MEDELで小林望美「モザイク画」展、蛹から羽化した人を描く

【銀座新聞ニュース=2023年11月21日】MEDEL GALLERY SHU(千代田区内幸町1-1-1、帝国ホテルプラザ、03-6550-8111)は11月21日から12月3日まで小林望美さんによる個展「サナギュトリウム」を開く。

MEDEL GALLERY SHU(愛でるギャラリー祝)で11月21日から12月3日まで開かれるで小林望美さんの個展に出品される作品。

彫る「モザイク画家」として独自の技法で知られる小林望美さんがMEDEL GALLERY SHU(愛でるギャラリー祝)で3回目となる個展を開く。

MEDEL GALLERY SHUによると、小林望美さんは「自他の表裏一体性や親和性」を画題に、モザイク画を制作しており、その作風は石や、ガラス、貝殻などの小片を寄せ合わせてつくる装飾美術技法ではなく、写真の「メディウム転写」に始まり、ブロックノイズや低解像度の画像などから着想を得て制作してきた。

2016年以降は木製パネルへ描いたモザイク画を彫刻刀で彫り、溝へ金属色を流し込むといった独自のスタイルを確立し、手掛ける作品は現在も進化変容を遂げているとしている。

今回は、彫る行為を休め、調和や安全な繭・サナギの中で新しい時代へ羽化する時を待つ人々を細かな粒子で表現しようと試みた新作を発表する。タイトルの「サナギュトリウム」は小林望美さんの造語で、「さまざまな出来事を要因にサナギ化した人々が、ぶじ、羽化する時を待つ場所」と説明している。

小林望美さんは「モザイクというフィルターにより先入観が抑制された画面は、鑑賞者に描かれた事象、人々の関係性について考察の余地を与えます。多様な見解が生まれたとき、自己と他者とのあいだに何か気づきが得られるような表現を目指しています」としている。

小林望美さんは1991年茨城県生まれ、2014年に群馬大学教育学部芸術表現系美術専攻を卒業、2016年から「彫るモザイク画」での活動を開始、2016年に「KENZAN(ケンザン)2016」でLOWER AKIHABARA(ローワーアキハバラ)賞、2017年に第2回星乃珈琲絵画コンテストで佐藤俊介審査員優秀賞を受賞している。2017年から毎年のように個展を開いており、グループ展にも出品している。

開場時間は11時から19時(最終日は17時)。会期中は休みなし。