大丸でワインフェア1000種超、「コロンブスの日」記念ワインも

【銀座新聞ニュース=2018年10月11日】国内百貨店業界第2位の流通グループ、J.フロントリテイリング(中央区八重洲2-1-1)傘下の大丸松坂屋百貨店(江東区木場2-18-11)が運営する大丸東京店(千代田区丸の内1-9-1、03-3212-8011)は10月10日から16日まで11階催事場で「第94回世界の酒とチーズフェスティバル」を開いている。

大丸東京店で10月16日まで開かれている「第94回世界の酒とチーズフェスティバル」のフライヤー。

1975年からはじまった「世界の酒とチーズフェスティバル」(当時は「洋酒展」で、ウイスキーを中心にオーストラリアの輸入肉とともに販売)は、日本の百貨店でもっとも歴史のあるワインフェアで、当時は高価であったワインを試飲してから購入できるというスタイルが画期的だったという。

94回目の今回も世界の1000種類以上のワインを取りそろえ、ワインの他に、100種類のチーズやフォアグラなども提供する。試飲も毎日、300種以上が可能としている。
今回は1492年10月12日の新大陸(アメリカ大陸)発見デー(コロンブスの日)になぞらえて「コロンブスデーから始まるワインの新発見」がテーマで、クリストファー・コロンブス(Christopher Columbus、1451頃-1506)にゆかりのある国のワインも用意している。

また、「シャンパン&フランチャコルタ フリーフロー」の新企画も実施し、有料試飲コーナーでは日替わりで3種類のシャンパンとフランチャコルタを用意し、40分間おかわり自由で飲める。中には最初の1杯限定で人気の銘柄も入っているという。

主なワインは、前回93回でもっとも売れたのがポルトガル・ダンの「キンタ・ドス・ロケス・キンタ・ド・コーレイヨ」(赤、1215円)とチリ・カサブランカヴァレーの「カサスデルボスケ・ソーヴィニヨンブラン・レゼルバ」(白、1566円)、チリ・カチャポアル・ヴァレーの「トレオン・デ・パレデスヴァレ・デ・レンゴ」(ロゼ、1566円)、南アフリカのウェスタンケープの「KWV・キュヴェ・ブリュット」(スパークリング、1263円)。

スペイン・トロの「2015 ボデガス・マツ・エル・レシオ」(赤、2712円)、ギリシャ・サントリーニの「2015 エステイト・アルギロス・サントリーニ・アシルティコ」(白、3985円)、日本・山梨の「2017シャトー勝沼・GI山梨・蔵出し甲州」(白、一升瓶、2916円)、イタリア・シチリアの「2016 ガリオ・チェラ」(赤、4968円)、アメリカ・カルフォルニアの「NV スコット・セラーズ・バスクリーク・ラージマウスレッド」(赤、1944)などのコロンブス関連のワインが販売されている。

チーズはシャンパンやスパークリングなどの発泡性ワインとの相性がいい、「チェスコ」の「プチグレ シャンベノア」(150グラム、2430円)、つまみや朝食に合う、26カ月の熟成により作られた「チェスコ」の「ベームスターEXオールド」(100グラム、1080円)、熟成中は塩水とブランデー(マール酒)で何度も洗い、強い風味を生み出すウォッシュチーズ「チェスコ」の「エポワス シャランセ」(250グラム、4190円)など。

ワインにあうスイーツ&おつまみも販売されている。「ピエール・ルドン」のマカロン、「サンミッシェル」のマドレーヌ、「ナチュラルワン」の砂糖・食品添加物不使用のドライフルーツ、ナッツ、ローズなど。

ウイキペディアによると、「コロンブス・デー」は1492年10月12日にクリストファー・コロンブスによるアメリカ大陸への発見と到着を祝う記念日で、アメリカでは「Columbus Day 」(コロンブスの日)、ラテンアメリカでは「Dia de la Raza」(民族の日)と呼ばれている。

コロンブスの「功績」はアメリカ大陸を「発見したこと」と語られるが、アメリカ大陸にはこれ以前からインディアンやインディオなどのモンゴロイド系先住民族が1万年以上前から居住し、独自の文明を築いていたことを考えると、「発見」という言葉自体がヨーロッパ中心で世界を見る視点に立脚した発言としている。

中立的な視点では「大西洋航路の発見」、ヨーロッパとアメリカ大陸を結ぶ「航海路を発見した」というのが、その真の功績であるという。コロンブスのアメリカ大陸到着以前はユーラシア大陸と南北アメリカ大陸の住人や国家、文明の間には相互の文化や経済、政治などに影響を与え合うほどの交流がほとんどなかったことから、「世界の一体化を促進した」とする評価もできる。その評価の中には、聖書に地球が球体であると描写された記述があり、コロンブスによりそれが正確であると立証されたこともあげられる。

コロンブス自身はアメリカ大陸を最後までアジアだと誤認しており、「新大陸」と気づくことはなかった。しかし、ヨーロッパ白人もアメリカ大陸のインディアンも、双方が互いを知らなかった状況において、ヨーロッパ白人がアメリカ大陸に来訪したのを、「アメリカ大陸を発見」と呼んでも、必ずしも不公平ではないという意見も白人の中にはあるとしている。

しかしながら、ヘルゲ・イングスタッド(Helge Marcus Ingstad、1899–2001)とアン・スタイン・イングスタッド(Anne Stine Ingstad、1918–1997)の夫妻が、カナダ・ニューファンドランド島のランス・オ・メドーでコロンブスが北アメリカに上陸する以前の年代に、バイキングが持ち込んだとされる鉄釘を発見した。

これによりコロンブスが「西洋人としてはじめて」も「新大陸を発見した」という説も覆った。現在ではバイキングがアメリカ大陸に到達し、その地をアイスランド生まれのノルマン人航海者(バイキング)のレイフ・エリクソン(Leif Ericson、970頃-1020頃)が「ヴィンランド(Vinland)」と呼んでいた事実は、定説となっている。

また、古代ポリネシア人もおそらく南アメリカに到達し、コロンブス交換以前にサツマイモのような南アメリカの作物を旧世界に持ち込んでいた。後世のコロンブスの発見に比べれば、交流は限定的であるが、少なくともアメリカ大陸以外の住人が、アメリカ大陸に来訪したのは、コロンブスが最初ではないのは事実であるとしている。

期間中、ワンコインセミナー(500円)を開く。今回は「ワールド・ワイン・ナウ(WORLD WINE NOW)-世界のワインの今」をテーマに、各回定員10人で、試飲できる。

12日15時10分から「ユンプラス(Y’n plus)」代表の高橋佳子(たかはし・けいこ)さんによる「スパークリングワイン チャレンジ!-タスマニア産スパークリングの挑戦」を開く。オーストラリアの「ハウス・オブ・アラス」の「EJカー レイト・ディスゴージド 2002」とフランスの「ビルカール・サルモン」の「キュヴェ・ニコラ・フランソワ・ビルカール 2002」のスパークリングワイン2種類を試飲する。

13日11時からC.I.V.Bボルドーワイン委員会公認講師の堀口瑞予(ほりぐち・みずよ)さんによる「あなたはまだボルドーを知らない」を開く。フランス・ボルドー地方から「アントル・ドゥ・メール」の「シャトー・レストリーユ 2016」(白)、「エリック・ブリセット」の「アンフォラ」(赤)、マルゴー村の「シャトー・マルキ・ダレム・ベッカー 2007」(第3級、赤)を試飲する。

14日11時から日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザーの吉住久美(よしずみ・くみ)さんによる「話題の個性派 オレンジワイン-伝統から最新モードへ」を開く。ジョージアの「ルカツィテリ・アクホエビ」の「アワー・ワイン 2015」、イタリアの「フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア」の「グラヴナー リボッラ ジャッラ 2007」と「ビアンコ・デッラ・カステッラーダ VRH 2007」、ドイツのファルツの「ヴァイングート・オーディンスタール」の「オーセロア バザルト 2015」を開く。

営業時間は10時(初日は15時)から20時(木・金曜日は21時)まで。