サニーヘルス、英国でジャンク食品CMの規制強化、日本は自衛のみ

【銀座新聞ニュース=2020年9月5日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「英国ではダイエットの大敵ジャンクフードのCM規制がさらに強化」を発表した。

英国ではすでに16歳以下を対象にしたテレビ番組でジャンクフードのCMを禁止されているが、こんどは21時前までのCMを禁止する。英政府は2022年末までにテレビとネットのオンラインで同時導入をめざしている。

「ジャンクフード」とは、ウィキペディアによると、栄養価のバランスを著しく欠いた調理済み食品のことで、高カロリー、高塩分にもかかわらず、ビタミン、ミネラル、食物繊維がほとんど含まれない食べ物をいう。「ジャンク」とは英語で「がらくた」や「くず」という意味で、具体的には、ファストフード、アイスクリーム、スナック菓子、清涼飲料水などを指す。

そんなジャンクフードのCMが、英国では国民の健康増進や肥満防止を強化するため、規制が強化されることになった。

政府は肥満が新型コロナウイルスの重症化のリスクを生じさせることを示す研究結果があると指摘し、新型コロナウイルスに感染したボリス・ジョンソン(Alexander Boris de Pfeffel Johnson)首相自身も、容体が悪化した一因が自身の太りすぎにあったとみており、肥満防止のためにCM規制の強化に踏み切った。

●肥満対策としてカロリー表示を義務化

英国では以前より16歳以下を対象にしたテレビ番組でジャンクフードのCMを放送することが禁止されているが、今回の規制で、さらに厳しいものになる。

脂肪、糖質、塩分の多い食品(HFSS=High in Fat,Sugar or Salt)については、テレビとオンラインのCMを21時までは禁止にした。21時までとしているのは、子どもがメディアを視聴する機会が増えるのが18時から21時で、この時間帯の食品CMのうち60%がジャンクフードであるという調査結果に基づくものとしている。

また、CM規制のほか、250人以上の従業員を雇う飲食店では、提供する食品のカロリー表示を義務化、自転車の奨励と専用道路の増設なども、肥満対策計画に盛り込まれる予定と報じられている。

ジャンクフードなど高カロリーで高脂肪の食品を食べすぎると、禁止薬物と同じような依存症になりやすく、自分の意思でコントロールするのは大変とされている。

●ジャンクフード規制のない日本

日本では今のところジャンクフードに関する規制はなく、法的な肥満対策は講じられていない。しかし、英国のほかアメリカ、フランス、韓国などいくつかの国では法的規制が設けられている。

日本においては、ジャンクフードで健康を損なったり、太ったりしないためには、自制するしかないのが現状という。とはいえ、ファストフードやカップラーメン、ポテトチップス、スナック菓子などを、時々無性に食べたくなることがある。この「無性に」というのが、もしかすると、ある種の中毒症状といえる可能性がある。なぜなら、高カロリー、高脂肪の食品は、ドラッグと同じように中毒性があるという実験結果があるからだ。

●ジャンクフードにはドラッグ並みの中毒性

フロリダの研究所で分子治療学の准教授であるポール・J・ケニー(Paul J.Kenny)博士の研究によると、コカインやヘロインなどのドラッグを使用するのと、ジャンクフードなど高カロリー、高脂肪の食品を食べ過ぎることは、どちらも同じように脳の快楽中枢を刺激し続け、最後には破壊してしまうとしている。

ケニー博士のチームは、ラットを3つのグループに分け、40日間の実験をした。1つ目のグループには普通のエサを、2つ目のグループには肉やケーキなど人間の高カロリーな食事を1日1時間だけ、3つ目のグループには同じく高カロリーな人間の食事を、1日23時間与えた。

3つ目のグループのラットがすぐに肥満体になったが、驚くべきことはラットの脳にまで変化があったという。

与えられ続けたジャンクフードによって、肥満体になったラットの脳の快楽中枢はマヒしてしまい、「もっと、もっと」と今まで以上のジャンクフードを求めるようになった。正にドラッグの中毒症状と同じ状態になったのだ。

さらに、食事の時にラットに電気ショックを与えると、1つ目と2つ目のグループのラットは恐怖で食事ができなくなったが、3つ目のグループのラットには変化はなかった。

ケニー博士によると、おそらく食事を平らげることだけに意識が強くなり、電気ショックが与えられることは切り離されているのだろうとしている。

●食べすぎてしまうのは意志が弱いせいではない

つい食べすぎてしまうのは意志が弱い、あくまでも自己責任と考えるのが一般的な意見となっている。行き過ぎた「食べすぎ」状態は、無意識に脳のスイッチがONになっているようなもので、自分の意思でコントロールできるものではない。しかも、一度壊れた快楽中枢は、そう簡単には元には戻らないのだ。

これが中毒の恐ろしさだ。ただし、これはあくまでもラットによる実験結果で、人間もまったく同じ状態になるとは限らない。しかしながら、高カロリー、高脂肪、高糖質、高塩分なジャンクフードが「太り脳(デブ脳)」を作ってしまうということは、肝に銘じておいたほうがいい。

WHO(世界保健機関)は、高カロリーなだけで栄養価の低い食品は肥満のリスクを高めるとし、糖尿病、心血管疾患、がんなどの成人病と関連付けられる報告をしている。しかし、日本では規制がない以上は、自衛するしかない、ジャンクフード中毒にならないためには、日ごろから健康的な食生活を送ることを基本にしたい。

また、ウイキペディアによると、ウェブスター辞典では、ジャンクフードは高エネルギーで栄養価がないもの、快楽は得られるが、得られる価値がない、または少ないものとしている。英国の食品基準庁は、ジャンクフードを「高カロリー、高塩分、または多量の砂糖を含んだ食品」と定義している。

また、英食品基準庁は2004年に子ども向け広告の制限を勧告し、16歳以下を対象としたテレビ番組について、脂肪、糖分、塩分を高度に含む食品の広告が禁止されている。

アメリカでは2007年にマクドナルドやキャンベルスープ、ペプシコを含む11の大きな食品販売業者が、12歳以下の子どもに対する、一定の栄養の基準を満たさない食品の広告を、自主規制することに合意している。さらに、アメリカのカリフォルニア州バークレー市では2015年1月1日から「ソーダ税」を導入、2017年からペンシルベニア州フィラデルフィア市でソーダ税を導入している。