米問屋の儀兵衛が銀座に米尽くしの米料亭

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【銀座新聞ニュース=2013年9月24日】京都の米問屋で、米料亭を運営する「株式会社八代目儀兵衛」(京都市下京区西七条北衣田町10-2、0120-705-883)は10月7日に「銀座米料亭 八代目儀兵衛」(中央区銀座5-4-15、エフローレ銀座、03-6280-6383)を開店する。

「株式会社八代目儀兵衛」の代表取締役で、五ツ星お米マイスターの橋本隆志さん。

「株式会社八代目儀兵衛」の代表取締役で、五ツ星お米マイスターの橋本隆志さん。

江戸の寛政(1789年から1801年まで)の時代から続く米問屋「儀兵衛」を引き継いだ「株式会社八代目儀兵衛」(京都市下京区西七条北衣田町10、075-201-5684)が運営する米料亭「京の米料亭 八代目儀兵衛(ぎへえ)」に続いて、10月に首都圏として初の米料亭を銀座に出店する。

代表取締役社長で8代目、「五ツ星お米マイスター」の橋本隆志(はしもと・たかし)さんが店全体をプロデュースし、取締役総料理長で、弟の橋本晃治(はしもと・こうじ)さんが独自の米の研ぎ方、炊き方で料理に最適な米を提供する。

10月7日に開店する「銀座米料亭 八代目儀兵衛」の入り口。

10月7日に開店する「銀座米料亭 八代目儀兵衛」の入り口。

「八代目儀兵衛」では全国各地から選んだ米と、自社の田んぼで育てた米を毎年吟味し、さまざまな米の種類、食べ方で米の「甘さ」が感じられるようにしている。中でも、「銀座米料亭」のコースで途中に出される土鍋ご飯は独自にブレンドした「翁霞(おきなかすみ)」を使用している。

また、京都の与謝野町の協力により、できるだけ化学肥料を使わず、その地域で廃棄される自然のものを利用して、土づくりに活かす自然循環農業により、自社畑で育てた米も、秋の収穫後に限定で食べられる。

この畑では、海のカキ殻や天日干しにした海藻、山の竹を粉にして、土に混ぜたり、豆腐工場の「おから」を土に混ぜて肥料にしている。また、定期的に立命館大学に土壌分析を依頼し、科学的データに基づいて、米に最適な土壌づくりを行っている。

店で土鍋ご飯に使う土鍋炊飯釜「バンブー(Bamboo)!!」は「八代目儀兵衛」と有田焼窯元が共同開発した釜で、2009年秋に3年をかけて完成させた。日本古来の竹の飯盒で炊いたご飯は竹にある水を浄化させる作用により、ふっくらとおいしく炊くことができるという。今回、土鍋釜の土に、特殊セラミックを練りこむことで、「ご飯」のうまみを高めるために必要な、遠赤外線放射率を限界にまで引き上げることに成功し、竹の飯盒と同じレベルの「ふっくらとおいしい」ご飯を実現した。

また、天ぷらなどの揚げ油には、米ぬかから抽出される「米油」を使用し、佐賀有明産のノリに表面に「米油」を塗り、沖縄の塩を振りかけて仕上げた、オリジナルの「塩のり」や「塩吹き昆布」、伝統的なレシピによってつくられた「ちりめん山椒(さんしょう)」なども用意している。

メニューは昼が「京赤地鶏のあんかけ親子丼」(1380円)、「京の鯛茶漬け」(1580円)、「京のお野菜と大エビの天ぷら御膳」(1680円)などがある。

夜は主力のコース「米ざんまいコース」(全11品、6800円)は米文化と京料理という伝統の和食技術を融合させ、すべて「米」に関連する料理で構成されている米づくしの米懐石という。オリジナルライスワイン「絆」、八穀米を使った「お粥(かゆ)」、米ぬか仕込みのソースを京野菜に添えた「米菜」、「鮨米」で握った「手まり寿司」、儀兵衛の米を使った3品「米八寸」、「翁霞」を炊く水を一滴「口直し」に出す。

続いて銀シャリの「瞬米」、土鍋炊飯釜で炊いたオリジナルブレンド米「翁霞」の「銀シャリ」ごはん「米主菜」、それに塩のり、香の物、味噌汁がつき、続いて儀兵衛の玉手箱「お供」、さらにでき立て“おこげ”とだし茶漬けで食べる「おこげ」で、最後に米甘味とお抹茶「甘み米」が出される。

橋本隆志さんは京都府生まれ、同志社大学商学部を卒業、地元の通販会社を経て、家業を継ぐため退職し、修業のため地元の「米問屋」で米の品質からあじわい方まで基本を学び、「京の米老舗」に入社、1997年に「日本米穀小売振興会」会長賞、2000年に食糧庁長官賞を受賞した。

同年に京都の文化を生かした新しい米販売の店として2006年に「株式会社八代目儀兵衛」を設立、同年に同志社大学大学院で「食育論」を学び、日本米穀小売商業組合連合会の「五ツ星お米マイスター」を取得、2010年から同志社大学大学院ビジネス研究科BAコースで学んでいる。

橋本晃治さんは大学を卒業後、いくつかの料理店を経て、大分県湯布院の旅館で修業し、その後、京都の懐石料亭で修業し、「株式会社八代目儀兵衛」に入社し、米と和食のよさを追求した「米料亭」を2009年10月に京都祇園八坂神社前に開店している。

営業時間は昼が11時から14時30分、夜が18時30分から22時30分。日曜日が定休日。