パイロットで土井宏之が初個展、丸で描く世界、ワークショップも

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【銀座新聞ニュース=2013年10月7日】パイロットコーポレーション(中央区京橋2-6-21)は10月7日から12月20日まで2階の「ペン・ステーション・ミュージアム」で土井宏之さんによる個展「ペン&アート」を開催する。

「魂」(2010年、188センチX294センチ)は3枚の和紙をつなげている。

「魂」(2010年、188センチX294センチ)は3枚の和紙をつなげている。

パイロットの創業95周年記念イベントで、画家の土井宏之(どい・ひろゆき)さんがパイロットのドローイングペン(油性、黒、0.5ミリ)を使って和紙に描いた作品25点を展示する。

土井宏之さんはドローイングペンで丸をひとつひとつ描きながら、宇宙のような広がりを見せて、ひとつの作品として完成する方式をとっている。たたみ3畳分の「魂」(2010年、188センチX294センチ)は「狭いアトリエで1日7、8時間向かい、2カ月間かけて完成した」(土井宏之さん)作品で、3枚の和紙をつなげている。こうした作品を日本で公開するのは、これが初めてだ。

インタビューに答える土井宏之さん。今、取り組みたいのは、たたみ3畳分のサイズを1枚の和紙で描くことで、「日本では狭くて無理なので、ニューヨークで描こうと思っている。それができれば本望だよ」と笑顔で語った。

インタビューに答える土井宏之さん。今、取り組みたいのは、たたみ3畳分のサイズを1枚の和紙で描くことで、「日本では狭くて無理なので、ニューヨークで描こうと思っている。それができれば本望だよ」と笑顔で語った。

2011年3月11日の東日本大震災後には「地球への希望」に取り組み、大震災の影響で当初のイメージを変えながら、9月に完成した。

土井宏之さんは絵を本格的に学んだ経験がなく、1960年代に弟が脳腫瘍により20歳で急死し、「その解剖を見ながら、ものすごい衝撃を受けて絵を描きたいと思った」という。それ以降、独学で勉強し、2002年にアメリカ・ニューヨークのフィリス・カインド・ギャラリーで初個展を開き、それをきっかけにニューヨーク・タイムズの記者、ロベルタ・スミス(Roberta Smith)さんに取り上げられ、注目された。それ以降、欧米で個展を開き、2013年に初めて日本で個展を開いている。東京。浅草にアトリエを置き、制作している。

土井宏之さんは1946年愛知県名古屋市生まれ、料理人を経て、独学で絵画を学び、1980年代からドローイングペンで描き、2001年にアメリカで紹介され、2002年にフィリス・カインド・ギャラリーで初個展、以降、欧米を中心に個展を開いている。

11月4日11時と14時から土井宏之さんによるワークショップを開く。諸学生を対象にしたワークショップで、定員は各回と8人。希望者は子どもの氏名、学年、住所、電話番号、参加希望時間を明記してメール(info@yoshikootsukafineart.com)を送ると先着順で受け付ける。

開場時間は9時30分(土曜日は11時)から17時。日曜日、祝日は休み。