M84で堀内球代がリスト「ため息」を伴奏にした「動と静」展

【銀座新聞ニュース=2017年7月11日】Art Gallery M84(中央区銀座4-11-3、ウインド銀座ビル5階、03-3248-8454)は7月10日から30日までTamayo Horiuchiさんによる写真展「Sospiro/ため息」を開いている。

アート・ギャラリー・エムハッシー(Art Gallery M84)で7月30日まで開かれている堀内球代(Tamayo Horiuchi)さんの写真展「ソスピロ(Sospiro)/ため息」に展示されている「マダーム・アト・ジ・オペラ(Madame at the Opera、オペラ座のマダム)」(税別5万円)。

イタリア・ベルガモに14年以上在住する写真家で、詩人としても活躍するTamayo Horiuchi(堀内球代=ほりうち・たまよ)さんが2013年8月と11月、2015年6月、2016年7月に続いてアート・ギャラリー・エムハッシー(Art Gallery M84)で開く個展だ。

今回はハンガリーの作曲家、フランツ・リスト(Franz Liszt、1811-1886)の「3つの演奏会用練習曲」のひとつ「ソスピロ(Un Sospiro)/ため息」(1849年出版)を伴奏に、「1枚の写真を通して捉える動きと静けさのため息を1つ1つ音符のように奏でる写真表現」をテーマに取り組んだ新作未発表作品を含む約45点を展示している。

堀内球代さんは「ストリートフォトグラフィーというフォトグラフスタイルを意識したシリーズに、その場の空気の動きと流れを受けて、自身の中に沸き起こる感情を包み込み、その感情から発する呼吸の感覚を表現する、『Sospiro/ため息』のビジョンは、写真への深みと動静の感覚をさらに加えるのではないか」としている。

また、「ヨーロッパ各地を撮影に訪れる際に自分の目が追うものは、ささやかなエモーションを探し続けようとする呼吸であり、それは終わりのない対話となり、私自身の目と心と頭が1つになる瞬間」という。「日常に出会うそのささやかな瞬間の呼吸の動きが、深い『ソスピロ/ため息』を促すストーリーになる瞬間として作品を感じて」ほしいという作品展だ。

堀内球代さんは1971年熊本県生まれ、横浜フェリス女学院大学音楽学部を卒業、1993年にフランスにわたり、パリの「エコール・ノルマル・ミュージック・ド・パリ」に留学、その後、ソルボンヌ大学フランス語科を経て、ピアノ教師として6年パリで生活した後、東京に暮らしながらも、パリを行き来し、写真と詩作をはじめ、2001年よりイタリアに移り、ベネチアを経て現在ベルガモに在住し、イタリアを拠点に展覧会、個展などの写真活動を続けている。

2001年に神戸インターナショナルフォトグラファー、IPA国際写真家協会展に入選、2004年にイタリア・ベネチア・ヴィッラファルセッティ・ビエンナーレ国際コンクールの写真部門大賞、イタリア・ピザ「エム・アルテ(EM’ARTE)2004」の国際コンクール芸術写真部門で大賞を受賞している。

14日18時から堀内球代さんも来日してレセプションを開く。

開場時間は10時30分から18時30分(最終日は17時)まで。入場は無料。日曜日は休館。展示品はすべて販売する。