ギャルリー志門で海老塚耕一展

【銀座新聞ニュース=2023年9月18日】ギャルリー志門(中央区銀座6-13-7、新保ビル、03-3541-2511)は9月18日から30日まで海老塚耕一さんによる個展を開いている。

ギャルリー志門で9月18日から30日まで開かれている海老塚耕一さんの個展のフライヤー。
作品は「水の皮膚ーY氏への手紙」(木=ケヤキ、赤松、スグルス、ヒノキ、杉=、鉄)。

今回は多摩美術大学名誉教授で、彫刻家、版画家の海老塚耕一さんがギャルリー志門の企画展という形で新作を中心に個展を開いている。

多摩美術大学によると、海老塚耕一さんは石・木・鉄・水といった異素材を組み合わせ、空間に拡張していくような彫刻作品を制作している。1980年代は主な素材に木を使用し、鑑賞者を内包する舞台装置のような作品「連関作用」シリーズを展開し、1990年代以降は「境界・端・限界」への関心から、それらを思考するための要素として定型をもたない「水」や「風」を主題に、彫刻のみならず版画作品も制作している。

海老塚耕一さんは「見える」ことと「わかる」ことの不確かさを問い、流れるもの、固定されないもの、浸透するものと、物質を通じて交感しようと試みているという。また、最近の作品では、海老塚耕一さんは「空無から生じる風景」という言葉をあてている。

海老塚耕一さんは1951年神奈川県横浜市生まれ、父親は画家の海老塚市太郎(1927年生まれ)さん、1975年に多摩美術大学美術学部建築科を卒業、1977年に同大学大学院美術研究科を修了、1986年に第6回インド・トリエンナーレでゴールド・メダル、1988年に第4回アジアンアート・ビエンナーレで最優秀作家賞。

1991年に第15回平櫛田中賞、2001年に「第19回現代日本彫刻展」で神奈川県立近代美術館賞、2003年に第14回タカシマヤ美術賞、2015年に「第92回春陽展」で岡鹿之助賞を受賞している。2022年に多摩美術大学美術学部芸術学科教授を退職している。現在、春陽会の版画部客員会員。

開場時間は11時から19時(最終日は17時)、日曜は休み、入場は無料。