「宣言」23日、混雑する高島屋食品売場、スーパー閑散、PRの床屋

(写真説明は本文の後にあります)
【銀座新聞ニュース=2020年4月30日】「緊急事態宣言」が出されて23日目となる4月30日は、朝から晴れ、夕方も温かく初夏の気候となった。そこで、日本橋の高島屋周辺を歩いてみた。

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中央通り沿いは閉鎖しているビルが多く、飲食店があっても、ほとんどは休業か、時間短縮の店ばかりだ。車の数も少なく、かつての賑やかさはなくなっている。日本橋高島屋はこの「宣言」下で、一部が営業している数少ない百貨店で、地下1階の食料品売り場を歩いた。

本館の脇の入り口から入り、階段とエスカレーターがあり、階段で降りてみると、驚いたことに、すごい人出で、経産省が「宣言」直後に大手4社のトップを呼んで、デパ地下の営業を要求したこともわかるが、これだけ多いと、「3密」という言葉はどこかに消えて、多くの客がさまざまの食品を求めて歩いているのが自然と思えてしまう。

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総合レジと、売り場ごとのレジがあり、総合レジは一応、待っている間、前との距離は保たれているが、売り場の精算では、接触が密になるのは仕方ないところか。それにしても、一般客と並んで、目つきの鋭い警備人とおぼしき人が多く歩いており、スリなどに目を光らせているのだろうが、あまりに目立っているので、これではスリも近づけないだろうと思わせられた。

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食品売り場を歩いていると、途中ですべての店が営業しているわけでなく、休業している店もあることに気づいた。つまり、高島屋側は営業継続を各店に伝えたが、実際に営業するかどうかは店側の判断に委ねたわけだ。それにしても、人が多く、夕方に足を運んだせいか、商品がかなり売られていることがわかった。

こんどは新館地下に移ると、高級スーパーの「成城石井」があるのだが、こちらは客が少なく、混雑する本館地下1階の食品売り場とのあまりの落差に、どうしてなのだろうかと気になった。

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後で、外に出て、ほかを見てから昭和通りを歩いて、銀座方面に戻っているところで、日本橋1丁目の交差点角に、なんと「成城石井日本橋1丁目店」があった。日本橋に2店(実は日本橋浜町店もあり、3店になる)もあるのは、高級スーパーとはいえ、品揃えが限られているので、同じ地域の客を奪い合うという、自ら競合しているわけで、なんともこの出店戦略に頭をかしげてしまった。

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高島屋を出て、裏道を野村証券グループが拠点を構えている方向に行くと、「たいめいけん」があり、時間短縮して営業を続けていた。その近くのラーメン店も営業していたが、同じように時間短縮していた。

すでに夕方になると営業も終了しているので、昭和通りに出て、銀座方面に向かったのだが、その途中で、建設中のビルの工事が中断していた。この辺りには複数の建設中のビルがあるのだが、いずれも中断しているのか、時間短縮で工事をしているのか、とにかく、17時過ぎには、工事が止まっていた。

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それを横目に見ながら歩いていると「成城石井」が目に入り、朝早くから夜遅くまで営業していることもわかった。高島屋店が18時には営業が終わるので、その後は「成城石井」で買いたいものがある人は、1丁目店に行くことになるのだろうが、「宣言」により、夜の歩行者はほとんどいないので、客足があるのだろうかと思ってしまう。

昭和通りのさらに裏道に入ると、面白い店があるが、もともと人出が少ない場所で、夕方でも車も人もいないところで、営業していても客がいるのだろうかと気になってしまう。

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そのまま、昭和通りに出て、銀座に向かって歩くと、銀座1丁目あたりで交通整理する警官の笛の音が聞こえた。確かに昭和通りには車が多いのだが、それでも警官が交通整理するほどの台数なのだろうかと逆に気になった。とにかく、「宣言」後は、パトカーを見かけることはあっても、自転車に乗ったり、歩いていたりする警官を見かけることはほとんどないし、まして、交通整理する姿をみかけるのはなかったことなので、驚いてしまった。

数寄屋橋交番でも、4丁目交差点の交番でも、警官はヒマそうにしているし、4丁目の交番ついては、昼間でも警官がいないのを何回もみかけたほどだ(こういう時は入り口に「御用の方は数寄屋橋交差点前の交番までお願いします」と書いたお知らせが貼られている)。なので、交通整理する姿を見て、「どうして?」という疑問が頭に浮かんだが、警官が一般人の疑問に素直に答えるはずがないと思い、そのまま、交差点をわたって、中央通り方面に向かった。

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裏道を歩けば、花屋や理容室など、普通に営業している店を見かけた。飲食店が営業時間の自粛要請が出ているので、ほとんどの店が休業か時間短縮を強いられているが、理容室は東京都の営業自粛要請の対象に上がりながら、国の反対で見送られた。しかし、理容室を利用する人はこの時期はほとんどいないので、経営も大変だろうなと思ってしまう(「宣言」は緊急事態宣言が出された後の銀座と周辺の風景を随時、掲載します。また宣言は4月7日深夜に発令されましたが、実際に影響を及ぼしたのは8日朝からなので、8日を「初日」としています)。

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日本橋高島屋地下1階の食品売り場。売り場の中は人が多く、活気が感じられる。

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日本橋高島屋地下1階の食品売り場への入り口。

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日本橋高島屋の地下2階のレストラン。18時に閉店するのは、夕方となると、どこも客は少ない。

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日本橋高島屋新館地下1階には「成城石井」があるが、客足はそれほど多くない。やはり、すぐ近くにある「成城石井日本橋1丁目」店の影響なのだろうか。高島屋店は18時までだが、日本橋1丁目店はそれよりも遅くまで営業している。

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昼に限定している人気店「たいめいけん」。

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「たいめいけん」の前にあるラーメン店と居酒屋。いずれも昼中心の営業になっている。

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日本橋の1階がコーヒー店、2階が理容室。

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理容室は苦労しているのか、さまざまなサービスを具体的に客にわかるように工夫している。

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銀座1丁目の昭和通りは車が混んでいるせいか、警官が交通整理をしていた。撮影した時に、赤い軽ワゴンが入ってきてしまい、警官の姿が隠れてしまった。

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銀座1丁目の居酒屋、花屋、理容室と並んでいる通りで、花屋と理容室は普通に営業している。居酒屋は入り口にお知らせが何も貼られていないので、時間の短縮をしているのかわからない。

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銀座1丁目の昭和通り沿いにあるストレッチ専門店と、インド・ネパールの店。いずれも休業している。