ユハクで田中芙弥佳展、革の端材に豹等表現、松竹梅の要素も

【銀座新聞ニュース=2024年4月12日】手染めのレザーブランド「yuhaku」を展開するユハク(神奈川県横浜市西区平沼1-38-7、045-624-9328)が運営するyuhaku Ginza Gallery(中央区銀座3-10-7、銀座京屋ビル、070-1432-8345)は4月23日まで田中芙弥佳さんによる個展「fe-line」を開いている。

yuhaku Ginza Gallery(ユハク・銀座・ギャラリー)で4月23日まで開かれている田中芙弥佳さんの個展「fe-line(フェ・ライン)」のフライヤー。

画家で、水墨画の技法をベースに描く田中芙弥佳(ふみか)さんがyuhakuのサステナブルレザーを活用したアート作品や描き下ろしコラボアイテムを展示販売している。

田中芙弥佳さんは今回は、「現代に生きるヒトが、違うモノ、時間、価値観とつながる様子を描き、自由を表現」したという。「セルフポートレートとして、しまうまや猫や苔など、幼い頃になりたいと思ったり、己と重ねてきた生き物たちをビジュアル」にしている。

また、メインアートでは「猫化の大型種である豹に多義的な意味を持たせ、植物との対比、生物としての一体感。そして、豹そのものから放たれる自由と華やかさを表現」した。

使用している端材は製品用の革を裁断したあとが大小さまざまなフレームになっており、「時系列・文化・社会といった異なる階層を表すものとして最適」で、画材には竹を使用し、松と梅を描くことで展示に松竹梅の要素を取り入れている。

田中芙弥佳さんは1980年愛知県名古屋市生まれ、2002年に愛知淑徳大学文学部国文学科を卒業、2009年に第33回日本水墨画秀作展で「水墨画年鑑社賞」(2010年に特選、2011年に巴人賞、2012年に特選、秀作賞、2013年に伊勢新聞社賞)、2011年に「Dアートビエンナーレ」で入選している。

2008年にイタリア・フィレンツェで個展を開き、2009年に名古屋市で個展、2011年にアメリカ・ニューヨークで個展、2012年に京都・法然院で個展、2015年からフリーとして独立し、2023年にUAE(アラブ首長国連邦)・アブダビで個展など国内外で個展を開いている。

株式会社ユハクは1976年福井県生まれ、関東学院大学を中退、在学時に建築を専攻した仲垣友博さんが2009年にはじめた革製品を製作するブランド「yuhaku(ユハク)」を組織化したのがはじまりで、独学で学んだ革製品の染色技術を生かして、手染めで革小物やバッグ、ベルトなどの革製品を製作している。革の端材や検品基準に満たなかった製品のアップサイクルにも取り組んでいる。

2010年に伊勢丹新宿店が取り扱い、以降、2017年に横浜に本店を開設、2020年に銀座店、2022年に名古屋店を開いている。

開場時間は11時から19時(14時から15時は休憩)、入場は無料。