ヴァニラ画廊で統合失調症の与偶が「球体関節人形」展

【銀座新聞ニュース=2017年8月7日】ヴァニラ画廊(中央区銀座8-10-7、東成ビル、03-5568-1233)は8月8日から20日まで与偶さんによる人形作品展「フルケロイド-FULLKELOID DOLLS」を開く。

ヴァニラ画廊で8月8日から20日まで開かれる与偶さんの個展「フルケロイド人形」に出品される作品。

球体関節人形の女性作家の与偶(よぐ)さんが2003年に京都で個展を開いて以来、13年ぶりにヴァニラ画廊で「フルケロイド-FULLKELOID DOLLS」と題して東京初の個展を開く。

ヴァニラ画廊では「救いようのない感情から産み堕とされる、心の幼きを止められた人形たち」、与偶さんが高校時代から近年まで20年にわたって制作した大型の球体関節人形から、中、小型のフィギュア作品まで約40点を一堂に展示し、販売する。

与偶さんは1982年岐阜県土岐市生まれ、先天性の遺伝子疾患(漏斗胸、全身の蒙古斑、幻覚障害)を持ち、幼少期より両親から身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、育児放棄を受けながら育ち、1994年より愛知県名古屋市のミッション系私立中学に進学、この時期から精神科医院で診療を受け、「分裂病(現在は「統合失調症」)」の診断を受け、通院治療を開始した。

高校在学時より独学で球体関節人形をはじめ、2000年3月に卒業、アルバイトの傍ら、自室で人形を制作し、グループ展などに作品を出品、2001年に批評家の大塚英志(おおつか・えいじ)さんより依頼を受け、CD「ロリータの温度」のビジュアルのための人形を制作した。

2003年に「季刊エス」第2号より「人形供養」の連載をはじめ、同年4月に京都で初個展、同年夏に家出して、東京に移住し、重度の精神病との長期にわたる闘病やさまざまな疾患の連鎖によって入退院を繰り返し、現在も通院治療している。2010年に「TH」第43号より「辛しみと優しみ」を連載、2017年に初作品集「与偶人形作品集 フルケロイド FULLKELOID DOOLLS」(書苑新社)を刊行している。

開場時間は12時から19時(土・日曜日、祝日、最終日は17時)。入場料金は500円。会場では作品集も販売する。