丸善日本橋で小野静観堂「骨董品」展、明治期のガラス製品も

【銀座新聞ニュース=2024年7月2日】大手書籍販売グループの丸善CHIホールディングス(新宿区市谷左内町31-2)傘下の丸善ジュンク堂書店(中央区日本橋2-3-10)が運営する丸善・日本橋店(中央区日本橋2-3-10、03-6214-2001)は7月3日から9日まで3階ギャラリーで「第27回日本橋骨董入札会」を開く。

丸善・日本橋店で7月3日から9日まで開かれる「第27回日本橋骨董入札会」に出品される骨董品の数々。

古美術商の「小野静観堂」(岐阜県大垣市東外側町1-2、0584-78-4492)が主催する骨董品のオークションで、今回も美術品、工芸品、民芸品400点以上を出品し、自由に入札できる。来場して希望の商品に金額を書いて入札するもので、イベント終了後に落札者が決まる。また、企画コーナーとして明治大正のガラスコップ類を紹介する。

日本アイスクリーム協会によると、1869(明治2)年6月に町田房蔵(ふさぞう、生没年不詳)が横浜・馬車道に「氷水屋」を開き、日本人として初めてアイスクリーム(当時は「あいすくりん」)を製造販売した。この「あいすくりん」は牛乳、卵、砂糖で作られており、シャーベットに近い食感で、小さなガラス製の器に入れられて販売された。

当時の値段は金2分(当時の女工の月給の半分ほどで、現在の価値で8000円ほど)と高額だったことから、この時の商売は失敗に終わる。しかし、「横浜沿革誌」によると、大赤字となり一時休業したが、1870(明治3)年4月の「横浜総鎮守伊勢山皇大神宮創建の祭」に際して「あいすくりん」の販売を再開し、祭礼の賑わいと初夏の日差しにより「頗(すこぶ)る繁盛を極め、因(よっ)て前年の失敗を快復」したとある。ただし、この後、町田房蔵は「あいすくりん」から手を引いて、造船業の仕事についたとされている。

今回の企画コーナーでは、明治当時のガラス製の器を展示販売する。

「小野静観堂」は1912(明治45)年に関が原の合戦(1600年)で知られる岐阜県大垣市で創業し、古陶器、茶道具、煎茶道具、郷土ゆかりの掛軸など古美術全般を扱っている。現在の店主の小野由孝さんは4代目。

開場時間は9時30分から20時30分(最終日は15時)。入場は無料。