大丸松坂屋画廊で服部しほり、上根拓馬、高資婷ら「祈り」展

【銀座新聞ニュース=2024年4月18日】国内百貨店業界2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は4月18日から24日まで服部しほりさんら4人による「inori 祈りのカタチ」展を開く。

大丸松坂屋百貨店の「Artglorieux GALLERY OF TOKYO(アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー)」で4月18日から24日まで開かれる「inori 祈りのカタチ」展のフライヤー。

日本画家の服部しほりさん、現代美術・立体造形作家の上根(かみね)拓馬さん、台湾出身の画家、高資婷(こう・つてい)さん、仏像を制作する九千房(くせんぼう)政光さんの4人が普遍的な「祈り」をテーマに、現代の視点でそれぞれの作家が込めた思い、多様な祈りのカタチを展示する。

ウイキペディアによると、「祈り」とは、宗教によって意味が異なるが、世界の安寧や、他者への想いを願い込めることで、利他の精神、自分の中の神と繋がること、神など神格化されたものに対して、何かの実現を願うことをいう。祈祷(きとう)、祈願(きがん)ともいい、儀式を通して行う場合は「礼拝」ともいう。

祈りは、もっとも基本的な宗教行為や民間信仰の一つで、神聖視する対象に何らかの実現を請う行動で、その内容は、対象との意思疎通を図ろうとするものや、病気の回復、または他人の身に良いことが起こるようになど、祈る人の状況や習慣などで多岐にわたる。神に対して自分の考えや思いを表現することは「告白」や「お礼参り」という。

外形的には、祈祷者(祈祷師)の独白ないし語りかけ(呪文や聖典や教本の一節などの定型句など)、または黙祷というかたちをとる。また、瞑目、平伏、合掌あるいは行進(歩行)などの身体動作、姿勢や舞・踊りなどが伴う場合もある。

祈りは、個人また集団で行われ、付帯的に供物などの奉(ささ)げるものを添える場合もある。その様式や理念は宗教によって、さまざまに定義されているものの、曖昧な部分もあり、包括的に表現することは難しい。

「教義や教則、またそれらを含めた聖典や教本をもつ宗教」に限らず、それ以前に、世界中の古代文明において発生したシャーマニズム(祈祷・占い・呪術・薬草による医療行為・神との交信)や祖霊信仰や自然崇拝・精霊崇拝アニミズムの日(太陽)や流れ星に至るまで、対象が漠然としたものに対する感謝などの、意思の表明や表現や現象に対しての活動でも同語が用いられる。

一神教における神は世界に遍在し、場所の制約を受けないため、一神教の信徒は祈りを捧げるために宗教施設や宗教用具を必要としない。その点、日本人などの場合は目の前に神棚や仏壇、神社仏閣などの対象がないと祈りを捧げることが難しいとされる。

仏教では、仏の力で病気や災難から助けてもらえるように僧侶が加持を行なう宗派がある。また、個人的に「願」(がん)を掛ける(願掛け)ということをおこなう。

神道、とくに古神道において神は曖昧であり、神にも日本神話の「尊(みこと)」とされる人格神をはじめとし民間信仰の神や「忘れ去られて詳細の解らない神」としての、客神や寄り神など枚挙に暇なく存在し、神・尊だけでなく命・魂(たましい)・霊・精霊・御霊(みたま)とその表現も意味合いもさまざまである。そのため、神事はそれ自体が祈願であり、その方法論や祈りをもたらすことに係わる人の役割は多岐にわたる。

服部しほりさんは1988年京都府京都市生まれ、2011年に京都市立芸術大学美術学部日本画専攻を卒業、京都市立芸術大学卒業作品展で「同窓会賞」、2011年に第10回三菱商事アート・ゲート・プログラムで入選(2012年に奨学生、2011年の第13回、14回、17回、18回、19回、20回にも入選)、同年に京展で館長奨励賞、同年に「碧い石見の芸術祭2011ー全国日本画学生選抜展」で浜田市議会議長賞、「第5回豊橋トリエンナーレ星野眞吾賞展ー明日の日本画を求めて」で入選、2013年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻日本画を修了している。

2013年に「アートアワードトーキョー丸の内2013」で入選、2020年に京都市芸術新人賞、2021年に京都府文化賞奨励賞を受賞している。

上根拓馬さんは1978年大阪府生まれ、2002年に東京造形大学美術学科絵画専攻を卒業、2009年に東京造形大学絵画専攻非常勤講師。2004年に「開けゴマ! vol.2 美術誕生」で準大賞、2006年に「ムーブアートマネージメント・ポートフォリオコンペティション」で審査員賞(2008年も)。

高資婷さんは1992年台湾・台北市生まれ、2014年に中国文化大学藝術学院広告学系を卒業、2019年に京都造形芸術大学大学院芸術表現専攻ペインティング領域を修了、2018年に京都造形芸術大学院「SPURT展」で浅田彰賞、2019年に京都造形芸術大学大学院修了展で大学院賞、2022年に京都芸術大学芸術専攻日本画分野博士課程を修了している。

在学中の2020年に「Kyoto Art for Tomorrow-京都府新鋭選抜展」で毎日新聞社賞(2022年にゲーテインスティテュート・ヴィラ鴨川国際交流賞)、同年に月刊美術「美術新人賞デビュー2021」で入選、2021年に「第8回豊橋トリエンナーレ星野眞吾賞展」で入選、現在、京都芸術大学芸術日本画コース非常勤講師。

九千房政光さんは1974年北海道生まれ、北海道教育大学大学院教育学研究科を修了、現在、公立中学の美術教諭。2018年から仏像の制作をはじめ、2019年に「はこだて・冬・アート展」で大賞(2021年に函館市文化団体協議会会長賞)などを受賞している。

開場時間は10時30分から20時30分(最終日は18時)まで。入場は無料。上根拓馬さん、高資婷さん、服部しほりさんの作品については、初日18日12時までに来店したお客が優先的に購入できる。12時を過ぎて残っている作品については、事前にメールや電話などで予約したお客に販売する。九千房政光さんの作品については、アールグロリューのホームページ(https://artglorieux.jp/)と店頭よりQRコードウエブ(WEB)にて18日10時30分から21日20時30分まで抽選販売の受付をする。