ポーラ銀座で西島雄志展、「神」が鳳凰と龍に

【銀座新聞ニュース=2023年4月28日】化粧品業界国内4位のポーラ・オルビスホールディングス(中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビル、03-3563-5517)が運営するポーラミュージアムアネックス(ポーラ銀座ビル、03-3563-5501)は4月28日から6月4日まで西島雄志さんによる個展「瑞祥zui-shouー時の連なり」を開く。

ポーラミュージアムアネックスで4月28日から6月4日まで開かれる西島雄志さんの個展「瑞祥zui-shouー時の連なり」に出品される「吉祥 kichi-shou」(2021年、銅線、NAKANOJO BIENNALE 2021)。

彫刻家の西島雄志さんは、自らの手で渦状に巻いた銅線のパーツをひとつひとつ繋げることで、モチーフを形づくっていき、鹿や象、八咫烏(やたがらす)など神話に縁の深い動物を題材に、立体作品やインスタレーションを発表している。

ポーラによると、その作品は「何千ものパーツから構成され、作り出されるまでの膨大な年月が織り込まれることで、時間という奥行きを含」んでいる。また、「最低限にとどめられた輪郭は、まばゆい光を放ち、モチーフがまとう空気やたたずむ情景など目に見えない『気配』への想像を掻き立て」るとしている。

タイトルの「瑞祥(ずいしょう)」とは、めでたいことが起こる前兆、吉兆を意味し、ここ数年のパンデミック(世界的大流行)の状況から、西島雄志さんが明るい兆しや希望をイメージする中で辿り着いた「神」というモチーフが、鳳凰と龍、ふたつの大作となっており、今回は新作のインスタレーションを含む3点を展示する。

西島雄志さんは人の「存在」や、その「気配」に興味があるとしている。「空間に満たされたものを感じ取り、形を与えてみる。与えられた形から、空間を再構成する。光を通して感じとる形により、『気配』を視覚化している」

「時間の積み重ねという側面からも『存在』と『気配』を思考する。自らの手で一つ一つ捻り巻いた銅線のパーツを自分の過ごした時間とし、その集積を用いて形を与えていくことで、時間の概念を加えている」という。

「視覚的な『気配』と、時間の概念から組み立てられる世界を同時に存在させることで二重の構造を空間に作り出し、その現象を用いて直接的に感覚に問いかけたい。近年は、『存在』と『気配』を思考する中で、『神』をモチーフに用いている。『神』とは人が感じ取る『第六感』の別名ではないかと考えている」としている。

西島雄志さんは1969年神奈川県生まれ、1993年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業、1995年に同大学院美術研究科彫刻専攻を修了、1997年に「コンクリートアートミュージアム展」で3等賞、2002年から個展を開いており、2011年から「中之条ビエンナーレ 2011」(隔年開催)に参加している。

開場時間は11時から19時。入場は無料。会期中は無休。