蔦屋書店で松田将英「笑い泣き」展、絵文字を作品化

【銀座新聞ニュース=2024年2月20日】書店やレンタル店、フランチャイズ事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(渋谷区南平台町16-17、渋谷ガーデンタワー)グループの銀座蔦屋書店(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3575-7755)は2月20日から3月6日までアートスペース「FOAM CONTEMPORARY」で松田将英さんによる個展「Laughism」を開く。

銀座蔦屋書店で2月20日から3月6日まで開かれている松田将英さんの個展「Laughism(ラーフイズム)」に出品されている絵文字の「笑い泣き」をアートにし、さらにそれを使ったキーホルダー。

コンセプチュアル・アーティストの松田将英(しょうえい)さんは2010年からSNS上で匿名のアーティストとして活動をはじめ、テクノロジーの急速な進展により予測困難となった時代において、姿や名義を変えながら新しい美術のフォーマットを開拓してきたという。

近年の代表作として「The Laughing Man(ラーフイング・マン)」シリーズでは、1990年代に日本で発明された「絵文字」の中から、この10年間にもっとも使われた「笑い泣き」の絵文字をモチーフと制作している。この相反する感情を読み取ることができる絵文字には、発信者や受信者によって多様な解釈が生まれ、松田将英さんは複雑かつ汎用性が高いこの絵文字を、タイムレスな精神の象徴として位置付け、アート作品やプロジェクトに昇華している。

今回は、「The Laughing Man」シリーズを中心に、絵文字のバルーン作品「The Big Flat Now(ビッグ・フラット・ナウ)」や、アーティストのKai Yoshizawa(かい・よしざわ)さんとのコラボで、3DCGをもとに作成されたプリント作品「The Laughing Man」やキーホルダーなどを展示する。

絵文字のバルーン作品を制作するのに際しては、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)」(インターネット時代の新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使ってよい」という意思表示をするツール)に基づいて、第三者の方式を利用できる「Twemoji版」(表示 4.0 国際)を使用している。

松田将英さんは1986年神奈川県生まれ、2010年からSNSで活動を開始し、匿名のネットパーソナリティを介して人々と協働するイベントやインストラクション、パフォーマンスで注目され、2016年にドイツ・ベルリンに移住、アーティストや研究者、ジャーナリスト、政治活動家などを集めて行われるベルリンのインターネット新聞「ベルリナー・ガゼット(Berliner Gazette)」主催の国際会議に4年間にわたり参加している。

2019年に実名で活動をはじめ、2020年に帰国し、国内外のホワイトキューブも発表の場所に含まれるようにし、ネットワークが浸透して以降のエコノミーや景観などに対するコンセプチュアルで詩的な実践によって、人々の認識をアップデートする試みを行なっている。
2016年に「Prix Ars Electronica(プリ・アルス・エレクトロニカ)」で準グランプリ、「AT 2016 ISEA(イセヤ)香港」で優秀賞などを受賞している。

20日18時から20時まで松田将英さんが来場する。

開場時間は11時から19時(初日は20時、最終日は18時)。月曜日は休み。入場は無料。