東宝10月、8割増で9カ月+、ミステリ、アナログ等が堅調

【銀座新聞ニュース=2023年11月14日】阪急阪神東宝グループで、国内映画業界首位の東宝(千代田区有楽町1-2-2、03-3591-1221)は11月13日に10月の映画営業部門の興行成績(速報ベース)が前年同月比77.6%増の46億8977万円で、今年2月から9カ月続けてプラスになったと発表した。

9月15日から一般公開されている「ミステリと言う勿れ」((C)田村由美/小学館(C)2023フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社)。11月5日までの52日間で、映画予報によると、観客動員数が328万人で、興行収入が44億4217万円で映画ラインキングでは4位になっている。

10月は例年、需要の端境期で、年間を通じて比較的観客が少ないため、売上高も40億円から50億円で推移することが多い。2012年が32億円、2013年が40億円、2014年が21億円、2015年が46億円、2016年がアニメ「君の名は。」の大ヒットの影響で85億円と80億円を超えたが、2017年が39億円、2018年が27億円、2019年37億円にとどまった。しかし、2020年は「鬼滅の刃」が大ヒットし、166億円と大幅に伸ばしたものの、2021年は29億円、2022年も26億円とほぼ平年並みだった。

2023年は3月13日からマスク着用が個人判断となり、5月8日からコロナ感染症が2類からもっとも軽い5類に移行したこともあり、ほとんどの規制がなくなり、5月は前年並の88億円と回復傾向にあり、6月も前年を20%程度上回る32億円になり、7月は前年比65%増の69億円と堅調で、8月は100億円には届かなかったものの、前年の倍増の91億円、9月が5割増の51億円だった。。

一方、トーホー(TOHO)シネマズ、関西共栄興行、スバル興業という連結3社と東京楽天地、オーエスの持分法適用2社を合わせた5社ベースの東宝グループの映画館の10月の入場料収入は同6.2%増の39億1158万円と、2カ月続けてプラスとなった。トーホーシネマズ直営館の入場料収入と東宝グループの入場人員を公表するのを止めている。

新たに10月に公開された映画は6日からの「アナログ」、13日からの「ゆとりですがなにか インターナショナル」の2本だった。

興行通信社の映画興行ランキングによると、10月6日から8日の週は「ミステリと言う勿れ」が4週目も1位、「アナログ」が初週2位、「沈黙の艦隊」が2週目3位と、トップ10入りは前週と同じく3本だった。

13日から15日の週は「ミステリと言う勿れ」が5週目も1位、「アナログ」が2週目も2位、「ゆとりですがなにか インターナショナル」が初週で3位、「沈黙の艦隊」が3週目5位と、トップ10入りは前週より1本増えて4本だった。

20日から22日の週は「ミステリと言う勿れ」が6週目で2位に下がり、「アナログ」が3週目で5位、「ゆとりですがなにか インターナショナル」が2週目で7位、「沈黙の艦隊」が4週目9位と、トップ10入りは前週と同じく4本だった。

27日から29日の週は「ミステリと言う勿れ」が7週目で再度1位に帰り咲き、「アナログ」が4週目も5位、「ゆとりですがなにか インターナショナル」が3週目で9位と、トップ10入りは前週より1本減って3本だった。

10月に映画館で上映された東宝の配給作品は「アニメ『BLUE GIANT(ブルージャイアント)』アンコールリバイバル上映」(10月27日から11月2日まで公開)、「僕のヒーローアカデミア『雄英ヒーローズ・バトル』」(10月20日から26日まで公開)、「ゆとりですがなにか インターナショナル」(10月13日公開)、「アナログ」(10月6日公開)、「沈黙の艦隊」(9月29日公開)。

「ミステリと言う勿れ」(9月15日公開)、「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司」(8月4日公開)、「キングダム 運命の炎」(7月28日公開)、「君たちはどう生きるか」(7月14日公開)、「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」(4月14日公開)、「すずめの戸締まり」(2022年11月11日公開、5月27日終映、9月20日から10月5日までおかえり上映)など。