丸善丸の内で鎌倉ヴィヴァンの「万華鏡」展、400点展示

【銀座新聞ニュース=2023年9月17日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ、03-5288-8881)は9月20日から26日まで4階ギャラリーで「魅惑の大万華鏡展」を開く。

丸善・丸の内本店で9月20日から26日まで開かれる「魅惑の大万華鏡展」のフライヤー。

万華鏡専門店の「鎌倉ヴィヴァン」(神奈川県鎌倉市小町1-6-13、寿ハウス、0467-22-2351)が主催する万華鏡展で、国内初の最新作から、限定品まで400点以上を展示販売する。また、万華鏡作家によるワークショップも開く。

「鎌倉ヴィヴァン」が丸善・丸の内本店で展示会を開くのは6年ぶりで、この間、東急グループの「Bunkamura(ブンカムラ)」で開いてきた。しかし、2023年4月に隣接する東急百貨店本店が建物の老朽化に伴う建て替えにより、Bunkamuraも大規模改修工事を行い、同年4月よりオーチャードホールを除き長期休館した。kのため、美術館のザ・ミュージアムは渋谷ヒカリエ9階の「ヒカリエホール」などで展覧会を開き、ギャラリーは渋谷ヒカリエ8階の「クリエイティブスペース 8/(はち)」に「Bunkamura Gallery 8/」として移転したが、スペースが大幅に狭くなったため、今回は丸善・丸の内本店で開く。

ウイキペディアなどによると、「万華鏡」は筒などの内部に鏡を張り、筒を通して、移動するビーズなどの着色された細片(かけら)を見て楽しむおもちゃの一種で、筒の一端からのぞき込むと、他から光が入り鏡で反射し、鏡を45度の角度に交差させると8個、60度では6個、90度では4個の1回の反射による鏡像が見られる。

筒を回転すると着色された物体が移動し、さまざまな色や模様を見ることができる。鏡の対称性により美しい図形が見られる。2枚の鏡でできたものは背景から独立したパターンとなるが、閉じた三角形の鏡でできたものは視界の全体がパターンとなる。

英語では「カレイドスコープ(Kaleidoscope)」で、ギリシャ語の「Kalos(美しい)」と「Eidos(形)」、それと「Skopeo(見るもの)」を合わせた造語だ。かつては「万華鏡(ばんかきょう)」や「百色眼鏡(ひゃくいろめがね)」、あるいは「錦眼鏡(にしきめがね)」とも呼ばれた。

スコットランドの科学者、サー・ブリュースター (Sir David Brewster、1781-1868)が偏光の実験の途中で、灯台の明かりを遠くに飛ばすため、鏡の組み合わせを計算し、工夫をしているときにできたもので、1817年に特許を取得した。初期のデザインは、一端に一組の鏡を置いた筒からできており、他端には半透明の円盤、その間にビーズを置いた。初期には科学における道具として発明されたが、おもちゃとして急速に複製された。

日本には江戸時代の1819(文政2)年にはすでに輸入され、1615(元和元)年から1833(天保4)年までの出来事をまとめた「摂陽奇観(せつようきかん)」によると、「紅毛渡り更紗眼鏡流行 大阪にてにせ物多く製す」という記述が残っており、その偽物が出回るほどの人気を博した。明治になると「百色眼鏡」や「万華鏡」、「錦眼鏡」として流行し、その後は子どものおもちゃ、郷土の伝統工芸として広まった。

一方、1981年にアメリカ人女性のコージー・ベーカー(Cozy Baker、1924-2010)が息子の事故にショックを受け、その後、万華鏡でいやされたことに感動し、万華鏡を見直そうという運動がはじまり、これが「万華鏡ルネサンス」と呼ばれている。コージー・ベーカーは1986年に「ブリュースター万華鏡協会(The Brewster Kaleidoscope Society)」を設立し、現在、万華鏡は婦人科、小児科などの病院で痛みや癒しの用具として使われ、ホスピスなどでの痛みの緩和にも使われている。

ワークショップは9月22日10時から12時、13時30分から15時30分、16時30分から18時30分と3回あり、講師は2012年に「星の万華鏡展」で万華鏡楽会賞などを受賞した小野寺慶子さんとそのパートナーとして万華鏡の内部構造の設計と制作を担当している、工業デザイナーの小野寺良明さん夫婦が務める。制作するのは「中秋の名月」(2ミラー、オイルタイプ) と「天空の華宴」(3ミラー、オイルタイプ)。費用はいずれも税込1万9800円。

23日は9時30分から11時30分が「ガラス筒のハロウィン万華鏡」、12時30分から14時が「花火の万華鏡つくり」、15時から16時30分が「彼岸花の万華鏡つくり」と3回あり、講師はいずれも2018年に仏具師との共同作品で京都市長賞、2019年にアメリカ・ストラスモア展で審査員賞を受賞している鈴木明子さん。費用はハロウィン万華鏡が1万9800円、花火の万華鏡と彼岸花の万華鏡が1万1800円。

24日は12時から14時30分が「4色から選べる吹きガラスの万華鏡」、15時30分から19時が「クリアorブラックバック万華鏡」と2回で、講師はいずれも2015年にアメリカの「ブリュースター・カレイドスコープソサエティコンベンション」でピープルズ・チョイス・アワード(2019年にカレイドスコープ:スペクトラム審査員賞)、2017年に「ブリュースター・カレイドスコープソサエティコンベンション 2017 in京都」(万華鏡世界大会)で最優秀賞を受賞した佐藤元洋さんが務める。費用は吹きガラスの万華鏡が1万9250円、クリアorブラックバック万華鏡が3万9600円。

開場時間は9時から21時(最終日は15時)まで。入場は無料。ワークショップは予約制ですでに締め切っている。