無印銀座店で栗の木展、E・マーリと永井敬二

【銀座新聞ニュース=2019年4月5日】「無印良品」を展開する小売業界34位の良品計画(豊島区東池袋4-26-3、03-3989-4403)は4月4日から「無印良品銀座店」(中央区銀座3-3-5、03-3538-1311)の6階「ATELIER MUJI GINZA」で「言葉からはじまるデザイン 栗の木プロジェクト展」と「変える。エンツォ・マーリと“栗の木プロジェクト”展永井敬二コレクションより」を開いている。

「アトリエ・ムジ・銀座(ATELIER MUJI GINZA)」で開かれている「言葉からはじまるデザイン 栗の木プロジェクト展」の会場風景。

「アトリエ・ムジ・銀座(ATELIER MUJI GINZA)」は、 デザインをテーマに無印良品が考える未来を見据えたメッセージを発信する複合的なデザイン文化の発信基地としている。

6月23日までの「言葉からはじまるデザイン 栗の木プロジェクト展」は、デザインの可能性を拡張する「栗の木プロジェクト」のはじまりを言葉とともに始め、栗の苗を植え、その成長を慈しみながら育てると、やがて木は木陰を作り、実りをもたらし子孫を残し、道具や家具や家となり、その時々で人の暮らしを支えていく。そんな活動を、デザインを通してその人なりのやり方で実践してみよう、というプロジェクトとしている。

また、7月21日までの「『変える。エンツォ・マーリと“栗の木プロジェクト”展-永井敬二コレクションより」は1本目の栗の木を植える試みとして、イタリアの工業デザイナー、エンツォ・マーリ(Enzo Mari)さんの仕事の根っこを紹介する。また、インテリアデザイナーの永井敬二(ながい・けいじ)さんが50年にわたり自らの目と手と足で世界中から集めた戦後モダンデザインを主体とするコレクションの一部も展示している。

もともとはエンツォ・マーリさんが「デザインは高度成長を経て、目先の商品を売るための手段に成り下がった。私はデザイナーであることを恥じている。これから提案するのは、目先の経済ではなく、栗の木を植え、その木が成長し、やがては人々がその実を味わい、木陰で憩えるような、長い目で未来へと持続するプロジェクトだ」と良品計画の関係者に語ったという。このエンツォ・マーリさんに賛同する形で、今回の「栗の木プロジェクト」が始まっている。

エンツォ・マーリさんは1932年イタリア・ミラノ生まれ、ブレラ・アカデミーを卒業、「ダネーゼ(DANESE)」に入社し、プロダクトデザインを手がけ、1967年、1979年、1987年、2001年に「コンパッソ・ドーロ賞」(金のコンパス賞)を受賞し、家具メーカーと組んで1600点を超える作品を発表し、うち29点がニューヨーク近代美術館の永久所蔵品に選ばれている。2005年に日本の飛騨産業と開発した「ヒダ(HIDA)」を発表している。

永井敬二さんは1948年佐賀県唐津市生まれ、1982年に自らのスタジオ「ケイアンドデザインアソシエイツ」を設立、内外の文化交流に貢献し、1998年にデンマークより「ファーニチュア・プライズ(Furniture Prize)」を受賞した。50年以上にわたってイスなどを収集しており、4つの倉庫に収納されている。

トークイベントは無印良品アドバイザリーボードなどが開くもので、定員は55人、参加費は1000円(ワンドリンク付き)。HP(https://atelier.muji.com/jp/)から申し込む。

4月11日19時からテキスタイルデザイナー須藤玲子(すどう・れいこ)さんが「日本の布エトセトラ」と題して語る。

12日19時からデザイナーの原研哉(はら・けんや)さんが「デザインは水のようなもの」と題して語る。

13日10時30分から良品計画代表取締役会長の金井政明(かない・まさあき)さんが「「栗の木プロジェクトについて少しお話しします。」と題して、栗の木プロジェクトについて解説する。

18日19時からクリエイティブディレクターの小池一子(こいけ・かずこ)さんが「デザイン、言葉、無印とムジ(MUJI)」と題して語る。

19日19時からプロダクトデザイナーの深沢直人(ふかさわ・なおと)さんが「デザインは誠実さ」と題して、デザイナーとして心がけていることについて語る。

時間は10時から21時。

注:「深沢直人」の「沢」は正しくは旧漢字です。名詞は原則として常用漢字を使っています。