M84で外国写真家のモノクロ展、ドアノー、ランス、ブル、イジスら

【銀座新聞ニュース=2024年4月1日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル、03-3248-8454)は4月1日から5月4日までロベール・ドアノーらによる「海外作家によるモノクロ写真展」を開いている。

Art Gallery M84(アートギャラリーエムハッシー)で4月1日から5月4日まで開かれる「海外作家によるモノクロ写真展」に出品されるロベール・ドアノーの「スケートをする子供達(Les Gosses a roulettes),1949」((C)Atelier Robert Doisneau/Contact)。

子ども達などを捉えたヒューマニズムの溢れる作品を撮影したフランスの写真家、ロベール・ドアノー(Robert Doisneau、1912-1994)や、気品と乾いたエロティシズムを感じる写真で知られ、広角・超広角で撮影したフランスのファッション写真家、ジャンルー・シーフ(Jeanloup Sieff、1933-2000)ら13人の海外で有名な写真家の作品を展示している。

子どもたち、恋人たち、女性のヌード、ポートレート、ファッションなど、「題材こそ違えど、極めて美的であり、これらの作品はモノクロの芸術写真とも言える」(Art Gallery M84=アートギャラリーエムハッシー)とし、もう市場に出回らないような珍しい写真や、もう目に触れる機会がないような貴重な作品約30点を展示している。

今回、出品しているのはアメリカの写真家で、ハリウッド女優の魅力的なショットでよく知られ、1934年にワーナーブラザーズでキャリアを開始し、1945年にハリウッドの全盛期にスチール部門の責任者になったバート・シックス(Bert Six、1902-1967)、「シャネル(CHANEL)」のムービーを手掛けたり、「ヴォーグ」や「フィガロ」などの雑誌で活躍している、フランスの女流写真家のベッティナ・ランス(Bettina Rheims、1952年生まれ)さん。

スウェーデン系アメリカ人の女優、グレタ・ガルボ(Greta Garbo、1905-1990)の専属写真家として、彼女を撮影する一方で、今や伝説となっているスターのポートレート作品も数多く手がけたアメリカの写真家、クラレンス・シンクレア・ブル(Clarence Sinclair Bull、1896-1979)、アメリカの写真家、ロバート・メイプルソープ(Robert Mapplethorpe、1946-1989)の弟で、1989年にロバートが亡くなり、その翌1990年に初個展を開き、一連の作品は抽象表現主義や実験的なものから肖像画まで多岐にわたり、今や世界的な知名度を得ているアメリカの写真家、エドワード・マクシー・メイプルソープ(Edward Maxey Mapplethorpe、1960年生まれ)さん。

パリオートクチュールなどを撮影し、ルポルタージュスタイルで戦後のヨーロッパの雰囲気を捉え、20世紀でもっとも知られたドイツのファッション写真家、F.C.グンドラッハ(Franz Christian Gundlach、1926-2021)、アメリカ・ニューヨークのボクサー、フランスの外国人部隊、スペインの闘牛士などの閉ざされた男性共同社会を女性の視点から捉えているイタリアの女性写真家、ジョルジャ・フィオリオ(Giorgia Fiorio、1967年生まれ)さん。

フランスの写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson、1908-2004)らと並び称され世界的に評価が高く、パリを詩情あふれるリアリズムでとらえ続けた作品で知られたリトアニア出身のフランスの写真家、イジス(Izis、1911-1980)、独特な構図から生まれる立体感、気品と乾いたエロティシズムを感じる芸術写真で知られ、ポートレート、ヌード、風景を広角・超広角で撮影したフランスのファッション写真家、ジャンルー・シーフ(Jeanloup Sieff、1933-2000)。

映画スターや有名人のポートレート写真を撮影したことで知られるアメリカを拠点にしたユダヤ系ドイツ人の写真家、L.ウィリンジャー(Laszlo Josef Willinger、1909-1989)、ソラリゼーション(現像時に、露光をある程度、過多にすることにより、モノクロの写真作品の白と黒が反転する現象)などの技法を駆使した女性のヌード写真で有名知られ、ダダイストあるいはシュルレアリストとして、多数のオブジェを制作したことでも知られるアメリカの写真家、画家、彫刻家、映画監督だったマン・レイ(Man Ray、1890-1976)。

これまでにロベール・ドアノーらフランスを中心としたヨーロッパの著名写真家の作品を紙焼きして、プリントアーティストとしての地位も築きあげた、ヒューマニストの潮流にあるモノクロの写真家、フィリップ・サルーン(Philippe Salaun、1943-2020)、庶民の人々の何気ない生活を撮影し、人間愛に満ち、さらに人間に敬意すら込めて被写体に接し、人間の生活にユーモアやほろ苦さを込め、魅力的に表現したフランスの写真家のロベール・ドアノー。

1930年代から1940年代の黄金時代に多くのジャズミュージシャンを撮影し、ジャズ史上に貴重な作品を生み出した写真家で、単なる作品の域を超えて、ジャズ史上、不滅の財産であり、その価値は計り知れないとされる、アメリカの写真家、ウィリアム・P・ゴットリーブ(William P.Gottlieb、1917-2006)。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日17時まで)、日曜日が定休日。入場料は800円。