蔦屋書店で電子ゴミや廃棄衣料をアートにする長坂真護展

【銀座新聞ニュース=2024年2月14日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)グループの銀座蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は2月17日から2月27日までイベントスペース「GINZA ATRIUM」で長坂真護さんによる個展「STILL A BLACK STAR“Think Tank Of Freedom&Justice”」を開く。

銀座蔦屋書店で2月17日から27日まで開かれる長坂真護さんの個展「STILL A BLACK STAR“Think Tank Of Freedom&Justice(スティル・ア・ブラック・スター「シンクタンク・オブ・フリーダム&ジャスティス」)」に出品される「真実の海」(2023年)

世界最大級の電子機器のゴミ(E-Waste)の墓場、ガーナのスラム街アグボグブロシー(Agbogbloshie)でE-Wasteを素材にして、アート作品を制作している美術家で社会活動家で、「Mago Creation(マゴ・クリエイション)」(2017年設立、中央区日本橋室町1-5-3、福島ビル)の代表取締役、iU情報経営イノベーション専門職大学(墨田区文花1-18-13)客員教授を務める長坂真護(まご)さんは、2018年からガーナの国旗に触発された「Still a Black Star(まだ黒い星)」を掲げた展示会を続けている。

画廊によると、「まだ黒い星」とは、人々が輝きのある暮らしを実現できていない国の状況を表現しており、長坂真護さんはこの黒い星を輝かせるまで活動を止めない、という強い意志が込められている。また、積極的に現地での雇用を創り出しながら経済・文化・環境(社会貢献)の3軸が好循環する新しい資本主義の仕組み「サステナブル・キャピタリズム」を実践している。

今回は「Think Tank Of Freedom&Justice(自由と正義の研究機関)」をテーマとし、先進国から大量に寄付された廃棄衣料を利用した新作をはじめ、”世界平和に向けみんなで黒い星を運んでいる”というテーマの「Transporter(トランスポーター)」シリーズの新作など30点以上の平面および立体作品を展示販売する。

銀座蔦屋書店で個展を開く長坂真護さん。

長坂真護さんは1984年福井県福井市生まれ、文化服装学院アパレルデザイン科を卒業、アパレルの企業の経営などを経て、2009年から路上の絵描きとなり世界を放浪、2016年6月にガーナのスラム街で「世界最大級の電子機器の墓場」といわれる「アグボグブロシー」を訪れ、その後、アグボグブロシーのゴミを使ったアートを作り、その利益をガーナに返還する行動を続けている。

また、その売り上げから生まれた資金で、現地にアートギャラリー、リサイクル工場を建設、オーガニック農業やEV(電気自動車)の事業を展開している。ガーナに「MAGO MOTORS LTD(マゴ・モータース)」を設立し、ガーナ人43人を雇用している。2018年にはガーナにスラム街初となる無料の学校「MAGO ART AND STUDY(マゴ・アート・アンド・スタディ)」を建設、2019年にアグボグブロシーでスラム街初となる文化施設の電子廃棄物美術館「MAGO E-Waste Museum(マゴ・E・ウエスト・ミュージアム)」を開館している。

開場時間は11時から20時(最終日は18時)。入場は無料。展示作品は会場で販売するほか、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」で、一部の作品を2月17日11時から27日18時まで販売する。ただし、26日はGINZA SIXの全館休業日のため蔦屋書店も休み。