太郎平画廊でささきなつみ「リンジン」展、未知の生物を描く

【銀座新聞ニュース=2023年6月2日】有限会社太郎平(中央区日本橋本町1-7-12、日本橋太郎平ビル)は太郎平画廊(中央区日本橋本町1-7-12、日本橋太郎平ビル、03-6262-6905)で6月2日から24日までささきなつみさんによる個展「土は外へ」を開いている。

太郎平画廊で6月2日から24日まで開かれるささきなつみさんの個展「土(ど)は外へ」に出品される「寄と派の生」(和紙、染料、顔料)。

今春、東北芸術工科大学大学院修士課程を修了し、2021年に「第8回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展」で星野眞吾賞(大賞)を受賞したささきなつみ(佐々木菜摘)さんは、動植物や虫の特徴と人体が融合した未知の生物「リンジン」を皮革の上に描写したり、「リンジン」が使っていたと想定したテラコッタ粘土による作品、「リンジン」の研究者である「N氏」による手記や実験道具などをモチー フとした作品を作り、「リンジン」によるストーリーを展開している。

今回は、「リンジン」が土に特別な感情を抱いていたというストーリーから触発されて制作した作品を展示する。土に惹かれていた「リンジン」に思いを馳せながら、「土(ど)のなか」に着目して作った作品の数々、「生物としての人間の在り方の開放」をめざした作品を展示する。

ささきなつみさんの描く「リンジン」というストーリーは動植物や虫の特徴と人体が融合した未知の生物が「リンジン」で、「未知の生物による創作物」であることが研究者「N氏」 の記録によってわかり、「N氏」はこの未知の生物について、「全身青緑色で長い耳のような器官があり、体長3.3メートルの人型をしている」と説明し、「リンジン」と名付けた。発見されたその痕跡は過去に「N氏」が発掘したものであり、「N氏」はリンジンに遭遇した唯一の人物であるが、「N氏」の詳しい経歴や所在は判っていないとしている。しかし、ささきなつみさんによって「リンジン」の探求は続いている。

ささきなつみさんは1999年岩手県生まれ、2021年に東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コースを卒業、2023年に同大学大学院芸術文化専攻日本画領域修士課程を修了した。2019年に山形県総合美術展で奨励賞、2020年に岩手芸術祭美術展で日本画部門芸術祭賞、2021年の大学卒業時の卒業・修了制作展で優秀賞、同年に「第8回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展」で星野眞吾賞、2023年の大学修了展で優秀賞を受賞している。クマ財団第6期生。

開場時間は毎週水曜日から土曜日の12時から19時。入場は無料。