丸善丸の内で内田正泰没後4年に「はり絵の世界」刊行記念展

【銀座新聞ニュース=2024年2月6日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・丸の内本店(千代田区丸の内1-6-4、丸の内オアゾ内、03-5288-8881)は2月7日から13日まで4階ギャラリーで内田正泰による「日本の情景・春夏秋冬『はり絵の世界』出版記念展」を開く。

丸善・丸の内本店で2月7日から13日まで開かれる内田正泰の「日本の情景・春夏秋冬『はり絵の世界』出版記念展」に出品される「お花畠 きらめき」。

2019年9月12日に97年の生涯を終えた絵画家の内田正泰(1922-2019)が2023年12月12日に8年ぶりに「日本の情景・春夏秋冬『はり絵の世界』発想から制作へ」(日貿出版社、税込3520円)が刊行されたのを記念して開く。

内田正泰は洋紙を用いた色鮮やかな「はり絵」で日本の原風景を描き、見る者を魅了してきた。「日本の情景・春夏秋冬『はり絵の世界』発想から制作へ」は、生涯現役を貫いた制作活動を振り返り、既刊未収録の作品や貴重なデッサン、油彩作品なども加えて、その発想の源泉に迫る作品集としている。

内田正泰は生前、自らのHP上で「自然は嘘をつくりません。すべてが真実です。人間は虚偽をつくります。だから私は自然を師とするのです。大宇宙の太陽系の地球という星の上に人間は微生物として生きています。このことを踏まえて、人生を終わりたいと考え、母なる自然の愛の姿をつくり続けます」と書いてきた。

ウイキペディアによると、「はり絵」はちぎった紙を台紙に貼って表現した作品で、ちぎり絵ともいう。主に和紙を使用し、手でちぎって台紙に貼って作成し、紙のちぎれた部分の質感などが独特な雰囲気を出している。はり絵の作家としては、ほかに山下清(1922-1971)や亀井健三(1918-2002)らがいる。

内田正泰は1922年神奈川県横須賀市生まれ、1943年に横浜高等工業学校(現横浜国立大学)建築科を卒業、1953年にワタナベ製菓(現カネボウ食品)PR課に勤務、1956年にアド・アートデザイン研究所を設立、1958年に日本印刷工業会長賞を受賞、カレンダーデザインで以後1981年まで8回受賞し、1960年に横浜市成人学校講師、1971年に貼り絵の個展を開催、1987年から月刊「かながわ」の表紙を担当した(9年間)。

1997年から実践倫理宏正会の表紙を2011年6月まで15年連載した。1999年から「PHP」の表紙を2001年12月まで手がけ、2002年に富山県朝日町立ふるさと美術館で個展を開いている。神奈川県鎌倉市に「内田正泰記念アートギャラリー」が開設されている。2018年に永谷園の「はま吸い」のバッケージ、2019年に永谷園の「鯛だし茶づけ」バッケージを手がけている。2019年9月12日に肺炎のため死去した。

開場時間は9時から21時(最終日は16時)まで。