フード協、外食23年14%増、2年+、回復傾向に、12月は11%増

【銀座新聞ニュース=2024年1月26日】一般社団法人日本フードサービス協会(港区浜松町1-29-6、浜松町セントラルビル、03-5403-1060)は1月25日に2023年と2023年12月の「外食産業市場動向調査」(全店ベース)を発表した。

松屋フーズの運営するとんかつ専門店「松のや勝どき店」(中央区勝どき4-11-10、080-9021-6722)など「松のや」で1月31日15時まで「超厚切りロースかつ盛合せ定食セール」を開いている。「ロースかつ」と唐揚げ、海老フライ、アジフライ、カキフライをそれぞれ組み合わせた4種類の「ロースかつ(80グラム)」定食が対象で、100円プラスすると「超厚切りロースかつ(160グラム)」に変えられる。税込960円から1230円(海老フライは1尾960円、2尾で1230円)。

それによると、コロナ禍4年目となった2023年は1月にコロナの第8波感染があったものの、3月13日から「マスク着用の緩和」、5月8日には新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけを「2類」からもっとも軽い「5類」に移行するなど、コロナによる行動制限が緩和から解除へと進み、社会経済環境は「ポストコロナ」へ移行した。

これにより、人の流れが戻り、年間を通して外食需要の回復基調が継続したことで、全体売り上げは前年比14.1%増(2019年比7.7%増)で、2年続けてプラスとなった。4月に入国規制などの水際対策が終了し、訪日外国人観光客(免税売上、インバウンド)需要が拡大したことも売り上げ増の一因となっている。

ただ、売り上げの回復傾向は続いているものの、「客単価の上昇」(全体で前年比7.3%増)によるところが大きく、「利用客数」についてはまだ2019年の水準まで回復していないと推定される(全体で2019年比9.1%減)。また、「人手不足の常態化」や「物価高」など、外食産業を取り巻く環境は、「ポストコロナ」となっても依然厳しい状況が続いているとしている。

業態別では、ファーストフード(FF)業態は、全体で同10.4%増(2019年比20.1%増)と3年連続でプラス、コロナによる行動制限がなくなった後もテイクアウトとデリバリーの定着などで好調を維持している。

一方で、「ファミリーレストラン(FR)」は同17.5%増(同1.1%減)と2年連続プラス、、「パブ/居酒屋」は同34.9%増(同33.5%減)と2年連続でプラス、「ディナーレストラン(DR)」は同22.7%増(同6.4%減)と2年連続でプラス、「喫茶」は同20.6%増(同3.8%減)と3年連続でプラスなど、店内飲食が主体の業態は回復基調にあるもののコロナ前の売り上げ水準には戻っていないとしている。

ハンバーグ専門店「AOI」(中央区銀座2-11-9、三和産工ビル、03-3541-1819)は2月から期間限定で「新玉葱入りハンバーグ」(1100円)を販売する。静岡県の新玉葱が中心で、1回で6、7時間かけてあめ色になるまで炒め、牛すね肉に混ぜ込んでふわふわハンバーグに仕上げる。決め手は18種類の材料を使った「激うま和風ソース」で、ニンニク生姜風味のソースに新玉葱を入れてハンバーグにかける。

特に「パブ/居酒屋」はコロナの5類移行などで、忘年会など宴会需要も回復しつつあるが、店舗数自体が減少しており(2019年比31%減)とかつての水準には未だ遠い状況となっている。

利用客数は全体で同6.3%増と2年連続でプラス、ファーストフード(FF)業態が同3.8%増と3年連続でプラス、ファミリーレストラン(FR)は同11.2%増と2年連続でプラス、パブ/居酒屋は同24.0%増と2年連続でプラス、ディナーレストラン(DR)は同16.5%増と2年連続でプラス、「喫茶」は同9.3%増と2年連続でプラスとなっている。

一方、2023年12月は、コロナの「5類」移行後初めての年末となり、天候にも恵まれ、忘年会やクリスマス、帰省などで外食需要が好調に推移し、訪日外国人観光客需要も引き続き好調で、外食全体の売り上げは前年同月比11.0%増(2019年12月比11.2%増)と、2021年12月から25カ月連続でプラスとなった。特に、4年ぶりにコロナによる行動制限のない忘年会シーズンを迎え、飲酒業態では法人宴会の回復が見られた。

客数は同5.3%増(2021年12月から25カ月連続でプラス)、客単価は同5.4%増(2021年10月から27カ月連続でプラス)となっている。これに対して店舗数は2023年4月から9カ月連続減と減少傾向にある。

業態別では、ファーストフード(FF)は、好調が継続し、全体では同9.5%増、2021年3月から34カ月続けてプラスとなっている(2019年12月比23.0%増)。「洋風」は、期間限定品やクリスマス需要が好調で9.7%増、「和風」はテレビCMの効果もあり、季節限定メニューの売れ行きも好調で13.6%増。「麺類」は、飲み会後の利用が増えたほか、保温を工夫した持ち帰り商品が好評で10.8%増。「持ち帰り米飯/回転寿司」は「回転寿司」でクリスマスや年末の持ち帰り需要や価格が高めの商品が堅調で、客単価が上昇、2.6%増となった。

ファミリーレストラン(FR)は全体では同12.4%増、2022年3月から22カ月連続でプラス(2019年12月比3.7%増)。節約志向により低価格商品に対する根強い需要がある一方で、年末年始には高価格のキャンペーン商品なども好調で、「洋風」は12.0%増、「和風」は、宴会需要の回復もあり、13.8%増。「中華」は持ち帰り需要の堅調とビール消費の増大で、13.1%増。「焼き肉」は、引き続き食べ放題業態が好調で、忘年会需要の復活もあり、11.0%増だった。

パブ/居酒屋は全体では同18.2%増(2019年12月比30.9%減)と2021年11月から26カ月連続でプラスだった。飲酒業態は4年ぶりにコロナによる行動制限がない忘年会シーズンとなり、大規模な宴会は少ないものの、中小規模宴会が増え、これまで戻りが鈍かった法人の忘年会も回復傾向となった。

ディナーレストラン(DR)は同13.9%増、2021年11月から26カ月連続でプラス(2019年12月比5.0%減)となった。引き続き、訪日外国人観光客需要が旺盛で、法人宴会の回復もみられた。

喫茶は同13.3%増、2021年11月から26カ月連続でプラス(2019年12月比0.9%増)だった。オフィス街、商店街、観光地の店舗が比較的好調で、アルコール類を提供する一部業態では、忘年会需要を取り込んで好調、客単価の上昇もみられた。

日本フードサービス協会の統計は12月の会員(事業社数)が231社(2023年11月228社、10月230社、9月230社、8月225社、7月226社、6月229社、5月228社、4月225社、3月223社、2月230社、1月236社、2022年12月225社、11月214社、10月230社、9月232社、8月239社、7月223社、6月230社、5月237社、4月228社、3月221社、2月223社、1月227社。

2021年12月225社、11月224社、10月225社、9月226社、8月229社、7月219社、6月211社、5月212社、4月229社、3月225社、2月213社、1月222社、2020年12月214社、11月215社、10月221社、9月219社、8月225社、7月214社、6月203社、5月208社、4月191社、3月203社、2月205社、1月188社)。

店舗数が前年同月比0.7%減の3万6707店(2023年11月3万6658店、10月3万6594店、9月3万6406店、8月3万6443店、7月3万6584店、6月3万6500店、5月3万6529店、4月3万6651店、3月3万6589店、2月3万6690店、1月3万6919店、2022年12月3万6874店、11月3万6802店、10月3万6996店、9月3万6749店、8月3万7059店、7月3万6882店、6月3万7099店、5月3万6985店、4月3万6735店、3月3万6422店、2月3万5916店、1月3万6624店。

2021年12月3万6573店、11月3万6743店、10月3万6679店、9月3万6354店、8月3万7603店、7月3万7763店、6月3万6772店、5月3万6600店、4月3万7788店、3月3万7389店、2月3万6757店、1月3万7475店、2020年12月3万7648店、11月3万7684店、10月3万7939店、9月3万8669店、8月3万8106店、7月3万7810店、6月3万8139店、5月3万8059店、4月3万7982店、3月3万9165店、2月3万9662店、1月3万5001店)が対象。

内訳はファーストフードの事業社数が58社(2023年11月58社、10月58社、9月57社、8月55社、7月56社、6月56社、5月55社、4月55社、3月55社、2月57社、1月58社、2022年12月57社、11月54社、10月57社、9月58社、8月58社、7月56社、6月58社、5月61社、4月57社、3月55社、2月57社、1月54社。

2021年12月56社、11月61社、10月56社、9月57社、8月62社、7月58社、6月56社、5月55社、4月57社、3月58社、2月55社、1月56社、2020年12月54社、11月56社、10月61社、9月57社、8月57社、7月59社、6月52社、5月54社、4月50社、3月53社、2月55社、1月49社)。

店舗数が前年同月比0.3%増の2万1417店(2023年11月2万1544店、10月2万1383店、9月2万1090店、8月2万1194店、7月2万1364店、6月2万1226店、5月2万1248店、4月2万1194店、3月2万1190店、2月2万1076店、1月2万1320店、2022年12月2万1265店、11月2万1288店、10月2万1243店、9月2万1316店、8月2万1364店、7月2万1287店、6月2万1337店、5月2万1456店、4月2万1292店、3月2万1233店、2月2万1097店、1月2万1127店。

2021年12月2万1264店、11月2万1434店、10月2万1302店、9月2万1422店、8月2万1556店、7月2万1309店、6月2万1545店、5月2万1093店、4月2万1608店、3月2万1620店、2月2万1356店、1月2万1693店、2020年12月2万1774店、11月2万1807店、10月2万2003店、9月2万2093店、8月2万2070店、7月2万1635店、6月2万1806店、5月2万1703店、4月2万1821店、3月2万1552店、2月2万2261店、1月1万8957店)。

ファミリーレストランの事業社数が68社(2023年11月67社、10月68社、9月68社、8月68社、7月66社、6月67社、5月67社、4月66社、3月66社、2月66社、1月69社、2022年12月66社、3万店11月64社、10月66社、9月68社、8月69社、7月65社、6月66社、5月69社、4月66社、3月63社、2月63社、1月64社。

2021年12月65社、11月62社、10月62社、9月62社、8月65社、7月60社、6月60社、5月61社、4月65社、3月61社、2月60社、1月63社、2020年12月61社、11月56社、10月57社、9月60社、8月59社、7月56社、6月55社、5月56社、4月54社、3月55社、2月55社、1月50社)。

店舗数が前年同月比1.1%減の1万0322店(202311月1万0288店、年10月1万0317店、9月1万0377店、8月1万0377店、7月1万0259店、6月1万0298店、5月1万0303店、4月1万0478店、3月1万0460店、2月1万0555店、1月1万0498店、2022年12月1万0534店、11月1万0439店、10月1万0619店、9月1万0251店、8月1万0770店、7月1万0642店、6月1万0625店、5月1万0379店、4月1万0458店、3月1万0335店、2月9822店、1月1万0142万店。

2021年12月1万0146店、11月1万0166店、10月1万0154店、9月9989店、8月1万0305店、7月1万0019店、6月1万0145店、5月1万0204店、4月1万0592店、3月1万0151店、2月9980店、1月1万0096店、2020年12月1万0437店、11月1万0280店、10月1万0153店、9月1万0692店、8月1万0161店、7月1万0456店、6月1万0638店、5月1万0753店、4月1万376店、3月1万395店、2月1万534店、1月9556店)。

パブ・居酒屋の事業社数が33社(2023年11月34社、10月35社、9月34社、8月34社、7月33社、6月35社、5月36社、4月33社、3月34社、2月33社、1月34社、2022年12月33社、11月32社、10月35社、9月34社、8月34社、7月34社、6月35社、5月36社、4月36社、3月35社、2月36社、1月37社。

2021年12月35社、11月35社、10月38社、9月37社、8月37社、7月32社、6月31社、5月32社、4月37社、3月38社、2月36社、1月38社、2020年12月35社、11月38社、10月38社、9月38社、8月39社、7月34社、6月34社、5月35社、4月32社、3月36社、2月35社、1月34社)。

店舗数が前年同月比6.0%減の1824店(2023年11月1736店、10月1819店、9月1820店、8月1829店、7月1816店、6月1855店、5月1866店、4月1852店、3月1854店、2月1897店、1月1892店、2022年12月1927店、11月1958店、10月1989店、9月1996店、8月1849店、7月1832店、6月2017店、5月2048店、4月1847店、3月1694店、2月1835店、1月2061店、2021年12月1871店、11月1883店、10月2110店、9月1961店、8月2503店、7月2349店、6月2108店、5月2302店、4月2472店、3月2341店、2月2335店、1月2484店、2020年12月2163店、11月2420店、10月2419店、9月2539店、8月2404店、7月2334店、6月2305店、5月2332店、4月2476店、3月2849店、2月2771店、1月2326店)。

ディナーレストランの事業社数が26社(2023年11月27社、10月26社、9月26社、8月25社、7月33社、6月27社、5月27社、4月28社、3月26社、2月30社、1月31社、2022年12月29社、11月25社、10月28社、9月30社、8月31社、7月27社、6月28社、5月27社、4月28社、3月27社、2月28社、1月30社。

2021年12月29社、11月26社、10月30社、9月30社、8月27社、7月30社、6月29社、5月30社、4月31社、3月29社、2月31社、1月30社、2020年12月28社、11月32社、10月31社、9月30社、8月33社、7月30社、6月28社、5月32社、4月26社、3月28社、2月29社、1月26社)。

店舗数が前年同月比7.9%減の963店(2023年11月967店、10月939店、9月934店、8月911店、7月952店、6月950店、5月981店、4月975店、3月964店、2月1017店、1月1065店、2022年12月1028店、11月981店、10月996店、9月1081店、8月922店、7月990店、6月1009店、5月959店、4月995店、3月1018店、2月1040店、1月1100店。

2021年12月1129店、11月1098店、10月1090店、9月923店、8月940店、7月944店、6月1002店、5月1012店、4月1084店、3月1075店、2月1137店、1月998店、2020年12月1057店、20年11月1162店、10月1159店、9月1126店、8月1229店、7月1135店、6月1141店、5月1182店、4月1114店、3月1177店、2月1071店、1月983店)。

喫茶の事業社数が25社(2023年11月25社、10月26社、9月24社、8月24社、7月25社、6月24社、5月24社、4月23社、3月24社、2月24社、1月23社、2022年12月22社、11月23社、10月24社、9月23社、8月25社、7月24社、6月24社、5月25社、4月22社、3月23社、2月22社、1月22社。

2021年12月21社、11月22社、10月20社、9月21社、8月21社、7月20社、6月19社、5月19社、4月18社、3月21社、2月18社、1月17社、2020年12月19社、11月17社、10月18社、9月20社、8月21社、7月18社、6月17社、5月16社、4月14社、3月15社、2月14社、1月13社)。

店舗数が前年同月比0.1%増の1908店(2023年11月1902店、10月1897店、9月1901店、8月1903店、7月1914店、6月1903店、5月1870店、4月1897店、3月1888店、2月1899店、1月1898店、2022年12月1893店、11月1913店、10月1900店、9月1887店、8月1901店、7月1900店、6月1856店、5月1901店、4月1897店、3月1905店、2月1908店、1月1963店。

2021年12月1918店、11月1924店、10月1783店、9月1831店、8月2100店、7月2894店、6月1809店、5月1815店、4月1775店、3月2009店、2月1815店、1月1962店、2020年12月1992店、11月1830店、10月2014店、9月2055店、8月2053店、7月2062店、6月2067店、5月1886店、4月2004店、3月2049店、2月1876店、1月2042店)。

外食産業(上場企業)の売上高上位4社の12月の売上高(既存店ベース)は1位のゼンショーホールディングス(すき家、国内店舗数1955店)が前年同月比10.3%増と2021年3月から34カ月続けてプラス、2位の日本マクドナルド(国内直営店とフランチャイズ店の店舗数2982店)が同8.5%増と2020年7月から42カ月続けてプラス、3位のすかいらーく(全グループ、国内外店舗数2976店)は同13.0%増と2022年4月から21カ月続けてプラス、4位のFOOD&LIFE COMPANIES(スシロー、国内店舗数638店)が同25.4%増と2023年7月から6カ月続けてプラスとなった。