「北の味紀行」で春ニシンと甘エビ、地酒「国稀」も

【銀座新聞ニュース=2019年3月8日】国内最大の外食グループ、コロワイド(神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1、ランドマークタワー)傘下のコロワイドMD(同上、045-274-5971)が運営する「北の味紀行と地酒 北海道八重洲店」(中央区八重洲2-7-12、ヒューリックビル、03-5255-3886)など「北の味紀行と地酒 北海道」(50店)は3月7日から6月上旬まで、ニシンと甘エビを提供している。

コロワイドMDが運営する「北の味紀行と地酒 北海道八重洲店」など「北の味紀行と地酒 北海道」(50店)で6月上旬まで提供されている「ニシンの薄造り」(画像は1.5尾)。

北海道の春の訪れを告げる、漁師町の旬の味「春告魚(はるつげうお)」の別名もあるニシンの「薄造り(ポン酢がけ)」(1.5尾1680円、1尾980円、価格はいずれも税別)、「おからニシン番屋漬(甘口)」(980円)と増毛町(ましけちょう)名産の「甘エビの“颯(さ)っと”唐揚げ」(880円)を提供している。

また、増毛町以外ではほとんど流通していないという1882(明治15)年創業の国稀酒造の地酒「国稀(くにまれ)」(特別純米酒でグラス690円)も「増毛の味」として販売している。

ウイキペディアによると、ニシンはニシン目ニシン科の海水魚で、欧米では「ヘリング (英、独:Herring、蘭:Haring)」といえばニシンも含むが、普通はタイセイヨウニシン(C. harengus)のことをいう。2種を区別したいときは、ニシンを「パシフィックヘリング(Pacific herring)、タイセイヨウニシンを「アトランティックヘリング(Atlantic herring)」という。

同じく「甘エビの唐揚げ」と国稀酒造の「国稀特別純米酒」。

繁殖特性や形態などが異なることから本種とタイセイヨウニシンは別種と考える研究者もいる。魚体は細長く、体長は30センチから35センチほどで、日本付近では春、産卵のために北海道沿岸に現れる。

タイセイヨウニシンは外洋水に近い比較的塩分濃度が高く水温の高い水深10メートルから200メートルの砂地、石、岩に産卵するのに対し、太平洋に分布する個体群は、タイセイヨウニシンと比較すると低塩分で低水温域の潮間帯に分布する水性植物(アマモやコンブなどの海藻類)に産卵する。

産卵期は春のみで水深1メートル以下の浅い海で行われる。メスは沈性で粘着性のある直径1ミリ程度の卵を海藻に産み付け、オスが放精して受精させる。この際に精子によって海水が白濁する群来と呼ばれる現象が起こる。

主に刺網漁や巻網漁によって漁獲され、1890年頃から1917年頃までの漁場は富山県沿岸から秋田県沿岸で、年々漁場が北上し、1920年頃には青森県沖から北海道、1923年には青森県沖の漁場も不漁となり、本州日本海側の漁は消滅した。

1910年以降は北海道沿岸(小樽から稚内にかけて)で急激に漁獲量が増え、明治末期から大正期の最盛期には春先の産卵期に回遊する北海道・サハリン系を主対象として100万トン近くの漁獲高があった。1953年から減少し、1955年には5万トンにまで激減した。

その後はロシアやカナダやアメリカからの輸入品が大半を占めた。激減の原因としては海流あるいは海水温の上昇、乱獲、森林破壊などとする説があるが、解明されていない。しかし、1890年代から2000年代までの海水温と漁獲量の変化を分析したところ、北海道・サハリン系ニシンの資源量変動と、海水温の長期変動には強い相関があり、乱獲だけが資源量減少の理由ではないとする研究者もいる。

激減以降、漁獲を増加させるために人工孵化や稚魚放流も行われているが、2002年から2011年間の10年間のニシンの平均水揚げ数量は4000トンに留まっている。しかし、日本の魚介類の漁獲枠対象魚種にはリストアップされていない。

ニシンは広く食用されている。江戸時代から明治時代には北海道の日本海沿岸で生産されたニシン粕が北前舟で本州へ移出され、菜種、藍、綿花などの商品作物の栽培に欠かせない高窒素肥料の金肥のひとつとして販売された。しかし、生産時には大量の薪を必要とするため、生産地では森林破壊が進んだという。

食用としては、身を塩焼き、フライ、マリネにするほか、身欠きニシンや燻製、コンブで巻いて煮締めた「こぶ巻き」などの加工品もある。卵の塩蔵品は数の子(かずのこ)と呼ばれる。新鮮な物は刺身でも食べられる。産卵期の春から初夏にかけてが脂が多くのり、旬とされる。

かつての日本では、乾物の身欠きニシン40貫(約150キロ)を1石と計算していた。生魚の場合には、身欠きニシン40貫に必要な200貫を1石と換算している。この石高換算は、松前藩の石高には反映されていないが、各地に千石場所といったニシン漁の盛んであったことを示す呼び名として残った。北海道のニシン漁の漁獲量は1897年にピークを迎え、130万石(約97万5000トン)を記録した。これは個体数で換算すると30億尾から40億尾と見込まれている。

増毛町は、北海道の北西部、留萌(るもい)振興局管内南部にある町で、日本海の海岸美がみられる雄冬(おふゆ)海岸と暑寒別天売焼尻(しょかんべつ・てうり・やぎしり)国定公園の一部である暑寒別岳を抱える。

歴史は古く、町内には北海道遺産に選定されたレトロな建物が立ち並ぶ。ボタンエビの漁獲高が日本一であるが、甘エビやタコなどの水揚げも多い。良質の水を利用して酒造も行われており、明治時代からある国稀酒造(元:丸一本間合名会社)は、日本最北にある造り酒屋という。町名の由来はアイヌ語の「マシュキニ」や「マシュケ」(カモメの多いところ)からとされている。人口は2018年9月現在で4360人。

中央区とその近隣地区での「北の味紀行と地酒 北海道」は「八重洲店」のほかに、(「人形町店」(中央区日本橋人形町1-17、JPR人形町ビル、050-3851-2492)、「大手町店」(千代田区大手町1-8-1、KDDI大手町ビル、050-3851-2680)、「カレッタ汐留店」(港区東新橋1-8-2、カレッタ汐留、03-6253-8577)などがある。

営業時間は八重洲店が平日が昼11時30分から14時、夜16時から23時30分。土・日曜日、祝日は16時から23時。休みはなし。人形町店が平日が昼11時30分から14時、夜16時から24時。土・日曜日、祝日は16時から22時30分。休みはなし。

大手町店が昼11時から15時、夜16時30分から23時。土・日曜日、祝日は休み。カレッタ汐留店が平日が昼11時から15時、夜16時から23時30分。土・日曜日、祝日は11時から23時30分。休みは不定休。