サニーヘルス、摂取食品の燃焼の運動時間表示でダイエット促進を

【銀座新聞ニュース=2020年2月16日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「PACEラベルがあるだけでカロリー摂取量が大幅ダウン!PACEラベルとは?」を発表した。

栄養成分表示にPACEラベルを加えると、摂取食品のカロリーを燃焼させるのに必要な運動量がわかる。1個230キロカロリーのドーナツを食べると、このカロリーを燃焼させるためには約46分間のウォーキング、あるいは23分間のランニングが必要となり、運動量の多い食品を避けるようになるかもしれない。

食品のラベルには、カロリー、糖質、タンパク質、脂肪などの含有量を示す「栄養成分表示」があるのがほぼ世界共通となっている。ダイエットや健康に関心の高い人なら栄養成分表示をチェックする人が多いだろうが、そうでない人はほとんど見ていないかもしれない。では、その食品の「カロリーを燃焼させるのに必要な運動量」が併記されたらどうなるだろうか。

英国レスターシャーのラフバラー大学(Loughborough University)などの研究チームにより、その食品のカロリーを燃焼させるのにどれだけの運動が必要かをラベルに記載すると、最大で約200キロカロリーを削減できるようになるという研究結果が発表された。

この食品ラベルは「身体活動カロリー等価(Physical Activity Calorie Equivalent=PACE、運動量アドバイス)」と名付けられ、食品や飲料のカロリーを燃焼させるためには、ウォーキングやランニングなどの身体活動(運動)が何分間必要かを示している。

例えば、1本230キロカロリーのチョコレートバーを食べると、このカロリーを燃焼させるためには約46分間のウォーキング、または23分間のランニングが必要となる。

研究チームによると、表示を行うことで1人あたり1日最大200キロカロリーを削減できる可能性があることがあるとしている。食品のカロリーを運動量で換算した表示は消費者にとって理解しやすく、なるべくカロリーの少ないものを選ぶようになる。

英国王立公衆衛生協会は、現在の栄養成分表示ラベルをPACEラベルにすることを求めており、そのためには科学的根拠が前提となる。そこで研究チームは15のランダム化比較試験から、PACEラベルが表示された場合摂取カロリーがどの程度変化するかを調査した。

その結果、調査対象人数により幅はあるものの、平均して約65キロカロリーから80キロカロリー程度少なくなることがわかったという。また、1日3食と2回の間食をしている人の場合は、約200キロカロリーも削減できる可能性があることも示唆されている。

ラフバラー大学行動医学部の研究チームのアマンダ・デイリー(Amanda Daley)教授は、「毎日のカロリー摂取量の比較的小さな減少(100キロカロリー)だったとしても、積み重ねると大きな変化が生まれ、肥満や2型糖尿病の抑制に役立つ可能性がある。PACEラベルは、これを達成するのに役立つ」と述べている。

最近のダイエットトレンドは、糖質制限ダイエット(炭水化物抜きダイエット)や、運動を取り入れ、トレーニングで筋肉を付けることが主流となっている。以前と比較し、カロリーばかりにとらわれない流れになってきており、それはよい傾向だが、どんなに糖質を制限しようとも、筋肉を付けようとも、カロリーオーバーになれば確実に太るのが体の仕組みだ。

厚生労働省による日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、成人女性(30歳から49歳)の1日あたりの推定エネルギー必要量(カロリー)は、身体活動レベル(運動量)別で、低い人なら1750キロカロリー、普通の人で2050キロカロリー、高い人は2350キロカロリーが目安とされている。

基礎代謝+身体活動(運動)=消費カロリーなので、この数値を上回った分、つまりカロリーオーバー分は脂肪として蓄積される。消費エネルギーに対し、摂取エネルギーが足りなくなると、体は体脂肪をエネルギーに変えて使うようになる。とてもシンプルで、これがやせるメカニズムとなる。

体脂肪1キロ(1000グラム)を燃焼させるには、どのぐらいのカロリーが必要なのか?答えは約7200キロカロリーだ。仮に1カ月で1キロの体脂肪を減らすことを目標とした場合、7200÷30日=240キロカロリーということで、1日あたり240キロカロリーをカットすることで達成できる計算になる。

240キロカロリーは、ご飯ならおよそ茶碗1膳(150グラム)ほど、運動で消費するならウォーキング約1時間分(一般的な成人女性)のエネルギー量となる。

体のエネルギー源となるのは、糖質(炭水化物)、タンパク質、脂肪の3つの栄養素なので、それぞれの1グラムあたりのカロリーは、糖質は4キロカロリー、タンパク質は4キロカロリー、脂肪は9キロカロリーだ。

同じ1グラムあたりのカロリーは脂肪がもっとも高く、糖質、タンパク質の倍以上になる。糖質とタンパク質はどちらも4キロカロリーとなっている。糖質制限ダイエットでは、肉や魚などのタンパク質であれば摂取量に制限がないが、食べ過ぎればカロリーオーバーにより脂肪になる。なので、無制限に食べてもいいというわけではない。

1日のカロリー摂取量の割合は、糖質50%から55%、タンパク質15%から20%、脂肪25%から30%が理想と考えられている。食品ラベルに記載されている栄養成分表示ではカロリーのチェックも欠かせないが、糖質、タンパク質、脂肪などの表示も見るようにして、食品を選ぶ際の指標のひとつに加えるようにしたい。

PACEラベルが肥満や糖尿病の抑制につながる可能性があることは、素晴らしい効果といえる。もし、店で手に取ったお菓子に「ランニング1時間分」と書かれていたら、そっと棚に戻してしまいそう。ぜひ記載してもらいたいところだ。

糖尿病ネットワークによると、食品別の燃焼するのにかかるウォーキング時間はシリアル一皿(172キロカロリー)では31分、チョコバー(229キロカロリー)では42分、清涼飲料水1本(138キロカロリー)では26分、ブルーベリーマフィン1個(265キロカロリー)では48分、ポテトチップ1袋(554キロカロリー)では100分、サンドイッチ・チキン&ベーコン(445キロカロリー)では82分だ。