サニーヘルス、和食に取り入れ可能な「地球の健康な食事」法

【銀座新聞ニュース=2021年3月13日】健康食品、美容商品、化粧品などの販売会社、サニーヘルス(中央区八重洲2-1-6、八重洲kビル、03-6701-3000)はこのほど、レポート「体にも地球に優しい『プラネタリーヘルスダイエット』とはどんなもの?」を発表した。

最近、話題の「プラネタリーヘルスダイエット」は直訳すると「地球の健康な食事」になる。

ダイエット法は数多くあるが、糖質制限ダイエットやりんごダイエットなど、長期間に渡って続けることが難しいものもたくさんある。これらのように制限が多いダイエット法はやめた途端にリバウンドしてしまうので、食生活を健康的なものに見直す「正攻法」が結局のところベストといえる。

そんな中、海外で話題を呼んでいるのが「The Planetary Health Diet(プラネタリーヘルスダイエット)」だ。直訳すると、「地球の健康な食事」となる。「ダイエット」という名称だが、英語での「diet」とは減量という意味のほか、食物・食事制限・食生活などの意味を持ち合わせている。

このダイエットの食事法なら、続けることで健康な体を維持することができ、地球環境にも優しいというのが特徴なのだが、では、一体どんなものなのか?

●プラネタリーヘルスダイエットとはどんなもの?

2019年に世界16カ国の研究者37人で構成されたグループが、科学的な根拠に基づき、人類の健康増進とサステナブルな(持続可能な)食料システムを推進する食生活の指針をまとめたレポートを公開した(EATランセット委員会が2019年1月16日付の英医学誌「ランセット」に掲載された)。

肉の規定量は少なく、赤身肉なら小さいステーキを週に1切れ、鶏肉なら100グラムを週に2回程度になる

一般的なダイエット法と異なるのは、プラネタリーヘルスダイエットにおいては個人のダイエットに焦点を当てているというよりも、地球環境や食料問題など、より大きなテーマを掲げていること。

本レポートで以前紹介した「ゆるベジタリアン『フレキシタリアン』で体すっきりダイエット!」(2020年12月26日付)に近いイメージだが、地球のための食生活という視点が加わっている。

研究グループによるレポートでは、プラントベース(全粒穀物、野菜、果物、豆類などの植物性食品)の食品を大量に摂取することが推奨され、反対に減らすべき食品として、牛、豚、羊などの赤身肉(レッドミート)、魚、卵、砂糖、精製穀物が挙げられている。。

これによる効果は、世界で年間1100万人以上の人たちが食生活に関連した病気で命を落とさずに済むこと、増え続ける人口に対し食料を持続的に供給することができること、温室効果ガスの排出量を減少させることなどとしている。

●ハンバーガーなら週1まで!具体的な食べる量

プラネタリーヘルスダイエットの食事バランスを紹介する。まずは大まかな説明をすると、食事の半分は野菜、果物、ナッツ類にすることを基本とし、残りの半分は精製されていない全粒穀類を中心に、植物性タンパク質、植物性油脂など。肉は禁止ではないが、ごくわずかな量とすることがメソッドとされている。

全粒穀物とは、精白などの処理で糠となる果皮、種皮、胚、胚乳表層部といった部位を除去していない穀物のことで、玄米や小麦粉が使われた茶色のパンになる。

では具体的なグラム数はというと、1日あたり以下の数値が設定されている。1日あたり2500キロカロリーの摂取量と設定しているが、人種や体格、運動量などは個人差が大きいので、あくまでも参考程度にしてほしい(カッコ内は参考量)。

〇魚介類:28グラム
〇卵:13グラム(1個50グラムなので、4日で1個程度)
〇鶏肉などの白身肉:29グラム(骨なし、皮なしの鶏もも肉を1日おきに1枚)
〇牛、豚、羊など赤身肉:14グラム(ベーコンを1日おきに1枚、または中サイズのハンバーガーを1週間に1個)
〇豆:75グラム
〇糖質:米、小麦、トウモロコシ、大麦などの全粒穀物232グラム、でんぷん質の野菜(じゃがいもなど)を50グラム
〇乳製品:250グラム(1日にグラス1杯分)
〇野菜:300グラム(3、4皿分)
〇果物:200グラム(2.5皿分)
〇ナッツ類:50グラム
〇砂糖:31グラム(はちみつなら1日大さじ2杯)
〇不飽和脂肪酸を含む油(オリーブ油など植物性油脂):50グラム

●タンパク質を補うには

プラネタリーヘルスダイエットのメソッドに従うとしたら、はじめは食べ足りない感があるのは間違いないと思われる。中でも1番不足を感じるのが、タンパク源だ。

肉の規定量が少なく、赤身肉なら小さいステーキ(100グラム弱)を週に1切れ、鶏肉なら100グラムを週に2回程度だ。魚も鶏肉とほぼ同量。卵も4日に1個ほどなので、タンパク質はそれだけでは足りないので、プラントベース(植物性)のタンパク質で補うことになる。

日本であれば、豆腐、油揚げ、厚揚げ、納豆、みそなど大豆製品が充実しているので、それらを活用するとタンパク質を補える。また、大豆から作られたソイミートや、アメリカで大人気となっているエンドウ豆タンパクを使った代替肉(フェイクミート)も取り入れることで、タンパク質の必要量をクリアすることができるのではないかと思われる。

●糖質を摂取するなら全粒穀物から

プラネタリーヘルスダイエットでは、穀類は「全粒穀物」であることが指定されている。全粒穀物(ホールグレイン)とは、精白などの処理で糠となる果皮、種皮、胚、胚乳表層部といった部位を除去していない穀物のこと。米なら白米ではなく玄米、パンなら白いパンではなく全粒粉の小麦粉が使われた茶色のパンということになる。

穀類の栄養素は、基本的に種皮部分に多く含まれている。例えば、米の場合、玄米の胚芽と表皮の部分に95%が存在し、白米となる胚乳部分には5%しか含まれていない。つまり、精米する際に、95%の栄養がそぎ落とされてしまっていることになる。

ダイエットや腸内環境に重要な栄養素である食物繊維は、玄米には白米の約6倍もの量が含まれているほか、その他のビタミン、ミネラルも玄米のほう優位だ。

プラネタリーヘルスダイエットのルールをそのまま実践するのは難しい部分もあるが、この全粒穀物なら取り入れやすい。玄米と野菜を中心とした和食を心掛けていれば、このダイエット法に近づける。このため、自分のライフスタイルに合ったものを取り入れたい。

肉が好きな人にとって、このダイエット法の肉の量では物足りないかもしれないが、フェイクミートを上手に取り入れてほしい。最近では市販でもいろいろあるので、試してみてほしい。健康的にやせることができて、地球環境にも優しいなら素晴らしいことだ。