Sony Parkで過去記録と競争、軌跡に色塗る「運動会」

【銀座新聞ニュース=2018年12月22日】国内家電業界第2位のソニーグループのソニー企業(中央区銀座4-2-11、ヒューリック銀座数寄屋橋ビル、03-5159-2211)は12月22日から2019年1月27日まで「Ginza Sony Park」(中央区銀座5-3-1)地下2階などで「#004 未来の銀座の運動会」を開く。

2019年1月27日まで「銀座ソニーパーク(Ginza Sony Park)」で開かれている「#004 未来の銀座の運動会」のフライヤー。

「第4弾(#004)未来の銀座の運動会」は山口県のアートセンター「山口情報芸術センター」(通称・ワイカム(YCAM)、山口県山口市中園町7-7、083-901-2222)とコラボしたイベントで、スクリーンに映し出される過去の記録と徒競走ができる「スポーツタイムマシン」や、人の動きをリアルタイムにセンシングして軌跡を映し出す「モーキャプグラウンド」など、新しいスポーツを楽しみながら得点を競うことができる。会場には、参加者の出身エリア別に、約1カ月にわたる期間中の累計得点も見られる掲示板を設置する。

過去のいろいろな記録と競争できる「スポーツタイムマシン」。

会場では、北海道・東北エリア、関東エリア、中部・近畿エリア、中国・四国・九州・沖縄エリアの4つのエリアに分け、参加者の出身地域別の対抗戦で、メディア・テクノロジーを活用した新しい運動会を実施する。

「スポーツタイムマシン」は過去に走った記録を影としてスクリーンに映し出し、一緒に徒競走できるスポーツで、自分の記録だけではなく、家族や友達、チーターやカンガルーなどの動物の記録など、対戦相手を選んで挑戦することができる。しかも、ここで走った記録は3Dデータとして保存される。

「モーキャプグラウンド」は自分が「絵筆」になったように、自身の移動の軌跡に色が塗られていく。自身の動きにより塗り広げる面積を上手にコントロールして、いくつかの種目に挑戦する。会期中に実施するワークショップ「スポーツハッカソン」で生まれたアイデアを、新しい種目として追加する予定としている。

ワークショップ「スポーツハッカソン」は1月13日に開く予定で、小学4年生以上で15人程度(先着順)が参加できる。参加費は無料。

また、ワイカムスポーツ・リサーチを紹介する展示もある。ワイカムが開発したスポーツ器具の展示や、学校教育との連携で生まれたプログラムなど、多様な活動とその背景について紹介するパネルを展示する。2015年にワイカムとソニーコンピューターサイエンス研究所(Sony CSL)の研究員の笠原俊一(かさはら・しゅんいち)さんが共同開発した視点交換鬼ごっこ「パラレル・アイズ(Parallel Eyes)」のデモも体験できる。

「パラレルアイズ」は参加者が装着するヘッドマウントディスプレイには自分視点のカメラ映像に加えて、他の参加者の視点カメラの映像も表示されるため、普段の絵描きや鬼ごっことは異なる複雑な状況が生まれる。自分と自分以外の視点から状況を把握する方法や、複数の映像から「自分」を理解する感覚など、「自分」と「自分以外」の新しい関係性がもたらす、ネットワークで接続された体験と、知覚拡張の可能性について、感覚的に学ぶ。

山口情報芸術センター(Yamaguchi Center for Arts and Media)は、2003年11月に建設された、図書館、ホール、美術館などがある複合施設で、おもにコンピューターや映像を使った芸術であるメディアアートに関する企画展を行うほか、その制作施設、上演ホールなどもある。公益財団法人「山口市文化振興財団」が運営している。音響家が選ぶ優良ホール100選に中四国地方で唯一、選ばれ、一般社団法人「公共建築協会」による2008年に第11回公共建築賞(文化施設部門)を受賞している。

設計者は建築家の磯崎新(いそざき・あらた)さんで、施設の建設費は70億円、施設の年間維持費に5億円、周辺の整備も同時に行われ、事業の総額は100億円を超えた。東隣には日本放送協会の山口放送局、西隣には山口ケーブルビジョンの建物がある。

また、「R&D(研究開発:Research&Development)プロジェクト」と呼ばれる形態を中心に、多数の事業を実施している。プロジェクトのテーマは、身体や都市、自然など多種多様だが、いずれも内部に設置された研究開発チーム「ワイカム(YCAM)インターラボ(InterLab)」が市民や各分野の専門家と積極的にコラボをおこない、調査や実験からアウトプットまで、作品制作、ワークショップ開発、ソフトウェアとハードウェアの開発、論文発表など総合的かつ長期的な活動を展開している。

銀座ソニーパークは変わり続ける実験的な「公園」をコンセプトとし、東京オリンピックの終了後の2020年秋まで、年間を通して「驚きや遊び心を感じられる」さまざまな体験型イベントやライブなどを開く。

銀座ソニーパークは約707平方メートルのフラットな地上部と、地下4階の「ローワーパーク(Lower Park)」で構成されており、旧ソニービルの特徴的な構造は残しつつ、地下に吹き抜けがあるオープンな垂直立体公園になっている。

約2年間、「変わり続ける公園」として、実験的な試みをし、2020年秋からビルの建設に着手し、2022年に「公園」のコンセプトは変えずに拡張させる形で新しいソニービルを竣工する。公園は地下3階から地下1階が吹き抜け構造、地下5階が機械室・管理室になっている。

開場時間は10時から20時(31日、2日、3日は19時)。1日は休み。入場は無料。