大丸松坂屋画廊でKAORUKO「精霊」展、龍の鱗を描く

【銀座新聞ニュース=2024年6月27日】国内百貨店業界2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営するアートギャラリー「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(中央区銀座6-10-1、GINZA SIX、03-3572-8886)は6月27日から7月3日までKAORUKOさんによる個展「ANIMISM」を開いている。

大丸松坂屋百貨店の「Artglorieux GALLERY OF TOKYO(アールグロリュー ギャラリーオブトーキョー)」で6月27日から7月3日まで開かれているでKAORUKO(カオルコ)さんの個展「ANIMISM(アニミズム)」に出品されている「Girl(ガール)」(Acrylic,Gold leaf,Silver leaf,Silk screen)。

流行に左右されない作品をつくりたいと願うイラストレーター、画家のKAORUKO(カオルコ)さんは、日本に古来から伝わる「掛軸」や「屏風」のように現代アートを飾る文化を提唱し、一つ一つ、龍の鱗を描くことによって、KAORUKOさんの想いは研ぎ澄まされ、神社の宮司から頂いた湧水を使い、描いたその作品自体に精霊が宿ることを願っているという。

タイトルの「ANIMISM(アニミズム)」は「人間や動植物、無生物などあらゆるものに精霊が宿るとする思想」で、2020年3月にニューヨークで予定されていた個展のタイトルと同じだが、当時はコロナの感染拡大により中止となり、今回、ようやく東京で同じタイトルで個展を開き、日本における「アート」と「信仰」のあり方を問いかけている。

ウイキペディアによると、KAORUKO(カオルコ)さんは1965年愛知県名古屋市生まれ、1982年3月にシングル「虹いろの瞳」でデビュー、TDKコアが手掛けた初の新人歌手として期待され、メガロポリス歌謡祭で優秀賞に値するエメラルド賞を受賞した。デビューから1年ほど活動した頃、疲労困憊から腎臓を悪くして休業し、名古屋の病院に4カ月入院、その際、堀越高校も中退、回復後は歌手活動をセーブしてテレビドラマの端役で出演した。

療養中に趣味だった日本画や絵本創作を学び、1986年に日本画家の団体「白士会」公募に日本画で入選、1988年から童話作家の五味太郎さんに師事、イラストレーター、キャラクターデザイナーとして活動を開始し、カオルコ・KAORUKO名義で活躍する。

1993年に音楽活動を再開、サイケポップユニット「THE TABLES(テイブルズ)」を結成し、中野薫子、KAORUCO名義で活動、1993年4月にシックスティレコードからシングルでデビュー、6月にアルバムをリリース、1994年5月に2枚目のシングル「ねつれつにlove call」がテレビ朝日系バラエティ番組「福ぶくろ」(1994年4月から6月)のエンディングテーマに使用された。

2007年より活動をアメリカ・ニューヨークに移し、明治・大正時代の着物の文様のコラージュによる日本文化を反映させた表現をテーマに、現代に生きる女性を投影させた新たな様式のポジティブなフェミニズムを発表、2012年にアメリカのアート雑誌「New American Paintings(ニューアメリカン・ペインティングス)」に「アメリカで活動する注目のアーティスト(1200人の候補から選出された40人のなかの1人)」として紹介される。

2019年より猛威を振るっていた新型コロナによる感染拡大を受け、アメリカでの創作活動が難しくなったことから2020年秋に帰国、2021年1月にテレビ番組「あいつ今何してる?」に出演し、五味太郎さんに弟子入りしたことで美術家としての活動を本格的に始めたことや、村上隆さんと知り合ったことがきっかけでニューヨークに渡ったことなどを語った。2021年から吉本興業に所属している。

開場時間は10時30分から20時(最終日は18時)まで。