Hメトロポリタン丸の内が目光などの福島フェア、会津焼き物展も

【銀座新聞ニュース=2011年2月25日】JR東日本グループの日本ホテル(豊島区西池袋1-1-1)が運営する「ホテルメトロポリタン丸の内」(千代田区丸の内1-7-12、03-3211-2233)は3月1日から31日まで27階のフランス料理店「テンクウ(TENQOO)」(03-3211-0141)で「福島フェア」を開催する。

メヒカリ(目光)や大型のニジマス「メイプルサーモン」、相馬松川浦の「相馬あさり」、会津地鶏などの福島県の食材を駆使して、料理長の岩崎均(いわさき・ひとし)さんがコース料理に仕立て、入り口横には福島県の工芸品を展示販売する。

今回はメヒカリをアミューズブーシュ(付き出し)としてレース揚げにし、メイプルサーモンをズワイカニとともにカブのフラン(洋風茶碗蒸し)に仕立てる。また、パイ包みにした馬肉に「えごまミソ」で風味づけをし、相馬漁港で獲れた「きんき」をポワレ(鍋で高温で焼くこと)にして、相馬あさりや菜の花とブイヨン仕立てにする。会津地鶏はもも肉を炭火焼にしてライムソースを添え、「桑の葉」をロールケーキにしてデザートで提供するという内容だ。

また、入り口に展示するのは福島県会津美里町(旧会津本郷町)周辺の陶器「会津本郷焼」や会津漆器、奥会津編み組細工などだ。

ウイキペディアによると、会津本郷焼は領主の蒲生氏郷(がもう・うじさと、1556-1595)が1593年に薩摩国から瓦工を呼んで若松城(鶴ヶ城)の屋根瓦を焼かせたのはじまりとされ、17世紀中頃に藩主の保科正之(ほしな・まさゆき、1611-1673)の求めに応じて、瀬戸から陶工の水野源左衛門(みずの・げんざえもん、1604-1647)が呼ばれて、焼き物の基礎を築いた。

1800年には有田や京都で学んだ佐藤伊兵衛(さとう・いへえ、1762-1842)が磁器の製法を伝え、現在の会津本郷焼の原型が完成したとされている。現在は大堀相馬焼(福島県双葉郡浪江町)についで窯元17と東北2位の規模で、1993年に通商産業省(現経済産業省)により伝統的工芸品産地として指定された。

ホテルメトロポリタン丸の内によると、会津本郷焼の磁器は呉須(ごす、酸化コバルトを主成分にした染め付けに用いる彩料)による染付や和洋絵の具による彩画などがあり、陶器は伝統的なあめゆう(木灰、わら灰、長石、あか粉などを調合したもので、あめ色に発色する)や自然灰ゆう(自然の灰をかけて焼くこと)を使用し、素朴で親しみやすい味わいがあるという。

「会津漆器」も蒲生氏郷が産業として漆工芸を奨励し、近江国日野(滋賀県)から木地師や塗師を呼び寄せて基礎を作り、朴、栃、ケヤキなどを木地として日用品漆器を生産し、消粉(けしふん)や色粉(いろこ)などのまき絵と沈金(ちんきん)に特徴があり、縁起の良い意匠や多彩な加飾法があり、渋みのある「鉄サビ塗」、もみ殻をまいて模様を出す「金虫食塗」、木目の美しい「木地呂塗」、美しい塗肌の「花塗」などの技法がある。

「奥会津編み組細工」は福島県大沼郡三島町で2500年前の縄文時代の遺跡から縄や編組など約1万点のカゴ類が発見されており、以来、農作業や山仕事、日常の生活に用いるカコやザルとして作られてきた編組品が、雪深い土地での冬の間の仕事が工芸品として発展し、2003年に「奥会津編み組細工」として経済産業大臣から伝統的工芸品として指定された。

奥会津編み組細工にはヒロロ細工、山ブドウ細工、マタタビ細工の3種類があり、ヒロロ細工はヒロロ(和名ミヤマカンスゲ)を主な材料とし、手提げかごなどの製品が作られている。網目が細かく、レース編みのような仕上がりが特徴となっている。

山ブドウ細工は山中での厳しい作業に耐えるじょうぶなカゴとして作られてもので、強じんな山ブドウツルの皮を材料とし、手提げカゴなどの製品が作られ、使い込むほどにツヤが出る。

マタタビ細工はマタタビツルを材料とし、米とぎザルや四つ目ザルなど主に台所用具として用いられてきた。水切れが良く、水分を含むとしなやかになり、手触りがよいのが特徴とされている。

ディナーの営業時間は17時から22時で、福島ディナーコースの料金は1万円と1万3000円(いずれも税、サービス料込み)。