KDDIがauデザイン15年記念ケータイ展、深沢直人のト-クも

【銀座新聞ニュース=2017年7月20日】大手通信会社のKDDI株式会社(千代田区飯田橋3-10-10、ガーデンエアタワー)は7月21日から31日まで「GOOD DESIGN Marunouchi」(千代田区丸の内3-4-1、新国際ビル、03-6273-4414)で「ケータイの形態学展-The morphology of mobile phones」を開く。

KDDIが7月21日から31日まで開く「ケータイの形態学展-モーフォロジー・オブ・モバイル・フォン(携帯電話の形態学、The morphology of mobile phones)」のフライヤー。

KDDIが2002年に「auデザイン・プロジェクト(Design project)」がスタートさせてから2017年に15周年を迎えたのを記念して、2003年に発表された深沢直人(ふかさわ・なおと)さんがデザインした「インフォバー(INFOBAR)」をはじめ、auの携帯電話が展示され、カタログ、ポスター、コンセプトムービーなども紹介する。

会場では、5つの章に分けて「auデザイン・プロジェクト」や「イイダ(iida)」のコンセプトモデル、量産モデルを通じて、プロダクトデザインされた携帯電話約70点により、それぞれの形態が生まれてきた背景に迫り、携帯電話とスマートフォンデザインの過去と未来を展望する。

また、タカラトミーとのコラボにより、「auxトランスフォーマーズプロジェクト(TRANSFORMERS PROJECT)」で開発中のインフォバー型トランスフォーマーも展示する。

会場構成は第1章が「手が好きな形態-デザインケータイの誕生と終焉 2001-2011」、第2章が「魂を揺さぶる形態-ケータイはアートになりえたか?2009-2011」、第3章が「夢見る形態-アイフォン(iPhone)インパクトと新たな方向性の模索2007-2009」、第4章が「『シェア』と形態-スマホ・SNSの渦中へ 2008-2015」、第5章が「『ほどよさ』と形態-繋がりすぎないデザイン 2017-」になっている。

ウイキペディアによると、携帯電話は有線電話系通信事業者による電話機を携帯する形の移動体通信システムのことで、有線通信の通信線路(電話線等)に接続する基地局・端末の間で電波による無線通信を利用する。無線電話(無線機、トランシーバー)とは異なる。

携帯電話が発する電波の波長は20センチ程度で、世界的に狭義の「携帯電話」に入るものとしては、「iDEN」などの第2世代携帯電話以降の規格を使っているデジタルMCA無線などの移動体通信携帯端末や、無線免許を要しないUPCS(1900メガヘルツの周波数帯通信サービス) やPHSやDECT(ヨーロッパ電気通信標準化機構(ETSI)が1988年に策定したデジタルコードレス電話規格)などのいわゆる小電力無線局の携帯端末などがある。

日本の法令上は、先行して登場した移動体通信システムである自動車電話からの流れで「携帯・自動車電話」という表現が使われていたが、現在では「携帯電話」になっている。

1970年に大阪万国博覧会にワイヤレスホンとして出展され(コードレスホン)、1979年には日本において世界で初めて実用化された。ただ、これは車載電話機を使った自動車電話サービスで、現在の携帯電話とは異なる。1980年には電電公社(現NTT)の職員が携帯電話の研究に努め、YRP野比(横須賀リサーチパーク)では通信事業の研究が盛んになり、現在では携帯電話発祥の地として知られている。

このように1980年前後から事業として成立するようになり、一部の先進国で車載電話機(自動車電話)として携帯電話機の販売やサービスが開始されたが、固定電話機と比較すると導入価格や通信費用が数十倍、通信エリアも都市部に限定されていたため、一部の限られたユーザーが導入した程度であった。

ポータブルタイプは、日本では1985年にNTTが「ショルダーホン」を発売し、重量は3キロだった。携帯電話と称したものは1987年にNTTから発売され、体積が500cc、重量が900グラムだった。車載型ではないポータブルタイプとしては、1985年にNTTが「ショルダーホン」を発売している。

1990年代になると普及が進み、本体に液晶ディスプレイが搭載され、1990年代半ばには通信方式がアナログからデジタルへと移行した。1999年にはiモードが日本でスタートし、インターネット網への接続が可能となり、通信速度が向上し、画像やJavaを使用したゲームなども利用できた。

2000年代に入ると第3世代携帯電話が登場し、2001年に日本で3G (W-CDMA) の商用サービスがはじまり、テレビ電話が可能となり、パソコンと接続して高速のデータ通信が行えるようになり、英調査会社「インフォーマ・テレコム&メディア」によると、2007年11月の段階で世界全体での普及率が5割に達した。

2007年からは携帯情報端末(PDA)が進化し、スマートフォンが普及し、2007年に発売されたアイフォン(iPhone)をきっかけにスマートフォンが注目され、グーグル(Google)などが開発したアンドロイド(Android)をOS(基本ソフト)とした商品、マイクロソフトが開発するウインドウズ(Windows)を冠したOSを搭載したウインドウズフォン(Windows Phone)などが登場し、2010年からはアンドロイドを搭載したスマートフォンの発売が相次いだ。

国別生産(出荷)台数は、2000年に中国が4100万台、韓国が5750万台、日本が5535万台だったのが、2005年には中国が2億6687万台、韓国が1億9860万台、日本が4703万台と日本と中国では生産台数が逆転している。2016年の国別契約者数は中国が13億6493万人、インドが11億2781万人、アメリカが4億1668万人、日本が1億6427万人で7位になっている。

メーカー別では、2013年に韓国のサムソン電子が4億4444万台、フィンランドのノキアが2億5079万台、アメリカ・アップルが1億5079万台としている。

KDDIは1984年に設立された第二電電(DDI)と、1953年に電電公社から国際電気通信と国際電話事業を分離独立して誕生した国際電信電話(KDD)が1984年に設立された日本高速通信を1998年に合併した生まれた「ケイディディ株式会社」、1987年に設立されたトヨタ自動車系の「日本移動通信」(IDO)の3社が2000年に合併して「株式会社ディーディーアイ」となった。

2001年に社名を「ケイディーディーアイ株式会社」に変更し、2002年11月に現社名の「KDDI株式会社」に改称した。主要株主は京セラが12.76%、トヨタ自動車が11.09%、日本郵政共済組合が1.2%となっている。

事業としては、国内・国際通信全般を手がけ、専用線(法人向け専用サービス、個人向け光ファイバーなど)サービス、固定電話サービスとしての直収電話(メタルプラス)、すべての区分でマイライン登録が可能な中継電話・国際電話付加電話サービス(着信課金サービスの「フリーコールDX」・「フリーコールS」など)、携帯電話(auブランド)、プロバイダ(個人向けISPはau one net、法人向けは「KDDI」ブランド)、衛星電話(インマルサット・イリジウム)などの電気通信サービスを行っている。

「au デザイン・プロジェクト」は2001年に開始した携帯電話デザインを変革するための活動に端を発するプロジェクトがはじまりで、2002年に「au デザイン・プロジェクト」となり、国内外のデザイナーとのコラボによって携帯製品とコンセプトモデルを発表し、「デザインケータイ」というジャンルを築いたとしている」

このプロジェクトの精神は、2009年に「イイダ(iida)」ブランドへと継承されて、現在に至っている。これまでに発表した製品のうちインフォバー、タルビー、ネオン、メディア・スキンがニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品に選定されている。

「au デザイン・プロジェクト」によるデザイン・プロジェクトは2003年に深沢直人さんがデザインした「インフォバー(INFOBAR)」が第1弾で、その後、オーストラリアのプロダクトデザイナー、マーク・ニューソン((Marc Andrew Newson)さんが手がけたコンセプトモデルとして発表され、2004年に発売された「タルビー(talby)」や吉岡徳仁(よしおか・とくじん)さんが担当した「メディア・スキン(MEDIA SKIN)」などが商品化された。2009年から「イイダ(iida)」ブランドに継承された。

27日19時から「グッド・デザイン・マルノウチ(GOOD DESIGN Marunouch)」で「インフォバー」などをデザインしたプロダクトデザイナーの深沢直人さんによるトークイベントを開く。

深沢直人さんは1956年山梨県甲府市生まれ、1980年に多摩美術大学美術学部プロダクトデザイン科を卒業、同年に諏訪精工舎(現セイコーエプソン)に入社、1989年に諏訪精工舎を退職 アメリカの「ID トゥー(TWO、現イデオ=IDEO)」に入社、1996年に「イデオジャパン(IDEO Japan)」を設立し、日本支社長に就任した。

2003年に「イデオ」を退職し、独立して「ナオト・フカサワデザイン(Naoto Fukasawa Design)」を設立、2005年に織部賞、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科研究室教授、2012年に日本民芸館館長、2014年に多摩美術大学美術学部統合デザイン学科教授に就任している。

開場時間は11時から20時(最終日は17時)。入場は無料。トークイベントは定員が30人で、HPから予約する。

注:「深沢直人」の「沢」は正しくは旧漢字です。