ギャルリー志門で35周年記念で渡辺豊重展、画業67年に

【銀座新聞ニュース=2022年6月13日】ギャルリー志門(中央区銀座6-13-7、新保ビル、03-3541-2511)は6月13日から25日まで「ギャルリー志門35周年記念特別企画」第1弾として、渡辺豊重さんによる個展を開いている。

ギャルリー志門で6月13日から25日まで開かれる「ギャルリー志門35周年記念特別企画」第1弾の渡辺豊重さんの個展に出品されている3メートルの大作。

ギャルリー志門は1987年1月に代表取締役の谷田部美子(旧姓深井)さんが銀座・並木通りに創業し、同年12月に法人化した。次世代を担う日本とアジアの若手、中堅の美術家の展覧会などを中心に紹介し、2005年3月に現在の場所に移転し、展示スペースを2倍にした。谷田部美子さんは「美術作品には、オリジナリティ、優れたテクニック、コンセプト、メッセージ性、高い精神性、洗練された表現」などが必要と考え、「いつの時代も芸術は人間が作るものであり、人間の精神のあり方を表現する」としている。

また、画廊の中にカウンターを設置して、「ギャラリーバー(BAR)」としてアルコール類を飲めるようにしてある。

その35周年を記念して、第1弾として画業67年に及ぶ渡辺豊重さんの個展を開く。第2弾は9月12日から24日の海老塚耕一さんの新作展、第3弾が11月21日から12月3日の安藤栄作さんの新作展を予定している。

絵画、版画、彫刻と幅広く制作している渡辺豊重さんは1950年代から画業に取り組み、1975年頃から10年ほど続いた「ピクニック」シリーズをはじめ、その後、「スウィング」シリーズ、「モクモク」シリーズ、「ギザギザ」シリーズへと展開し、2009年からは黒と金、黒と銀という色彩を対比させた「鬼1」、「鬼2」、「鬼3」といった鬼シリーズや「動刻」シリーズに取り組んでいる。

「ギャルリー志門35周年記念特別企画」第1弾の渡辺豊重さんの個展のフライヤー。

渡辺豊重さんは1931年東京都生まれ、1961年に第2回A.C.C展に出品、1964年に第3回国際青年美術家展に出品、1968年に「芸術生活」第1回公募コンクールで第1席入選、1970年に第5回神奈川県美術館で神奈川県立近代美術館賞、1973年にイタリア・プレミオ・ビエラ国際版画ビエンナーレに出品した。

1974年に英国のブラッドフォード国際版画ビエンナーレに参加、1977年に弟8回国際青年美術家展で大賞、1977年にフランス・パリへ留学、1981年に弟9回現代日本彫刻展で宇部市野外彫刻美術館賞、1982年に個展を開き、1984年に弟9回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で東京国立近代美術館賞を受賞している。

1985年に第13回長野市野外彫刻賞(1997年に第24回に出品)、1986年に弟10回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で兵庫県立近代美術館賞、1989年に弟12回安田火災東郷青児(とうごう・せいじ)美術館大賞、長野市ホワイトリングにモニュメントを設置、横浜国際総合競技場の天井画を制作、2000年に川崎市文化賞などを受賞している。

開場時間は11時から19時(最終日は17時)、日曜は休み、入場は無料。