丸善日本橋で小野寺幸裕、長谷川武雄ら「九州のクラフト」展

【銀座新聞ニュース=2024年6月26日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は6月26日から7月2日まで3階ギャラリー特設会場で小野寺幸裕さん、甲斐のぶおさん、長谷川武雄さんらによる「九州のクラフト展<六人のモノづくり>」を開く。

丸善・日本橋店で6月26日から7月2日まで開かれる「九州のクラフト展」のフライヤー。

素材の特色と技術の確かさを求め、おおらかで健全なクラフトを制作し続けている「九州クラフトデザイン協会」(事務局・福岡県前原市大字本913、芸術村内、092-323-5606)の会員6人が作品を出品する。

今回、出品しているのは、工房「雲」(福岡県糸島市本913、芸術村内、092-323-5606)を主宰、天然木を使用した木製カトラリーなどを制作し、九州クラフトデザイン協会理事の小野寺幸裕(ゆきひろ)さん、「甲斐のぶお工房 ショップ匙屋」(大分県由布市湯布院町塚原4-84、0977-845-1530)を主宰し、大分産孟宗竹と国産ミズメ材を用いてスプーンやフォークなどを主に製造する甲斐のぶおさん。

「陶磁工房一朶(いちだ)」(長崎県大村市池田2-1304-2)を主宰する陶磁器家の中原真希さん、「工房 樹の香(きのこ)」(福岡県糸島市本913)を主宰する木工家で、九州クラフトデザイン協会監事の西茂さん、「長谷川陶磁器工房」(長崎県諫早市森山町唐比北466、0957-36-0925)を主宰するクラフトマン・デザイナーで、九州クラフトデザイン協会理事長の長谷川武雄さん、工房「アトリエやま」(長崎県東彼杵郡波佐見町宿郷924-1、0956-85-4684)を主宰する陶磁器デザイナーで、白磁のどうぶつを制作する山下行男さん。

九州クラフトデザイン協会は1961年に「九州クラフトデザイナー協会」として、クラフトデザインの発展に寄与すると共に、デザイナーの社会的、職能的地位の向上を図ることを目的に設立された。現在は沖縄を含む九州と山口の会員で構成され、「九州クラフトデザイン協会」と名称も新たにしている。また、デザイナーだけでなく、流通、教育関係者も会員に加えている。

小野寺幸裕さんは1974年福岡県生まれ、1998年に九州産業大学デザイン科を卒業、大分で木工家の時松辰夫さんに師事、2002年に糸島市に工房「雲」を構え、木工具を制作している。

甲斐のぶ夫さんは父親の甲斐治夫さんが独立して始めた「甲斐治夫工房」がルーツで、2000年に「甲斐のぶお工房」を設立、2002年に大分県大分県別府市から由布市湯布院町塚原に工房を移転し、併設のショップ匙屋で販売している。

中原真希さんは千葉県生まれ、1995年に女子美術大学芸術学部デザイン科を卒業、1995年から1998年まで「STUDIO80」に勤務、2000年に愛知県立瀬戸窯業高等技術専門校デザイン科を卒業、2001年に佐賀県立有田窯業大学校短期研修ロクロ科を卒業、2001年から2007年まで佐賀県有田町の「岳窯」に勤務、2008年に「陶磁工房一朶」を開窯して制作し、2012年に「ナガサキリンネ」を発足、2013年から「ナガサキリンネ」を運営している。

2009年にながさき陶磁展インテリア部門で大賞、2014年に第111回九州山口陶磁展で技能賞、2019年に第116回有田国際陶磁展で入賞している。

西茂さんはセンダン、楓、金木犀、ハゼ、せん、にれ、にがき、たぶ、トチ、桜、ちしゃ、ほう、花梨、もみじなどの木材を使って木工製品を制作している。

長谷川武雄さんは1949年長崎県生まれ、1973年に武蔵野美術短期大学通信教育部デザイン科を卒業、1974年にクラフトハウス茶碗屋を設立、1983年に「クラフトショップみつはな」を開店、日本クラフト賞、九州クラフトデザイン展福岡通産局長賞、朝日現代クラフト展で入選、1985年に国際デザインフェア(金沢市)で入選、1986年にPAK展で福岡通産局長賞、国際陶磁器展美濃1986で入選(1995年も入選)、長谷川陶磁器工房を設立、1986年に日本陶磁器デザインコンペティションで入選(1989年も)した。

1995年に(財)大阪デザインセンターのグッドデザイン商品に選定され、2005年にラクタキ(LAKTAKi)シリーズがジェトロのユニバーサル・クラフト・ジャパンに選定されている。社団法人日本クラフトデザイン協会会員、九州クラフトデザイン協会会員(理事長も)、九州陶磁器デザイン協会会員、佐賀県立窯業大学校特別講師。

山下行男さんは1945年佐賀県武雄市生まれ、1964年に長崎県の陶磁器産業を支援する長崎県窯業技術センターに入り、2006年に退職、同時に工房「アトリエやま」を設立した。1971年に第9回九州クラフトデザイン展で協会賞(グランプリ、1988年にも協会賞)、1978年に’78陶磁器デザインコンペティションで銅賞(1979年に入選、1985年にデザイン賞)、1986年に第1回国際陶磁展美濃’86で入選、2007年に第104回九州山口陶磁展で日刊工業新聞社賞(2010年に肥前陶磁器商工協同組合賞)などを受賞している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)まで。