シャンテ「PERFECT DAYS」ロングラン上映で高崎卓馬がトーク

【銀座新聞ニュース=2024年6月20日】中堅の映画配給会社、ビターズ・エンド(渋谷区渋谷3-26-10、ネクスト渋谷、03-5774-0210)は6月26日にTOHOシネマズシャンテ(千代田区有楽町1-3-2、日比谷シャンテ、050-6868-5001)で「PERFECT DAYS」のロングラン上映を記念して、高崎卓馬さんによるティーチインを開く。

2023年12月22日から一般公開されている「PERFECT DAYS(パーフェクト・デイズ)」((C)2023 MASTER MIND Ltd.)。

26日18時30分の回上映終了後に、「PERFECT DAYS(パーフェクト・デイズ)」の共同脚本・プロデュースを手がけた電通の高崎卓馬さんが舞台に登場してティーチインを開く。当日は作品制作のエピソードなどについて語るほか、来場客からの質問も受付ける。

ウイキペディアによると、「PERFECT DAYS」はドイツのヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders、1945年生まれ)さんが監督を手がけ、役所広司さん(1956年生まれ)を主役に迎え、東京を舞台に清掃作業員の男が送る日々を描いている。

2023年5月16日から27日までフランス・カンヌで開かれた第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、役所広司さんが日本人俳優としては2004年に「誰も知らない」で受賞した柳楽(やぎら)優弥さん以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞、作品としてはエキュメニカル審査員賞(キリスト教関連の団体から、人間の内面を豊かに描いた作品に贈られる)も受賞している。

映画制作のきっかけは、渋谷区内17カ所の公共トイレを刷新するプロジェクト「THE TOKYO TOILET(ザ・トウキョウ・トイレット)」で、日本財団から渋谷区に構想を持ち掛け、2018年から進められ、2020年から2023年にかけて17カ所に順次設置された。

トイレの設計施工は大和ハウス工業、トイレの現状調査や設置機器の提案にはTOTOが協力し、トイレの維持管理は日本財団、渋谷区、一般財団法人渋谷区観光協会が3者協定を結び実施、事業費用の21億円は日本財団と発案者のファーストリテイリング取締役(グループ上席執行役員)で、創業者の柳井正さんの次男、柳井康治(こうじ)さんが出資した。2021年に一連の取り組みが評価されグッドデザイン賞を受賞している。

このプロジェクトを主導した柳井康治さんとこれに協力した電通のCDC(コミュニケーション・デザイン・センター)所属の高崎卓馬さんが、活動のPRを目的とした短編オムニバス映画を企画、その監督としてヴィム・ヴェンダースさんに白羽の矢を立てた。

ヴィム・ヴェンダースさんは、当初、短いアート作品の制作を考えていたが、日本滞在時に接した折り目正しいサービスや公共の場所の清潔さに感銘を受け、長編作品として再構想、日本の街の特徴と考えた「職人意識」や「プロ意識」を体現する存在として主人公を位置づけ、高崎卓馬さんの協力を得て東京を舞台とするオリジナルな物語を書き下ろした。

カメラはフランツ・ラスティグ(Franz Lustig)さんが撮影監督をつとめ、エグゼクティブプロデューサーは役所広司さん、脚本はヴィム・ヴェンダースさんと高崎卓馬さんが担当した。撮影は東京都内を中心に17日間にわたって行われた。

物語は東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山正木(役所広司さん)は、淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。

木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。

高崎卓馬さんは1969年福岡県福岡市生まれ、1993年に早稲田大学法学部を卒業、在学中は自主映画サークルや演劇サークルで脚本と演出を担当し、同年に電通に入社した。クリエイティブ局のコピーライターとして配属され、ACジャパン「黒い絵」でADFESTグランプリ、カンヌ国際広告賞銀賞など受賞している。数多くの企業キャンペーンを手がけ、2009年に映画「ホノカアボーイ」の脚本、プロデュースを担当、2010年に「JAAA クリエイター・オブ・ザ・イヤー」に選ばれる。

2011年にJR東日本「MY FIRST AOMORI」でTCCグランプリ、2013年にロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro、1943年生まれ)さんと松田龍平さん(1983年生まれ)が共演した「ドコモdビデオ」でTCCグランプリを受賞、2012年に祖母をモデルにした連作小説「はるかかけら」で小説家としてデビューし、2013年に「JAAA クリエイター・オブ・ザ・イヤー」に再び選ばれる。

2015年に東京オリンピック・パラリンピック招致プレゼンテーションにクリエイティブ・ディレクターとして参加し、2019年に小泉今日子さん(1966年生まれ)の親衛隊の少年たちの1980年代を描いた青春小説「オートリバース」を発表、2020年に男性アイドルグループ「HiHi Jets(ハイハイジェッツ)」の作間龍斗さんと猪狩蒼也さん主演のラジオドラマ「青春ラジオ小説 オートリバース」が民放ラジオ局99局にて放送されている。

2021年にACジャパンのCM「黒い絵」を「絵本まっくろ」として刊行し、同年、J-WAVEでMCを担当する深夜プログラム「BITS&BOBS TOKYO(ビッツ&ボブストウキョウ)」がスタートし、2023年12月に松田翔太さんが主演したテレビ東京系のテレビドラマ「The Truth(トゥルース)」で総合演出と脚本を務めている。

チケットはすでにオンラインと劇場窓口で販売している。料金は一般2000円、大学生1500円、高校生以下3歳以上、中学生、障がい者1000円、60歳以上のシニア1300円。