丸善日本橋で仏王妃の画家ルドゥーテ「ボタニカルアート」展

【銀座新聞ニュース=2024年6月23日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は6月26日から7月2日まで3階ギャラリーで「ヨーロッパアンティーク版画展 ボタニカルアートから西洋古典版画まで」を開く。

丸善・日本橋店で6月26日から7月2日まで開かれている「ヨーロッパアンティーク版画展」に出品されるルドゥーテの描いた「紫陽花」。

南ネーデルラント(現ベルギー)出身で「バラの画家」として知られ、フランスの国王ルイ16世(Louis XVI、1754-1793)の王妃マリーアントワネット(Marie-Antoinette-Josephe-Jeanne de Habsbourg-Lorraine、1755-1793)の宮廷画家であり、フランス第一帝政の皇帝ナポレオン・ボナパルト(Napoleone di Buonaparte、1769-1821)の皇后ジョゼフィーヌ(Josephine de Beauharnais、1763-1814)が余生を送ったマルメゾン城のバラの描いたピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ (Pierre-Joseph Redoute、1759-1840)の作品を特集する。

国内初展示の作品や、彼の弟子たちの作品も多数展示し、古典作品から、博物画、風景画、古地図、愛らしい妖精、絵本の挿絵、16世紀の時祷書など歴史を経た稀少で味わい深い作品を取り揃えている。

ウイキペディアによると、ルドゥーテは1759年南ネーデルラント生まれ、1784年から1785年にかけて「新種植物の記述」を出版し、その挿し絵を担当し、1789年に王妃マリーアントワネットの蒐集室付素描画家の称号を得た。

1793年に自然史博物館付植物画家、1802年から1816年にかけて「ユリ科植物図譜」を出版、1817年から1821年にかけて「バラ図譜」を出版、1822年に自然史博物館付図画講師、1827年から1833年にかけて「名花選」を出版した。1840年の没後の1843年に「王家の花束」が刊行された。

皇后ジョゼフィーヌが1799年に購入し、1810年1月に離婚した後、余生を送ったマルメゾン城で250種類のバラを庭に植え、自らバラを愛でるだけでなく、後世の人々のためにと、集めたバラをドゥーテに描かせて記録に残している。今日でもバラには「ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ」という品種がある。

また、「バラ図譜」には169種のバラが精密に描かれ、芸術的価値だけではなく植物学上も重要な資料となっている。ただ、「バラ図譜」の原画は1837年にベリー公(Charles Ferdinand d’Artois、1778-1820)妃マリー=カロリーヌ(Marie Caroline Ferdinande Louise de Bourbon、Duchesse de Berry、1798-1870)の口利きで国家に買い上げられることとなるが、1871年のルーブルの図書館の火災で消失したと言われている。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)。