ピカデリ「男はつらいよ」50作目、倍賞千恵子、吉岡秀隆ら挨拶

【銀座新聞ニュース=2019年12月17日】国内映画業界第3位の松竹(中央区築地4-1-1、東劇ビル、03-5550-1533)は12月26日に丸の内ピカデリー(千代田区有楽町2-5-1、有楽町マリオン、03-3201-2881)で「男はつらいよ お帰り 寅さん」の公開記念上映会を開く。

12月27日から一般公開される「男はつらいよ お帰り 寅さん」((C)2019 松竹株式会社)。

26日18時30分の回上映前に、監督の山田洋次(やまだ・ようじ)さんをはじめ、車寅次郎の妹「諏訪さくら」役の倍賞千恵子(ばいしょう・ちえこ)さん、諏訪さくらの夫で、印刷工場「朝日印刷」の職工だった「諏訪博」役の前田吟(まえだ・ぎん)さん、さくらと博の長男で小説家の「諏訪満男」役の吉岡秀隆(よしおか・ひでたか)さん。

諏訪満男の高校時代の後輩で交際相手「イズミ・ブルーナ(及川泉)」役の後藤久美子(ごとう・くみこ)さん、諏訪満男の出版社の担当者「高野節子」役の池脇千鶴(いけわき・ちづる)さん、及川泉の母親「原礼子」役の夏木マリ(なつき・まり)さん。

車寅次郎のマドンナでジャズ喫茶を経営する「リリー」役の浅丘ルリ子(あさおか・るりこ)さん、朝日印刷のタコ社長の娘「朱美」役の美保純(みほ・じゅん)さん、柴又題経寺の寺男「源公」役の佐藤蛾次郎(さとう・がじろう)さん、諏訪満男と亡くなった妻との娘「諏訪ユリ」役の桜田(さくらだ)ひよりさん。

カフェくるまやの店長「三平」役の北山雅康(きたやま・まさやす)さん、柴又題経寺の住職「御前様」役の笹野高史(ささの・たかし)さんが舞台に登場してあいさつする。

「男はつらいよ お帰り 寅さん」は1969年に第1作「男はつらいよ」が劇場公開されてから50周年を迎え、1997年の「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別編」以来、22年ぶりに制作されたシリーズ50作目の作品となる。主人公の「車寅次郎」を演じ、1996年に亡くなった渥美清(あつみ・きよし、1928-1996)も出演し、歴代マドンナとしては、後藤久美子さん、浅丘ルリ子さんが出演している。

監督はほぼ全作を監督した山田洋次さんで、脚本は山田洋次さんと「男はつらいよ」シリーズで助監督を務めた朝原雄三(あさはら・ゆうぞう)さんが手がけた。

監督はほぼ全作を監督した山田洋次さんで、脚本は山田洋次さんと「男はつらいよ」シリーズで助監督を務めた朝原雄三(あさはら・ゆうぞう)さんが手がけた。

物語は柴又の帝釈天の参道にかつてあった団子屋「くるまや」は、現在はカフェ「くるまや」に生まれ変わっていって、その裏手にある住居では車寅次郎の甥である満男の妻の7回忌の法事で集まった人たちが昔話に花を咲かせていた。

サラリーマンから小説家に転進した満男の最新作のサイン会の行列の中に、満男の初恋の人で結婚の約束までしたイズミの姿があった。イズミに再会した満男は「会わせたい人がいる」とイズミを小さなジャズ喫茶に連れて行く。その店はかつて寅次郎の恋人だったリリーが経営する喫茶店だった。

ウイキペディアによると、山田洋次さんは1931年大阪府豊中市生まれ、南満州鉄道のエンジニアだった父親の勤務のため、2歳で満州に渡り、少年期を過ごし、1947年に大連から日本に引き揚げ、1954年に東京大学法学部を卒業、松竹に補欠入社、野村芳太郎(のむら・よしたろう、1919-2005)作品の脚本家、助監督を務め、1961年に「二階の他人」で監督デビューした。松竹ではヌーベルバーグが活躍していた時代にあって、松竹大船調路線の後継者として「下町の太陽」や「馬鹿まるだし」などのコメディを中心とした作品で企業内監督の道を歩んだ。

1969年に「男はつらいよ」を監督し、観客動員が地味だったが、評判を呼び、その後、27年間に全48作が制作される大ヒットシリーズとなった。1969年に芸術選奨文部大臣賞、その後、2、3年おきに「家族」や「同胞」などを手がけ、高い評価と手堅い成績を収めた。1972年に菊池寛賞、2002年に藤沢周平(ふじさわ・しゅうへい、1927-1997)原作の「たそがれ清兵衛」を制作、アメリカの「第76回アカデミー賞」外国語映画部門にノミネートされた。

2004年に藤沢周平原作の時代劇「隠し剣 鬼の爪」で「第7回ジンバブエ国際映画祭」最優秀作品賞を受賞した。同年に横綱審議委員、文化功労者、2008年に芸術院会員、2012年に文化勲章を受賞した。財団法人「いわさきちひろ記念事業団」理事長、関西大学大学院文学研究科、立命館大学映像学部の客員教授、文化学院の特別講師。妻は「平塚らいてうの記録映画を上映する会」副会長を務めた山田よし恵(やまだ・よしえ、1932-2008)。2012年12月15日に「山田洋次ミュージアム」がオープンした。

一方、「男はつらいよ」は1968年から1969年にフジテレビが制作、放送し、山田洋次さんが脚本を手掛けたテレビドラマが最初で、最終回で車寅次郎がハブを取りに行こうとして、逆にハブに噛まれ、毒が回り死んだと言う結末に視聴者から多数の抗議が殺到して、映画化につながったという。

松竹が1969年から1995年まで全48作と1997年に特別編1本を制作した。監督の山田洋次さんが全48作の原作、脚本を担当し、第3作と第4作を除く46作を自ら監督した。当初は第5作でシリーズを完結させる予定だったが、あまりのヒットに続編の制作が決定した。

以降、松竹のドル箱シリーズとなり、30作を超えた時点で世界最長の映画シリーズとしてギネスブック国際版にも認定され、渥美清の死去により、1995年に公開された第48作「寅次郎紅の花」をもって幕を閉じた。その後、「寅次郎ハイビスカスの花」を再編集し、新撮影分を加えた「寅次郎ハイビスカスの花 特別編」が1997年に公開された。

チケットはチケットぴあを通じて最速抽選・プレミアムを受付中で、18日11時締め切り。先行抽選も受付中で、20日11時締め切り。21日10時から一般発売する。料金は全席指定で2100円均一。