丸善日本橋で「東京伝統工芸品」展、青木啓作、小川真之助、矢代益美ら

【銀座新聞ニュース=2020年8月3日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は8月5日から11日まで3階ギャラリーで「江戸の匠 5人の伝統工芸士による技展」を開く。

丸善・日本橋店で8月5日から11日まで開かれる「江戸の匠 5人の伝統工芸士による技展」のフライヤー。

東京の伝統工芸品は、長い年月を経て東京の風土と歴史の中で育まれ、時代を超えて受け継がれた伝統的な技術・技法により作られている。5人の伝統工芸作家の作品を展示販売する。

東京の伝統工芸品は東京都知事から「東京都伝統工芸士」として認定を受けた41工芸品の職人が制作する工芸品を指しており、「東京都伝統工芸品産業振興協議会」の意見を聞いて、知事が東京都伝統工芸品に指定している。その要件として、1)製造工程の大部分が手工業的であること、2)伝統的な技術または技法により製造されているものであること、3)伝統的に使用されてきた原材料により製造されるものであること、4)都内において一定の数のものが、その製造を行っていること、を決められている。

「東京都伝統工芸士」のうち、「江戸小紋(東京染小紋)」は1976年に国が、1982年に東京都が認定、「東京打刃物(とうきょううちはもの)」は1989年に認定、「東京彫金」は1988年に認定、「江戸象牙」は1983年に認定、「江戸切子」は1985年に東京都が認定、2002年に国が認定している。

今回、出品するのは青木染色研究所(八王子市叶谷町1773-5、042-622-5612)の社長で江戸小紋の伝統工芸士、青木啓作(あおき・けいさく)さんの「江戸小紋」、和弘利器(葛飾区金町1-10-8、03-3607-0833)の代表取締役、大河原康宏(おおがわら・やすひろ)さんの「東京打刃物」、東京彫金の3代目で、彫金家の小川真之助(おがわ・しんのすけ)さん「彫金作品」。

前川象牙店(千葉県千葉市花見川区柏井1-15-2、043-259-5822)の前川敬太朗(まえかわ・けいたろう)さんの「象牙細工」、矢代硝子加工所(江東区大島3-25-5)の代表で、「財団法人伝統的工芸品産業振興協会」会長で伝統工芸士の矢代益美(やしろ・ますみ)さんの「江戸切子」。

青木啓作さんは静岡県沼津市生まれ、1955年4月に青木染色研究所に入社、1970年5月に青木染色研究所社長、1980年4月に伝産(国都)青成研修講師、1984年4月に東京都染色工業協同組合理事に就任、国の工芸士に認定され、1988年に東京都知事感謝状(伝統産業功労賞)を授与される。

1991年に東京都の伝統工芸士に認定され、1992年に東京都八王子市長賞、1997年に通商産業局長賞、2000年4月に東京都伝統工芸士会理事、2003年に経済産業大臣表彰、2010年に東京都伝統工芸品チャレンジ大賞理事長賞、2011年に八王子市ものづくり産業表彰、2014年秋に瑞宝単光章を受勲している。

大河原康宏さんは1997年に刃物鍛冶として業務を開始、2018年に葛飾刃物工業会理事長、、2019年に葛飾区伝統工芸士に認定される。

小川真之助さんは1967年生まれ、1989年から2代目の父親、小川健次郎(おがわ・けんじろう、1929-2011)に師事し、本格的に彫金をはじめ、2002年に東京都伝統工芸品産業振興に寄与し、東京都知事より感謝状、2007年に東京都伝統工芸士に認定され、現在、日本彫金会理事、東京都伝統工芸産業団体青年会会長。

前川敬太朗さんは1965年生まれ、2016年から父親の前川弘幸(まえかわ・ひろゆき)さんに師事している。前川弘幸さんは1989年に台東区優秀技能賞を受賞、2006年に前川象牙店を設立、現在、代表を務めている。

矢代益美さんは1956年に大友初次郎さんに師事し、1992年に東京都伝統工芸士に認定、1997年に東京都労働経済局長賞、1998年に中小企業公社理事長賞、2009年に経済産業大臣指定伝統工芸品の伝統工芸士に認定され、2014年春に瑞宝単光章を受勲している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。