ホットペッパー調べ、16年度外食3.6%減3兆9000億円に、単価減響く

【銀座新聞ニュース=2017年6月16日】リクルートグループの旅行、レジャー、飲食などの情報サービス会社、リクルートライフスタイル(千代田区丸の内1-9-2、03-6835-1000)の「食」に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメリサーチセンター」はこのほど、2016年度の「外食市場調査(推計値)」を発表した。

夏の「土用の丑の日」(2017年は7月25日と8月6日)に向けて、吉野家が6月15日から販売した「鰻重」(1枚盛750円税込)と「鰻重牛小鉢セット」(890円)、「鰻重肝吸いセット」(860円)。

それによると、2016年度(2016年4月から2017年3月)の首都圏・関西圏・東海圏(東名阪)3圏域の外食市場規模は前年比3.6%減の3兆9194億円と前年実績を下回った。

ホットペッパーグルメリサーチセンターでは、3圏域計で基準となる人口は前年度比0.6%減の4141万人、延べ外食回数も同2.9%減の15億4479万回、外食単価も平均2537円と同0.7%減と減少したことから、市場規模が縮小に転じた、としている。

外食市場規模は2013年度が3兆9574億円、2014年度が前年度比0.9%増の3兆9574億円、2015年度が1.9%増の4兆668億円だった。人口は2013年度4267万人、2014年度が4200万人で、2015年度が4168万人と減少傾向にある。

これに伴い、延べ外食回数も2013年度16億7028万回、2014年度が16億1835万回、2015年度が15億9114万回と減っている。しかし、外食単価は2013年度が平均2369円、2014年度が2467円と同4.1%増、2015年度が2556円と同3.6%増と伸びていたが、2016年度に減少に転じている。

かっぱ寿司が6月17日から予約をはじめる鹿児島県産大うなぎ3尾を使用した25センチの重箱からはみ出す「至極の大桶シリーズ 夏 うな重」(特製ダレ、山椒、しゃもじ付、税込1万円)。

2015年度に外食単価が上昇したのは、食材の仕入れ価格上昇や人件費の高騰により、外食メニューの値上げが目立ったのが要因とみていたが、2016年度は業態別の大分類で、「食事主体」業態(レストラン・食堂など)と「軽食主体」業態(ファストフードなど)が市場規模で同2.6%減だったのに対し、「飲酒主体」業態(居酒屋など)が同4.9%減と減少幅が大きく、単価の高い飲酒を伴う外食の延べ回数が減ったことが市場規模縮小の大きな要因としている。

業態別の大分類では、「ファストフード」が同2.7%増、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」が同1.9%増、「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」が同1.9%増、「アジアン料理店」が同1.3%増、「ファミリーレストラン、回転すし等」が同1.0%増だった。

逆に「和食料理店」が同8.1%減、「中華料理店」が同2.1%減、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」が同3.5%減、「フレンチ、イタリアン」が同2.1%減、「その他の各国料理店」が同7.4%減、「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」が同8.1%減だった。また、飲酒主体の「居酒屋」が同5.4%減、軽食主体の「立食のラーメン、うどん、そば業態」が同13.6%減と大きく減らしている。

また、2015年度から外食機会中の「飲酒の有無」についても集計を開始し、飲酒を伴う外食シェアは回数で46.1%(2015年度46.7%)、市場規模では70.6%(同71.1%)だった。

調査は首都圏、関西圏、東海圏の各圏域中心部からの鉄道距離が、おおむね首都圏90分圏、関西圏80分圏、東海圏60分圏の市区町村に住む20歳から69歳までの男女を対象にインターネットによって実施した。