中央の百貨店4月、日本橋2店が減、銀座2店と東京店堅調

【銀座新聞ニュース=2018年5月2日】中央区とその周辺の主要百貨店の4月売上高(速報値、店頭ベース)は日本橋高島屋と日本橋三越が3月に続いてマイナスで、銀座三越、大丸東京店、松屋銀座店の3店がプラスだった。

4月の売上高もプラスとなり、20カ月連続で前年を上回った大丸東京店。

4月は月を通して気温が高く推移したことで、各店ともブラウス、ワンピースなどが好調に推移し、婦人帽子、パラソルも活発に動いたとしている。また、訪日外国人観光客(免税売上高、インバウンド)需要も3月に過去最高を記録したこともあって、4月も堅調だった。

三越伊勢丹ホールディングスの日本橋三越(中央区日本橋室町1-4-1、03-3241-3311)は前年同月比2.9%減(3月速報値0.1%減、確定値8.3%減の136億円、小型店舗と恵比寿三越、ソリューション統括部を含む)と店頭ベースでは2カ月続けて前年を下回った。

一方、銀座三越(中央区銀座4-6-16、03-3562-1111)は同9.1%増(同速報値5.7%増、確定値5.7%増の78億円、但し空港型免税店の売り上げを除く)と13カ月続けてプラスだった。

新宿伊勢丹本店を含む首都圏の基幹3店では、ラグジュアリーブランド、宝飾時計、化粧品などが好調で、月を通して気温が高く推移したことで、例年より早く夏物アイテムの関心が高まったことも実績の押し上げに寄与した。とくに、婦人衣料品ではワンピースやカットソー、婦人雑貨では帽子やサングラスなどの紫外線(UV)対策アイテムが好調だった。訪日外国人観光客(免税売上高、インバウンド)需要は引き続き好調に推移した。

日本橋高島屋(中央区日本橋2-4-1、03-3211-4111)は同2.5%減(同速報値0.4%減、確定値0.4%減)と7カ月続けて前年を下回った。日本橋店は店内改装の影響などにより前年に届かなかったとしている。

17店舗ベースの商品別では、国内、訪日外国人観光客需要とも好調な特選衣料雑貨、宝飾品が大きく売り上げを伸ばしたほか、シーズンアイテムが好調だった婦人雑貨や呉服、リビングなどが前年比プラスとなった。食料品は前年並みで推移した。一方で、紳士服、婦人服は、平年より高温の日が多かったことにより夏物アイテムに動きはあったが、前年には届かなかった。訪日外国人観光客需要は前年に比べて23.7%増だった。

J.フロントリテーリングの大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は同3.9%増(同速報値4.8%増、確定値5.0%増)と20カ月続けてプラスとなった。全体では、気温が平年より高く推移したことにより、ブラウス、ワンピースなどが好調で、婦人帽子、パラソルも活発に動いたほか、化粧品、ラグジュアリーブランド、美術宝飾品も大きく売り上げを伸ばした。また、訪日外国人観光客需要(速報値)は、対前年50%増(客数45%増、客単価3%増)となった。

J.フロントリテーリングでは2017年4月から「不動産事業」を独立させて、確定ベースで伸び率を公表しており(速報値ベースは未公表)、3月の「ギンザ シックス(GINZA SIX)」や「上野フロンティアタワー」などの家賃収入は同200.4%増だった。

松屋銀座店(中央区銀座3-6-1、03-3567-1211)は同11.2%増(同速報値5.3%増、確定値5.3%増)と10カ月続けて前年を上回った。

銀座店は、文化催事が好評につき、売上高、入店客数ともに前年を大幅に上回った。また、婦人部門は気温が高い日が続いたことも影響し、衣料ではブラウス、ワンピース、雑貨では帽子、サングラスが好調で、訪日外国人観光客需要についても、引き続き化粧品、ラグジュアリーブランド、時計などを中心に堅調に推移した。免税を除いた国内客の売上高も、前年を上回っている。

日本百貨店協会(中央区日本橋2-1-10、03-3272-1666)によると、国内80社222店舗(総従業員6万9415人)の3月売上高(店舗調整後)は前年同月比0.1%増の5202億3098万円で、4カ月ぶりにプラスとなった。

3月は気温上昇による春物需要の高まりに加え、緩やかな景気回復基調の中、高額消費と訪日外国人観光客需要(インバウンド)が引き続き好調に推移したことから、前年実績をわずかに上回った。

顧客別では94.4%を占める国内市場が同1.8%減だったのに対し、シェアが5.6%の訪日外国人観光客需要は、花見客を中心とした訪日需要の盛り上りやリピーターの増加で、約290億円と1月の約284億円を超えて、過去最高を記録した。

全国の百貨店の営業日数は前年同月より0.1日増の30.9日、124店舗の回答によると、入店客は33店が増え、52店が減ったとし、うち85店舗の回答によると3月のひな祭り、ホワイトデー、卒業・入学、新生活の売り上げについては15店が増え、18店が減ったとしている。東京地区(13社25店)の3月の売上高は同0.1%増の1415億4240万円と2カ月続けてプラスだった。

国内93店舗の訪日外国人観光客需要の3月の免税売上高は同48.1%増の約290億3000万円で、16カ月連続のプラス、単月としては過去最高を記録し、国内の百貨店に占めるシェアが5.6%としている。

このうち、一般物品売上高は同29.8%増の約144億3000万円で、13カ月続けて前年を上回った。化粧品や食料品などの消耗品売上高が同72.0%増の146億円、購買客数が同42.4%増の約42.1万人と2013年2月から62カ月続けてプラスとなり、1人あたりの購買単価が同4.0%増の6万9000円で、11カ月続けて前年を上回った。

人気のあった商品は1位が化粧品(2016年12月から2018年2月まで1位)、2位にはハイエンドブランド(12月2位、1月、2月4位、3月2位、4月4位、5月3位、6月2位、7月3位、8月から11月2位、12月3位、1月から2月2位)、3位に婦人服飾雑貨(12月3位、1月2位、2月と3月3位、4月と5月2位、6月3位、7月2位、8月から11月3位、12月2位、1月3位、2月4位)が上がり、4位も婦人服(4月は6位以下、5月から2月まで5位)が上がり、5位に食品(12月4位、1月3位、2月2位、3月4位、4月3位、5月3位、6月4位、7月から12月4位、1月4位、2月3位)が下がった。

免税手続きカウンターの来店国別順位は1位が中国本土(12月から2月まで1位)、2位が韓国(12月から7月まで4位、8月2位、9月4位、10月から12月3位、1月4位、2月2位)、3位に香港(12月から7月まで2位、8月3位、9月2位、10月4位、11月から1月2位、2月4位)が上がり、4位に台湾(12月から7月まで3位、8月4位、9月3位、10月3位、11月4位、12月4位、1月と2月3位)が下がった。

5位にタイ(12月6位、1月から11月まで5位、12月6位、1月と2月5位)、6位にシンガポール(12月5位、1月から11月まで6位、12月5位、1月と2月6位)、7位がマレーシア(12月から2月まで7位)だった。