舟木一夫特集で本間千代子夫婦、和泉雅子、光本幸子らがトーク(2)

(トークイベントの出演者の略歴を加えました。過去の記事については店舗名、個人名などを検索すると見られます)
【銀座新聞ニュース=2012年10月5日】銀座シネパトス(中央区銀座4-8-7先、三原橋地下街、03-3561-4660)は10月12日から11月2日まで「スクリーンで観る舟木一夫と時代を彩ったヒロインたち」を開催する。

銀座シネパトス 舟木一夫

銀座シネパトスで10月12日から11月2日まで開催される「スクリーンで観る舟木一夫と時代を彩ったヒロインたち」で上映される「夢のハワイで盆踊り」((C)東映)。

銀座シネパトスが2009年から開催している「日本映画レトロスペクティブ」シリーズの一環で、今回は1963年に「高校三年生」で歌謡界に学生服デビューし、一躍スター歌手となった舟木一夫(ふなき・かずお)さんを特集する。

舟木一夫さんの特集は3回目で、東宝、松竹、東映、日活、大映といった大手の映画会社すべてに主演し、和泉雅子(いずみ・まさこ)さん、本間千代子(ほんま・ちよこ)さん、松原智恵子(まつばら・ちえこ)さん、光本幸子(みつもと・さちこ)さんといった女優陣と共演したうち、14本を上映する。また、共演した女優によるトークイベントも開かれる。

ウイキペディアによると、舟木一夫さんは1944年愛知県一宮市生まれ、1961年夏に、「松島アキラショー」で舞台上で松島アキラ(まつしま・あきら)さんと「湖愁」を歌い、ホリプロの会長の堀威夫(ほり・たけお)さんが1962年に上京させ、日本コロムビアのディレクターを通じて作曲家遠藤実(えんどう・みのる、1932-2008)にレッスンを受けさせ、愛知高校から自由ヶ丘学園高校に転校し、1963年6月に「高校三年生」でデビューした。

同年に第5回日本レコード大賞新人賞を受賞、本人が主演した同名映画もヒットし、続いた学園3部作と言われた「修学旅行」と「学園広場」もヒットした。1966年に「絶唱」で第8回日本レコード大賞歌唱賞、1970年に入ると、仕事が激減し、1970年、1971年、1972年と自殺未遂を図っている。1974年にNHKテレビ「思い出のメロディー」で復帰、その後、長らく不遇時代が続くが、1999年に中日ドラゴンズの応援歌「燃えよドラゴンズ!1999」を歌い、オリコン40位にランクインされた。2007年にデビュー45周年記念コンサート、現在、歌手のほか、舞台俳優としても毎年座長公演をこなしている。

上映される作品と日程は以下の通り(カッコ内は公開年、監督、共演女優、色彩、上映時間)。

10月12日から10月14日は「夕笛」(1967年、日活、監督は西河克己=にしかわ・かつみ、1918-2010=、共演は松原智恵子さん、カラー、91分)と「仲間たち」(1964年、日活、柳瀬観=やなせ・のぞむ、1932ー2009=、松原智恵子さん、カラー、94分)。

10月15日から10月17日は「友を送る歌」(1966年、日活、西河克己、和泉雅子さん、カラー、78分)と「哀愁の夜」(1966年、日活、西河克己、和泉雅子さん、カラー、86分)。

10月18日から10月21日は「君たちがいて僕がいた」(1964年、東映、鷹森立一=たかもり・りゅういち、1925-2011=、本間千代子さん、カラー、97分)と「夢のハワイで盆踊り」(1964年、東映、鷹森立一、本間千代子さん、カラー、96分)でいずれもニュープリント上映。

10月22日から10月24日は「その人は 昔」(1967年、東宝、松山善三=まつやま・ぜんぞう=さん、内藤洋子=ないとう・ようこ=さん、カラー、100分)と「高校三年生」(1963年、大映、井上芳夫=いのうえ・よしお=さん、姿美千子=すがた・みちこ=さん、カラー、86分)。

10月25日から10月27日は「いつか来るさよなら」(1969年、松竹、川頭義郎=かわづ・よしろう=さん、光本幸子さん、カラー、88分)と「永訣(わかれ)」(1969年、松竹、大庭秀雄=おおば・ひでお、1910-1997=、大空真弓=おおぞら・まゆみ=さん、カラー、94分)。

10月28日から10月30日は「残雪」(1968年、日活、西河克己、松原智恵子さん、カラー、96分)と「学園広場」(1963年、日活、山崎徳次郎=やまざき・とくじろう=さん、松原智恵子さん、カラー、82分)。

10月31日から11月2日は「絶唱」(1966年、日活、西河克己、和泉雅子さん、カラー、100分)と「北国の街」(1965年、日活、柳瀬観、和泉雅子さん、カラー、93分)。

10月20日14時から本間千代子さんと音楽プロデューサーで、本間千代子さんの夫、ひのきしんじさんとの夫婦によるトークイベントを開く。

10月27日13時40分から光本幸子さんと娯楽映画研究家の佐藤利明(さとう・としあき)さんによるトークイベントを開く。

11月2日14時から和泉雅子さんによるトークイベントを開く。

ウイキペディアなどによると、本間千代子さんは1945年長野県伊那町(現伊那市)生まれ、夫は音楽プロデューサーのひのきしんじさんで、小学生のときから「みすず児童合唱団」で歌を勉強し、その後、「ひばり児童合唱団」に所属し、コロムビア専属の童謡歌手となり、1958年に東映児童研修所の第1期生として入り、児童向け映画「六人姉妹」に出演(この作品は1959年に教育映画最優秀作品賞受賞)、研修所を卒業、東映児童劇団に入団、1961年に映画「恋と太陽とギャング」で本格デビューした。

同年に「歌う明星・青春がいっぱい」に出演し、清純派として映画スターの地位を確立、1963年頃から青春映画に次々と出演、多くの青春歌謡も歌った。1964年に日本映画製作者協会の第9回エランドール賞新人賞、1966年に守屋浩(もりや・ひろし)さんと結婚し(後に離婚)、次第に芸能活動から遠ざかり、1976年にひのきしんじさんと再婚して芸能界を引退した。

ただ、「あたらしかずよ」の名義で作詞を手掛け、五木(いつき)ひろしさんが歌った「熱愛」で1978年に日本作詞大賞を受賞している。1993年に慶応大学文学部(通信教育課程)に入学、6年かけて1999年3月に卒業した。2008年に日本大学大学院博士課程前期課程に入学、人間科学を専攻している。全国の地域FM局(コミュニティFM)ネット放送の「おはようサタデー-思いのままに-ミュージックサンキュー」のDJをひのきしんじさんとレギュラーで担当している。2010年9月に「青春スター-ときめきのヒロイン-本間千代子・高石かつ枝・高田美和」を発売、本間千代子さんの作品が41曲収録されている。

ひのきしんじさんは1945年東京都生まれ、幼少時、童謡歌手として活動し、1958年から日本テレビ系「怪人二十面相」に小林少年役として出演、1962年に「桧晋樹」の名義で歌手デビュー、1965年までに10数枚のシングル盤を発売するもヒット曲に恵まれず、その後、ディレクター、ラジオパーソナリティなど業務を広げ、1976年に本間千代子さんと結婚すると、音楽プロデューサーとして活躍している。

光本幸子さんは1943年東京都生まれ、1962年に上野学園高校音楽科を卒業、幼年より舞踊家の6代目藤間勘十郎(ふじま・かんじゅうろう、2世藤間勘祖=ふじま・かんそ、1900-1990)に師事し、後に新派入りし、195年に明治座「望郷の歌」で子役デビュー、1969年に映画「男はつらいよ」で初代マドンナ役として出演し、映画に初めて出演した。

その後、明治座社長と結婚(28年後に離婚)、育児による休業をはさみ、1984年5月に舞台「陽暉楼」(新橋演舞場)で復帰、舞台を中心に、テレビドラマ「必殺仕事人・激突!」や「鬼平犯科帳」、映画「シベリア超特急」などに出演している。現在も新派などの舞台を中心に活躍している。

佐藤利明さんは1963年東京都生まれ、月刊映画雑誌「映画秘宝」などに映画解説や映画関係者へのインタビュー記事を寄稿し、CSの映画専門チャンネル「衛星劇場」で2008年からインタビュー番組「私の寅さん」にレギュラー出演している。近年では、名画座などの上映プログラム、映画祭などのプロデュース、そのトークショーへの出演、歌謡曲CDの解説、コンサートの脚本執筆などを行っている。

和泉雅子さんは1947年東京都中央区銀座4丁目生まれ、家は三原橋のそばの寿司割烹店で、1957年に劇団若草に所属、子役として「劇団若草」で活躍し、「金語楼劇団」に入り、柳家金語楼(やなぎや・きんごろう、1901-1972)のかばん持ちを務め、1961年に日活に入社、青春映画に出演し、1963年に映画「非行少女」に主演し、エランドール新人賞、旧ソ連時代のモスクワ映画祭金賞などを受賞した。

1964年に精華学園女子高校を卒業、1967年に日活の山内賢(やまうち・けん、1943-2011)とのデュエット曲「二人の銀座」や「東京ナイト」がヒットし、1971年に日活が成人映画路線に転換したことから、テレビ中心に活動を移し、1985年に北極点踏破をめざすも途中断念し、費用1億円以上の借金を抱えた。

借金を完済し終えた1989年に再度、北極点に挑戦し、到達した。その後、東京都港区白金台2丁目に「ホテルメイツ」を経営、居住していたが、2005年に閉館、現在はトランクルーム(「トランクルームプリンスメイツ」)として営業し、銀座の自宅と北海道士別市の別荘を行き来している。

料金は一般・学生1300円、シニア1000円。2本立ての最終回1本は800円。ニュープリント上映は1500円。トークイベントの回は10月20日が指定席2750円。当日自由席が2500円。指定席は売り切れ。10月27日と11月2日はぴあシネマリザーブシートで前売券2000円、当日自由席が1800円。