日比谷「渇水」で生田斗真、門脇麦、磯村勇斗ら初日挨拶

【銀座新聞ニュース=2023年5月27日】書籍、映画配給事業、ネットワークエンタテインメントなどを運営するKADOKAWA(千代田区富士見2-13-3、03-5216-8212)は6月2日にTOHOシネマズ日比谷(千代田区有楽町1-1-2、東京ミッドタウン日比谷、050-6868-5068)で「渇水」に出演している生田斗真さん、門脇麦さんらによる初日舞台あいさつを開く。

6月2日から一般公開される「渇水」((C)「渇水」製作委員会)。

2日15時5分の回上映終了後と18時5分の回上映前に、監督の高橋正弥さんをはじめ、主人公で水道局職員「岩切俊作」役の生田斗真さん、姉妹の母親「小出有希」役の門脇麦さん、岩切俊作の同僚「木田拓次」役の磯村勇斗さん、岩切俊作の妻「岩切和美」役の尾野真千子さん、小出の姉の「恵子」役の山崎七海さん、小出の妹「久美子」役の柚穂さんが舞台に登場してあいさつする。

ウイキペディアによると、「渇水」は河林満(1950-2008)が1990年に文學界新人賞を受賞した作品で、「文學界」(文芸春秋)の1990年6月号に掲載され、103回芥川賞候補にもなり、文芸春秋から単行本化された。その後、「渇水」はNHK-FMでFMシアターとしてラジオドラマ化され、第28回ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞を受賞している。

また、芥川賞候補だった「渇水」は、最後の部分での姉妹のむごたらしい自殺という結末で、極端ともいえるほどの場面の転換となっている。これには、選考委員の一人が「失望した」と言っているほどで、それまでの情緒的な場面展開に比べると、眼をそむけたくなるような凄惨な結末となっている。

しかし、これは河林満自らが「転校生いじめ・祖母の死・継母のいじめ・自殺未遂」などの子どものころのトラウマがあり、「偽善と自殺」が河林満の永遠のテーマなので、小説の前半の情緒的な描写は、実は最後の「自殺」へと導く「偽善」の部分にすぎない。

ただ、著者のこういった性向を知っていても、大部分の読者にとって後味の悪さは残るだろう。言葉としては出ていないが、社会への恨みのようなものが、この最後の残酷な描写に表れている、としている。

作品は白石和彌さんが初の企画プロデュースを担当し、高橋正弥さんが監督をしている。

物語は市の水道局に勤める岩切俊作が、水道料金を滞納している家庭や店舗を回り、料金徴収および水道を停止する「停水執行」の業務に就いているところからはじまる。日照り続きの夏、市内に給水制限が発令される中、貧しい家庭を訪問しては忌み嫌われる日々を送る俊作。妻子との別居生活も長く続き、心の渇きは強くなるばかりだった。そんな折、業務中に育児放棄を受けている幼い姉妹と出会った彼は、その姉妹を自分の子どもと重ね合わせ、救いの手を差し伸べようとするが。

高橋正弥さんは1967年秋田県生まれ、根岸吉太郎さん、髙橋伴明さん、相米慎二さんらの作品で助監督としてキャリアを重ね、2002年に「RED HARP BLUES(レッドハープブルース)」で監督を手がけ、2010年に「月と嘘と殺人」、2017年にスカパー!ドラマ「マグマイザー」などで監督を務めた。6月23日公開の「愛のこむらがえり」の監督も務めている。

チケットは現在、チケットぴあを通じて先行抽選を受付中で、28日23時59分締め切り。30日10時から一般発売する。料金は全席指定で2200円均一。