丸善日本橋で独のからくり鳩時計展、森の時計が輸入

【銀座新聞ニュース=2021年4月6日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は4月7日から13日まで3階ギャラリー特設会場で「からくり鳩時計展」を開く。

丸善・日本橋店で4月7日から13日まで開かれる「からくり鳩時計展」に出品されるからくり鳩時計。

ドイツの鳩時計を中心としたヨーロッパのインテリア専門商社「森の時計」(中央区日本橋横山町8-5、03-3249-8772)がシュヴァルツヴァルト(Schwarzwald)で作られているクォーツ式と機械式の「からくり鳩時計」を展示販売する。

「シュヴァルツヴァルト産鳩時計」についてはシュヴァルツヴァルド時計協会(VdS協会)が、定めている品質をクリアしているシュヴァルツヴァルト産機械式鳩時計にのみ、品質を証明する認定書を発行している。

森の時計によると、「鳩時計」はシュヴァルツヴァルトの小さな村に住む時計技術者、フランツ A.ケトラー(Franz Anton Ketterer、1676-1749)が初めて製作したといわれており、おもりで動かす木製の振り子時計で、毎時、正時に上部の小さな窓から小鳥の模型が顔を出し、時刻の数だけ鳴いて時間を教える。

その後、鳩時計は1808年頃には688人の時計技術士と582人の時計行商が集まる産業にまで発展した。シュヴァルツヴァルト地方では雪に囲まれた長い冬の期間を利用し、身近にあるさまざまな木に手彫りで飾りを施して鳩時計つくりに時間を費やした。

春や夏に農作業をする農家や木こりなどさまざまな人が長い冬の間にじっくりと時間をかけ装飾を施し、時計作りに取り組み、こうして作られた時計は夏になると行商によってヨーロッパ中で販売された。初めは屋根裏の小さな部屋で作られていた鳩時計だが、産業の発展とともに道具の揃ったワークショップとなっている。

鳩時計は本来はカッコーが鳴く時計なのだが、カッコーの別名が閑古鳥(不景気なときに鳴くとされる鳥)であるため、縁起が悪いとして変えられたという説がある。伝統のおもり式鳩時計が普及している一方で、現在ではドイツ国内市場をはじめ、アメリカ、日本、中国などで新しいムーブメントを組み込んだクォーツ式の鳩時計タイプも販売されている。

「森の時計」は芹沢庸介さんが大学卒業後に設立した会社で、ヨーロッパの鳩時計を普及させるのが目的で、年間800台以上の鳩時計を販売している。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は17時閉場)。