナイン店」(中央区銀座8-7、03-5568-5067)、「月島店」(中央区月島1-27-9、03-5547-3711)がある。

営業時間は各店に確認を。